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叛逆者はヤンデレを避けて気ままに暮らしたい  作者: 芋ケンプ
本編 第一章 叛逆者と時の魔女
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再会と依頼と条件と


「久しぶりね。ゼロ」


玉座に座って笑みを浮かべる白髪の少女…と言っても同い年だが。おかしい…眼が笑ってない。


「一年ぶりだな。エンジェライア」


せめて誰かいれば彼女も変な行動はしないだろうが、彼女の指示でこの広い空間は2人きりにされてしまった。


「そうね。うふふ…」


「……」


ダメだこれ。絶対怒ってるわ。戦闘なら最強だと自負しているがこれは無理だ。


「『一年ぶり』ねぇ?まさか…まさか本当に一年間会いに来ないなんてねぇ?」


玉座から立ち上がってこちらに歩み寄るエンジェライア。怖い。何をされるか分かったものじゃない。


「いやその…忙しくて…」


「それって私よりも優先することかしら?」


「……いいえ」


「そうよね?だとしたらおかしいわね?」


普通の町娘にこんな事を言われてもバッサリ切り捨てれる自信はあるがこいつだけは例外だ。何故かって?女王だからに決まってるだろ。


「…はい」


ロマンムーブ楽しんだ結果がこれか…あの時普通に三人ボコして逃げればよかった…


「じゃあ私の言いたい事、分かるわよね?」


「…レモンジュースでも飲むか?」


「あ?」


「すみませんでした」


なんでだよレモンジュース美味しいだろ。なんて言えるわけがない。


「婚約の話よ」


「それだけは勘弁を…!慈悲プリーズ!」


「ちょっと!そんなに嫌がることじゃないでしょ!?」


「それ以外だったら何でもするから!」


「何でも?」


「何でも!」


「そう…何でも、ねぇ…」


あっ…何か嫌な予感が…


「じゃあ、ハイドレストに通ってもらうわ」


「ハイドレストに…?」


ハイドレスト魔術学園。リヴィドのみならず、全世界で最も有名な魔術学園だろう。去年入学許可を得たが、例の事変の後俺は結局学園に通わず、配下と修行に勤しんだ。俺の配下の方が教師よりもずっと有能だからな。


「あなた、ドラクロワの一人娘のことは知ってる?」


誰の何だって?まったく心当たりがない。


「知らないけど…」


「シトラス・ドラクロワ。ハイドレストの四年生にして生徒会長、決闘でも歴代トップの成績を更新し続ける魔女よ」


そんなパーフェクトな奴が本当にいるのか?あとなんかドラクロワって聞いたことあるな…誰だっけか…


「それで?そいつがどうした?」


「シトラスに勝ちなさい」


「…?『勝つ』?手段は?」


「手段は問わないわ。剣術でも魔術でも、説得するでも大会で打ち負かすでもなんでもいいから、彼女を最優秀学生から引き摺り下ろしなさい」


最優秀学生…聞いただけだと言葉通りの意味しかわからないが…しかもかなりアバウトな指示だ…


「引きずりおろすだって?随分と物騒なことをするようになったなぁ…引き受けるけど、理由を聞いてもいいか?」


「ベルナールのことは覚えてる?」


「一応…それなりには」


確かエンジェライアの代わりに女王やってたペントルクスを陰で操ってた黒幕だったな。懐かしい…あの事変からもう一年か…


「ガーディアンのベルナールの席…つまり第一席をあなたが棄権してから、シトラスがその席を狙ってるのよ」


「…別に任命しなければいいんじゃないか?それに、なんでそいつが第一席につくとまずいんだ?」


エンジェライアと初めて会った夜、彼女によって俺は第一席に勝手に任命されたのだ。その時はエンジェライアは正式な女王ではなかったのに、だ。なら別に任命しなければそれでいいはずだ。


「法を変えてからちゃんとした手順を踏まないといけなくなったのよ…それにシトラスの父親…ムーラス・ドラクロワが第六席なの。父娘揃ってガーディアンの席を持つとなると政治的に問題になりかねないのよ。さらに面倒なのが、ムーラスはハイドレストの学園長ってこと。だから無理矢理退校させるなんてことはないだろうし…」


「それで、俺にもう一回第一席になれ、と?」


「そういうこと。学生がガーディアンに推薦される条件はその学園で行われる最も大きな大会での準優勝以上の経験があること。シトラスはとっくにそんなのクリアしてるからあなたには直接彼女に勝ってもらう必要がある。もちろん、彼女が推薦を棄権するように説得できるならそれに越したことはないけど」


なるほど。


「OK、ハイドレストに入学してそいつに勝てば解放してくれるんだな?」


「学園には今後も通ってもらうわよ?」


おい待て、話が違う。


「え?」


「シトラスに勝って第一席に君臨するようなやつを野放しにしたら議会や国民からなんて言われるか分かったものじゃないわ。手元に置いておくとなっても、ずっとここにいても暇でしょう?」


一年間見ない間に随分と成長したな…前はもっとひ弱ですぐ泣いてたのに…


「まぁ…確かにな…」


なんか様子がおかしい配下からは逃げれると考えればむしろメリットか…?


「てなわけでよろしくね。成功したら婚約は諦めてあげる。もう良いわよ」


「あっおい!」


護衛に連れ去られてしまった。しかし最後の言葉で何となく察してしまった。シトラスには勝てない。だからエンジェライアはこの条件を提示したんだ。あいつが諦めるはずがない。


いやーどうしようかな…婚約破棄の条件に持ってくるくらいだから相当激ムズだぞこれ。下手したらエンドコンテンツ並みの可能性もあるからな…俺の実力を知ってるエンジェライアが頼むくらいだしな…





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