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叛逆者はヤンデレを避けて気ままに暮らしたい  作者: 芋ケンプ
番外編 第零章 叛逆者と死なずの七騎士
17/48

最強の英雄


翌日 作戦決行直前 会議室にて


「各自の持ち場の最終確認は以上。王国の催しの開始まで残り20分。総員、準備を終わらせろ」


集まった8人は最大限の武装をして、神妙な面持ちをしている。やはりと言うべきか、ベルナールの気配が近づいているらしい。


「もう準備はできてますよ。フェリシーこそ、心の準備をした方がいいんじゃないですか?」


「言う様にになったなネメシス君。私は全てを見通す者だぞ?運命を受け入れることなど何度も経験したさ」


「受け入れた結果がこの碌でなし?運命って悪戯好きだね」


「ひどいじゃないかビアンカ君。運命の女神は無慈悲だが冷酷ではない。運命を変える必要があれば変える、そういうことだってするものさ」


「さっきと言ってること違うよ?」


相変わらずフェリシーを揶揄うビアンカだった。これから一大作戦を実行するとは思えない空気感だ。


「むっ…話を変えよう。そうだな…王なら、何か激励の言葉を残すべきじゃないか?」


締めにフェリシーがそう言った。


「えっ、俺か?うーん…そうだな、出会ってまだ短いが、俺に協力してくれたこと、本当に感謝してる。それからもう1人」


ゼロが一呼吸置いて、また口を開いた。


「騎士達よ、女王の未来のために戦うんだ。100年間、いや200年間の悲願を果たせ。僕も一緒に戦う。リベンジマッチと行こうじゃないか!」









王宮にて


「ルキア陛下、こちらに」


「はい」


品性を感じる振る舞い、華奢な体にドレスのような格好をし、茶色の髪を束ねた頭には王冠をつけて鏡の前に座る女性…ルキア・ペントルクスだ。発端であり、エンジェライアを救う鍵でもある。当のエンジェライアは部屋に隔離され、間違っても国民にその存在が知られぬよう見張りが複数付いている。


「パレードまでのお時間がありませんので、なるべく急ぎます」


彼女の護衛はゴールドスタインとシルビアだ。剣と盾を携え、何者も近寄らせまいという殺気を放っている。


「そう…新しく入ったガーディアンとやらは何処へ?」


2人に挟まれて部屋を後にし、パレードの開始地点まで向かうため歩き出した。


「スティングレイ卿ですか…彼は既に警備に当たっているとのことです。それからもう一点」


「何かしら?」


「前ベルナール卿のご帰還も間に合うとのことです」


「そう…戻ったら早速警備に組み込みなさい」


ヴィエルが疑問を呈した。


「お言葉ですが…護衛であればわざわざベルナール卿を配備せずとも、私たちでお守りすることができると思うのですが…」


ペントルクスが険しい顔をする。


「スティングレイ卿の行方は確かではないのでしょう?」


「警備には当たっている様ですが…はい…彼は…その…何というか自由人でして…」


ヴィエルが痛いところを突かれたように吃った。仮にもシルビアに勝利したような人材の配属が不明であるという事実は職務怠慢とも取れる。こんな時に限ってずっと黙っているシルビアが恨めしい。


「エンジェライア殿がわざわざこの時期に身分の分からない者を引き入れた。これが何を意味するか分かっていて?」


「それは…ですが…」


「はぁ…やはり彼女に真実を伝えるのはまだ早かったようですね。あの夜、彼女が帰ってきた時に引き込んだのでしょう?ネヘレア卿は気づかなかったようですけど」


ペントルクスは呆れながら馬車に乗った。それを皮切りに会話は終了した。


「エヴリン。なんであなたずっと黙っているんですか?」


「いや?ガーディアン第三席のわたくしめには女王陛下に物申すことなどとても恐ろしくてできませんから」


シルビアが白々しく、嫌味をこめてそう皮肉った。


「この前のことを根に持っているのですか?」


「別にぃ?銀が金に勝るはずがないしぃ?黄金先輩には頭が上がらないですぅ」


口を尖らせて、教授に媚を売る学生のような口調でへりくだる様にヴィエルは苛つきを隠せないでいた。


「この…!学園でも同級生ですし!なんなら10年くらい一緒じゃないですか!ハイドレストに入学するまでの苦楽を忘れたんですか!一緒に青春を過ごした仲じゃないですか!」


「こんな冗談も分からない沸点の低い幼馴染と過ごした青春なんてクソくらえだ!」


「次の学園祭まで覚えておきなさい!今度こそ引き摺り下ろして差し上げます!」


白熱していたところを、馬車の運転手が仲裁に入ってきた。


「お二人方、陛下の御側でうるさいですよ。もう間も無く出発いたしますので、お二人も馬にお乗りください」


「チッ…私の馬はどこだ?さっさと用意してくれ」


「私のもお願いしますね」


近くにいた召使いと思わしき男性に頼み込む2人。この2人の喧騒をそばで見続けてなお仕事を辞めないだけあってか、用意は早かった。


豪華な装飾のなされた馬車の横を、黄金の騎士と白銀の騎士を乗せた馬がゆっくりと、ペースを合わせて進んでいく。やがて国民の待つ広場に姿を現した。馬車が止まると、美しい女性が中から出てきた。その女性は馬車を降りると、壇上へと登った。


「陛下だ!なんとお美しい…!」


国民は歓声と拍手喝采で女王を迎えた。権力と富の象徴とも言えるその冠が、本来の持ち主から引き離されてしまっていることも知らずに。


「それに『黄金の聖炎』と『白銀の城砦』まで…!」


画家も大急ぎでスケッチを残す。この凱旋は名画として、リヴィドの美術館に飾られるだろうと信じて。


「この場にお集まりいただいたリヴィドの皆様。今日この日、皆様とお会いできたことを嬉しく思います」


女王陛下の落ち着いた、それでいて威厳のある声が広場に響いた。楽団の合奏は鳴り止み、人々も拍手と歓声を収める。


「リヴィドの建国から既に205年が経過しました。建国から今日まで、リヴィドは他の魔術国家とは一線を画した繁栄を遂げ、皆様と共に歩んでました」


ペントルクスが手を空に広げ、天上の存在に語りかけるかのように語り始める。その言葉を一言一句聞き逃さぬようにと、国民は耳を傾ける。リヴィドでは最早女王そのものが信仰の対象と言っても過言ではない。政治は、議会と言えども彼女に物申すことはできない。彼女こそがこの国の全てだ。彼女だけが絶対だと信じて疑わない。


…この国の名を背負った一族の存在など知らずに。


『そう。リヴィド家の犠牲があったからこそこの国は存続することができた』


突如、心臓に響く様な重く深い声がした。渦に吸い込まれていく様な感覚を覚えさせる声だ。


「誰ですか?」


ペントルクスが辺りを見回す。広場に泊まった馬車…つい先程までペントルクスが乗っていた馬車があった場所に、仮面を付け、漆黒の衣を纏った男が立っていた。


その男の側にはよく知る少女がいた。


「我が名はエンバージュ!魔神王エンバージュである!ここに集った国民に、この国の真実を告げに来た!」


広場は凍りついた。広場の外まで続く民衆の群れさえも、この声を聞いていた。ペントルクスは驚きを隠せなかった。何故彼女までいるのか、これには出発までの間の僅かな時間に答えがあったのだ。








エンジェライアは1人部屋の中で待ち続けていた。外には監視がいるが、部屋の中にはいない。じっとその時を待てばいい。すぐに来るはずだ。


「よっ、元気か?」


「ゼロ!来てくれたのね!」


エンジェライアは来訪者に抱きついた。どこから入ってきたのだろうか。ドアは開いていないし、窓も割られていない。


「おっと、喜ぶのはまだ早いぜ。こっからが本番だからな」


「分かってる。それにしてもどうやって入ってきたの?てっきり正面突破してくるかと思ってたわ」


「おいおい、俺は元トレジャーハンター兼バウンティハンターだぜ?潜入くらい出来るぞ」


ゼロ自身も、まさか盗掘のための隠密行動の経験が活きるとは思っていなかった。


「まったく、本当に頼もしいわね。…その服と仮面どうしたの?」


よく見ると、いや、よく見なくても分かるのだが、ゼロは普段の黒ジャケットに白コートという組み合わせとは違って今は全身真っ黒な衣装で、まるで死神のようだ。それに、今は顔の横にずらしているが仮面も付けている。


「ああ。魔神王エンバージュとしてテロ起こすからな。顔バレするとヤバいし、いつもの服がバレるのも嫌なんだ」


「やっぱり結構大掛かりね…行きましょう。準備と覚悟は出来てるわ」


「よし!行くか!」








そうして現在に至る。


「なぜ…どうしてそのお方が貴様のそばにいるのですか?」


魔神王を名乗る男の横に立つ少女…エンジェライアは、王宮に閉じ込めに監視を付けていたはずだ。そしてよりによって何故その男と一緒にいるのだ。


「魔神王エンバージュ…!?に、逃げるんだ!100年前の大厄災が来るぞ!!」


「で、出れない!広場から出れない!いや、外の奴らも魔術で阻まれてる!」


蜂の巣を突いたような騒ぎだ。この結界を作ったのはあの大魔女フェリシーなのだから、一般人にはどうしようもない。だが、何も無実な彼ら彼女らを傷つけるためのものではない。真実を聞き逃さぬようにするためなのだ。


「貴様の質問に答える義理はない。偽りの女王よ」


「なに…?」


男は一歩進み出て、声を張り上げた。


「聞け!ここに居られるお方、エンジェライア・リヴィドこそが、このリヴィドという国の真の女王である!」


またしても、広場は混乱に包まれた。出れないことを悟り、黙り込んで見守っていた国民達も一斉にヒソヒソと話し始めた。


「何を言ってるんだ…?ルキア様が偽物の女王だって?」


「クーデターか…?別に政治に問題なんて…」


各々が憶測を立て、不安を紛らわせる。


「この国は初代女王陛下の魔術によって維持されている!しかし!その魔術の維持には魔力が必要だ!ペントルクス家は本来の王家であるリヴィド家の人間を生贄にし、本来リヴィド家が持つべき権力を濫用し続けてきたのだ!この様な仕打ちがあってなるものか!!」


魔神王と名乗る男の叫びが、全ての国民の心へと伝わっていく。初めは少なかった信じる者が次第に増えてきた。


「確かに初代女王陛下の名前はエンジェリア・リヴィド様だ…ペントルクスじゃない…」


「馬鹿野郎!ルキア様を信じずに厄災の言うことを信じるってのか!?」


まだ反対派は多い。魔神王は壇上に登り、ルキアへと向かい合う。


「エンジェライア様からのお言葉だ」


エンジェライアが面をあげ、一言一言ハッキリと話し始めた。


「国民の皆様には突然の無礼をお詫びいたします。それでも、皆様に伝えなければならないことがあるのです。先程魔神王エンバージュが申したことは真実です」


民衆はまてしてもざわついた。目の前に真女王を名乗る人物が現れたのだ。無理もない。


「私は親を知りません。私が産まれてすぐに、地下でリヴィドのために果てたと聞きました。私の先祖は、初めは老体まで生きることができたと言います。しかし代を重ねるごとに生贄が早期に必要になっていき、私はあと7年しか生きることができません。将来産まれる私の子はきっと大人になることすらできないでしょう。そしてやがて供給が追いつかなくなり、この国は崩壊します。それでいいのでしょうか?」


エンジェライアが問いかける。民衆は黙ったままだが、不安そうな顔をしているのは確かだ。また、これを聞く2人の騎士も手を出さないでいた。


「ペントルクス家は皆様に隠していることがあります。そこには、この国を救う方法が隠されているのです。ペントルクス家は知っていながら、知らぬふりをし続けてきたのです」


普通なら皆ただの戯言だと聞き流すだろう。しかし、今はエンバージュによって、恐怖という枷をつけられた状態だ。聞くしかあるまい。


「このままこの国を崩壊させるか、私が女王となって国を救うか、国民の皆様の答えをお聞かせください」


広場には沈黙が広がる。誰も声を上げられない。魔神王を味方に付けた者と敵対するか、それまで信じてきた女王を裏切るのか、誰も決められないでいた。皆結局自分の命が助かればそれでいいのだろう。


「…まだ迷っていらっしゃるのなら、この場でその真相をお話しましょう」


未だに沈黙は続く。…だが、そこに沈黙を破った者がいた。


『この国を救う?誰の許可を得て?』


民衆の中から姿を現す女性。燃える様な赤い髪に、海色の右眼と龍人特有の琥珀の左眼…そして隠しきれていない殺気を感じる。


「マリー・メリア…!」


マリー・メリア・ベルナール。リヴィドにおいて、いやこの世界において最強の存在。計画の最大の障害。それが彼女だ。


「一年しか経ってないのに、随分と成長したわね。エンジェライア?」


「……」


「だんまり?まぁいいわ」


ベルナールの視線が、エンジェライアからゼロへと移される。


「100年ぶりね、クロード」


「…邪魔をするな」


「今度はこんな手段を使うの?らしくないわね」


ゼロはベルナールに会ったことはない。…そのはずなのだ。なのに、彼女を見るのは初めてではない、そう思えて仕方がない。


(……!あの時…!俺が異世界に飛ばされた時の…!!)


ゼロの中で何か合点のいくことがあったらしい。だが、どちらにせよ彼女が向ける殺気は依然として収まる気配は無い。


「…邪魔をするなと言っている」


「……そう…なら前と変わらないわ。今度も諦めてもらうわね」


ベルナールが一歩踏み出す。ブーツが石畳を踏む音が響いた、その時だった。


(代われゼロ!!)


エンバージュの、クロードの声が頭に響き、眩暈がした。次の瞬間には目の前に剣が迫っており、自身の手が剣を作って一撃を防いでいた。


「ふーん…剣を作り出す魔術なんていつ…」


意識はハッキリしているが、自分の心が、魂がエンバージュへと変化していくのを感じた。今のゼロは最早ゼロでは無い。しかし、エンバージュでも、クロードでもない。白い絵具と黒い絵具が混ざり合って灰色になるように、双方の意識が混ざり合うのを感じたのだ。


「今度こそ君を越えてみせる!」


ゼロが剣を振りきり、隙を作った。


「ベルナール卿!」


エヴリンとヴィエルが駆け寄ろうとする。しかし、双方とも何者かによって阻まれた。


「計画通りだな?こちらは任せてくれたまへ」


「王はそちらに全力を注いでください!」


薄い青色の髪の魔女と、桃色の髪の龍人が2人の前に立ちはだかる。


「くっ…新手か!」


「ヴィエル、2対2で相手するぞ。コイツらは…」


「!…ええ、大魔女と武神、ですよね」


白銀と黄金が身を寄せ合うのを見て、大魔女と武神も互いに距離を近づけた。


「じゃあ、前衛は任せたぞネメシス君」


「ちゃんとサポートしてくださいね?」


「盾の役割をしてくれるならな」


そう揶揄いながらフェリシーは広場を結界で更に二分した。こうして、ゼロ対ベルナール、フェリシー&ネメシス対ゴールドスタイン&シルビアという構図が出来上がった。そのタイミングで一部の結界を解き、国民が避難できるようにする辺り、やはりフェリシーは凄腕の魔女なのだろう。



一方その頃、キリエ、ベルティーナ、ルシアは結界を破ろうとする騎士達を止めていた。


「ふっ!…久しぶりに体を動かすと気持ちいいですね」


「ベルティーナさん!後ろ!」


「せめて一撃だけでもッ…!!」


ベルティーナの背後から剣を振り下ろす騎士。しかし…


「神の御名に於いて」


バンバン!と大きな音が鳴り響き、騎士は倒れ込んだ。十数メートル後方に、二丁拳銃を携えたキリエがいた。


「助かりましたキリエ。不注意でしたね」


「中では既に戦いが始まっているようですが…その、ビアンカは?」


「ビアンカですか…アイリスと行動するとは聞いていますが…」


アイリスは直接戦闘は得意では無いためこの場にいないことには特に何も思わないが、ビアンカまでいないというのはどうも腑に落ちないが連絡の手段が限られている以上、確認のしようがない。


「分かりました。こちらを蹴散らしてゼロ様のサポートを急ぎましょう」


「そうですね。…でも少々数が多いみたいですよ?」


ベルティーナが指差した方向から先程殲滅したはずの大部隊を更に越える数が迫ってきている。一人一人は取るに足らない存在だが、数十人規模で来るとなると話は違う。いくら彼女達が人を超越した存在であろうと、人数差があることに変わりはないのだ。


「時間はかかりますが…慎重にいきましょう。確実に数を減らしていけばいつか終わります」


ルシアは彼女達と違って不死ではない。獣人故の身体能力の高さと優れた直感はあれど油断はできない。


「そうですね。消耗を抑えながら戦いましょう。キリエ、分かってますか?」


「うふふ…」


「…聞いてませんねこれ。とにかく気合入れていきましょう」











「始まったらしいな」


「そうですね。あの…やはり私も加勢すべきでは?」


「そうしたら僕には何が残るんだい?力も希望も無い、嘘で塗り尽くされたこの魂に、何が残るんだい?ユーリ、僕には君が居ないと駄目みたいなんだ。君が僕の全てなんだ」


「…ごめんなさい。私のせいで…もう昔のあなたには戻れないのですね…」


「…例え同じ道であろうとも、歩み続けなければならない。僕の魂が彼の助けになるのなら…マリーとの因縁を断ち切れるのなら、僕はいくらでもこの魂を差し出そう」


「…嘘。本当は怖くて仕方がないのでしょう?」


「はは…流石にここまで似てるとね」


「輪廻、ですか」


「フェリシーが存在を否定してるから間違いないんだろうけど、これでマリーとユイナのそっくりさんまで出てきたら疑ってしまうよ」


「大丈夫ですよ。姿形が変わっても絶対にあなたとまた会えますから」


「まだ死ぬつもりはないぞ?」


「冗談ですよ。あなたは死なせませんから」


「いつかは死なせておくれよ?」


「嫌です」


「そんな笑顔で言わなくても…」

















設定資料:マリー・ベルナール


『マリー・メリア・ベルナール』


燃え盛る炎のような赤髪、龍人特有の琥珀の眼を持つ女性。リヴィドにおいての英雄にして、ゼロ、クロードの最大の敵。


魔力生成:EX

魔力貯蔵:EX

魔力変換効率:B

魔眼:『龍の眼』:EX 『不明』:?

[琥珀色の左眼は龍人特有のものであるが、海色の右眼は謎に包まれている。魔眼であることに間違いはないようだ]


エンバージュがまだクロードという名の少年だった頃、彼女はクロードにとっての幼馴染であり、ライバルでもあり、何より互いにとって唯一の心の拠り所だった。しかし、クロードには彼女と会う前の恋仲とも言える少女、ユイナ・スティングレイという者がいた。それがかつての叛逆の魔女の正体であり、魔女は訳あってクロードと敵対することになってしまう。その際共に戦ったのがマリー・ベルナールだ。では何故今クロードとマリーが敵対するのか、その理由の3割程は、本当に無関係だった吸血鬼の姫『ユーリ・ドラズィアスター』とクロードが結ばれたことが占めている。


…というのが彼らに対するビアンカの考えだ。




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