遊びたいだけだったのだ!
久々の投稿です♪
どうか暖かく見守ってくださいまし。
カン!キーン! バン!バン!バン! 「クソ!何なんだ!」「死ねーっ」
誰かと誰かの争いの音、剣を交える音、銃を放つ音…。 ここは戦場だ。
強力な武器。 …つまり剣ではなく銃をもっているものが強いとされる戦。
だが、そんなものは関係ない。仕留めたもんが勝ちだろ?というしたり顔で味方に援護射撃をする者がいた。 「あ、あの矢は…!」 「まさか!!」
「姫…!?」 「え、姫が何故ここに…?」
ざわつき始める者たちが出てきても、姫と呼ばれた者はお構いなしに矢を敵に放つ。味方の士気が上がる中、彼女は背後からやってきた何者かに殺され、呆気なく終わってしまった。
「は、ハハ!やった!やったぞ!」
「姫…!クソ!きっさまぁぁぁぁぁ!」
強力な仲間が殺され、醜い化け物のように敵を薙ぎ倒す者。
「うそだ!そんな、あり得ない…!」
泣き崩れる者。
「ちっくしょう!あいつは、そう簡単にゃぁ死ぬやつじゃぁねぇっ」
佇んで、戦闘を放棄し、中には自害をしてしまう者も居た。
だが、そんな仲間たちにある男が言った。
「なぁ、誰か”あいつ”の血が流れる所を見たのか?そんなことくらいで俺たちは弱っていて良いのか?!」
「おい!ジェラルド!お前も見ただろ!?姫が!口から血を吐いて死んだところを…!」
「ふぅん。それじゃ、俺は先に行ってるわ」「なっ、おい!」
自分の上司が亡くなったかもしれない状況下、ジェラルドと呼ばれた者は他の者と違い、生き生きとしている様だった。
「…。」
そして、その様子を上空から何者かが見ていた。
「…こうも生き生きとされちゃぁ、妾の計画が狂ってしまうじゃないか…」
どこからか鈴のような声がした。だが、辺りを見渡しても皆、戦に夢中で誰もそんな言葉を発していない。となると、新手の敵か!? そう思った彼は戦闘態勢になるが、誰も襲ってくる気配などない。ジェラルドも随分と先に行ったようで、姿も見えない…。気のせいか。 彼は、一旦武器を収め、片手を上空にかざした。
そして…。
『天光治療』
彼は小さく呟くと、手から光が放たれて辺り一面真っ白に包まれた。 やがて、光が収まる頃には、敵、味方関係なく、皆、倒れていた。
「ク、ククク、アハハハ!バカな者どもめ!まさか、すべての元凶が私だとは知らずになぁ?…まぁ、知る頃にはもう何もかもが消えるがな!アハハハ!」 狂った様に笑う男を上空で冷めた目で見つめる者が居た。
「興醒めじゃ!…えぇい、皆の者!いい加減、倒れたふりをするでない!とっとと立ち上がるのだ!」
「ひ、ひめ…。申し訳ございません。身体が、軽すぎて、起き上がれぬのです…。」
「そんなもの如何だっていいわ!毎日妾が治癒魔法をかけてるではないか!」
駄々っ子のように喚く少女に対して、地に伏せている者たちは思った。
(あんたの掛ける魔法とは比べ物にならないくらい良すぎるから、上手く身体に馴染まないんだよ!)
と。
「姫、そろそろ…。」 「…オーギュストよ。その猿芝居はもう飽きたわ。笑っていないで、何しにきたのか一言で説明せい!」 それまで狂ったように笑っていたオーギュストと呼ばれた男はすっと姿勢を正し、説明を始めた。そしてその一言により、場の空気は一変した。
「兄の私が言うより、皆の上司である戦姫に説明してもらった方が、隣に居るジェラルドにも良いのでは?」
「ふん!相変わらず、気に入らぬ兄じゃ!」
「そうですか?私は普通に接しているだけですが…」
「…。」
周りの空気を無視して話をする兄妹。何とも似たもの兄妹だ。
その2人を止めたのは、他でもなく隣にいたジェラルドだった。
「姫…。一体全体如何言うことか説明をお願いしても?」
その雰囲気は魔王の如く。周りもあまりの威圧に耐えきれずに失神してしまう者も居た。
「うっ。そ、そう怒るでない!わ、妾はただ、みなの日々の成果が気になったからお兄様に頼んで、その、やっちゃっただけじゃ!」
「やっちゃったとは?」
「えぇと、隣国にジェラルドが云々とけしかけてだな…。だから、父上には…!」
「んなことだろうと思った」「…え?」
ジェラルドは、先程の魔王の雰囲気とは打って違い、優しい雰囲気に戻った。
「姫さん。この事は一応上皇陛下には、伝えておくからな。例え、どんな理由としてでもだ」
「そ、そんな!あんまりじゃ!」
喚く彼女をそっぽに彼は、オーギュストに迷惑をかけてすまないと謝る。
そして、オーギュストの記憶操作で何事もなく幕を閉じたこの戦いで、戦姫は2度と皆を巻き込んで戦うということはしなくなったとか。
いかがでしたでしょうか?
またどこかで、天使の姫の長編物語を書けたらなと思っています。
本日もありがとうございました♪