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呪いの魔女と希望の聖者  作者: オータムン
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魔女vs聖者・そして失う者

魔女との戦いが幕を開ける。

2人は魔女に善戦しているかのようにみえたが

魔女は遊んでいるかのように戦う。


黒風の魔女「そうだわ。私の名前を教えてあげる。私の名前はシノン・キシリア。黒風の魔女と呼ばれているわ。あなた達の前は?」


シノン・キシリアと名乗る魔女はニヤニヤとしながら名前を尋ねる。

ホープ達は一瞬戸惑ったが名前を答えた。


魔女シノン「ホープ・ライテンとキナカ・オフランね。聖者の名前はまぁまぁ知ってるつもりだけどやはりあなた達のことは知らないわ。ごめんなさいね?無名のまま死ぬことになってしまって…」


魔女シノンは悲しむそぶりを見せるが、それは明らかに偽りの感情だとわかる。


魔女シノン「さぁ。心躍る死闘を繰り広げましょう!私の名前は冥土の土産にしてちょうだい!」


魔女シノンの周りに風が集まる。

集まった風は魔女の呪力じゅりょくによって黒く変色していく。

魔女シノンは両腕を広げて風を操る。


魔女シノン「楽しい楽しい殺戮ショーの始まりよぉ〜!まずはこれから!【呪法じゅほう黒風双刃こくふうそうじん!】」


輪っかの形をした黒い風が勢いよく回転し、まるで大きな手裏剣のように飛んでくる。


ホープ「キナカ!あの風の威力からして聖護壁ホリウォでは防げないだろう!避けるぞ!」


聖護壁ホリウォとは聖力せいりきで作り出す防御壁バリアである。

2人は風の軌道をよんでジャンプし回避した。

しかし…


魔女シノン「あは!魔女の非情さを知らないようね!その風、避けたら消えるとでも思ったら大間違いよ!」


魔女シノンが両手をあらゆる方向に動かす。

すると風は操られるがままに移動して建物を破壊し始めた。


ホープ「くそ!しまった!平和ボケした戦いは魔女には通用しないんだ。キナカ、どうする?」


キナカ「両手を動かして操ってるなら動きを封じるのが手っ取り早そうだ。ここはコンビネーション技のプランCでいく!」


ホープ「了解!ちゃんとサポートも頼むぜ!?」


キナカが地面に両手をついて聖法陣を作り出す。

ホープはジャンプして魔女に近づこうとするが、空中の魔女には届かない。

すると地面から樹木じゅもくが出現した。


キナカ「【聖法・大樹たいじゅみちびき】!いけホープ!」


樹木を足場にして魔女の前まで到達する。


魔女シノン「あは!植物っていい能力ね!でも、、」


ホープは拳に光を溜めて魔女に打ち込もうとするが、魔女も攻撃をしかける。


魔女シノン「どんどんいくわよー!【呪法・台風刃たいふうじん】」


魔女を中心とし四方八方に風の刃が放出される。

足場となっていた樹木がバサバサ切られていく。

一瞬怯んだホープだったが、迷わず魔女に打ち込む。


ホープ「まだ届く!くらえ!【聖法・飛光拳ひこうけん】」


魔女に向けて光の拳が飛んでいく。

魔女は片手を前に出しニヤッとした後、ホープの魔法を受け止め、にぎりつぶした。


ホープ「なに!?確かに空中でバランスが取れなくて威力を乗せ切ることはできなかったといえど、あんな簡単に止められるのか!?」


魔女はまるで赤ん坊の遊びに付き合ってるかのように面白半分で攻撃を繰り出す。


魔女シノン「ねぇねぇもっと驚くようなことはできないのかな?そんな弱小攻撃で魔女にとどめをさせるとでも?あまりに弱いとこっちも面白くなくなっちゃうわ。」


そういって魔女はまた風を周囲に集め出した。

キナカは聖力を蓄えたあと一気に放出する。


キナカ「だったらお望み通り食らわせてやる!【聖法・三重樹牢さんじゅうじゅろう】」


地面から出てきた巨大な木が球状になり魔女を囲む。さらにそれが三重さんじゅう、つまり3層構造になった。


ホープ「なんだこりゃ。おいおいキナカ、これかなりの聖力を使うんじゃねぇのか!?もはや木の惑星みたいになってるぞ。」


キナカは汗をかき息切れもしている。


キナカ「はぁはぁ…ホープ、お前の光の聖法で中にいる魔女を攻撃できるか?ふぅ…とじこめたあと攻撃しようと思ったが聖力を回復させないといけない。それにもう内側の1つが破壊されてる。」


ホープ「もうかよ!全く魔女め!まじでチートだな。わかった。昔本でみたやつを再現してやる!」


キナカ「本?まぁ攻撃できるならそれでいい。たのむぞ。」


ホープも聖力を溜めていたのですぐに力を解放した。


ホープ「我は呪いを穿うがつ者なり。光よ、我が意志を体現し、大いなる呪いに裁きを与えたまえ!【聖法・光の五聖剣ごせいけん】」


木の玉の上空に巨大な光の剣が5本現れる。

ホープが攻撃しようとした時、最後の木の玉が破壊された。

そして…


キナカ「ホープ!危ない!」


バリィン!ズバァーン!

何かが割れる音と斬られた音がした。

ホープは目の前の現状を理解できなかった。


そこには背中を風で斬られたキナカが血を吐いて立っていた。

数秒後キナカは膝をつく。


ホープ「おい!キナカ!しっかりしろ!キナカ!」


動揺をしているホープの肩をガシッと掴みキナカはいう。


キナカ「ははは。なんて顔してやがる。俺はまだ死んじゃいねぇよ。でもそうだな。もしここで俺が死んでも絶対に『怒るな』。怒りは魔女にとってエネルギーになる…だろ。ゴフッ…」


出血量が異常である。


ホープ「わかった!わかったから聖力を回復に回せ!まだ死ぬなんて考えるな!俺たちはこれからが戦いだろ!?」


ホープは止血をしようとしたが、キナカはホープの肩を離さない。


キナカ「はぁはぁ…まさか運悪く中堅クラスに当たるなんてな…まぁ雑魚に倒されるよりはまし…だな。いいかホープわずかだが俺の中にある聖力を…全てお前に託す。」


魔女は木の玉から出てこようとするがその途中で木の玉が圧縮し、魔女の動きを止めた。


ホープ「あ、あれは。キナカお前まだ…もういいよ!あとは俺に任せろって!ほら!風速より光速の方が圧倒的に早いだろ?絶対勝つから!な?」


キナカ「おっといけねぇ。体が…冷たくなってきやがった。意識がなくなる前に後を…託す。ホープ、手を…出してくれ。」


ホープは涙を拭いながら言われた通りに手を出す。


キナカ「は!あの自由奔放なホープが何泣いてやがる。俺たちはまだあって数週間だ。悲しむことねぇよ。…じゃあ。あまり時間もないし…【聖法・聖力譲渡[全命オールライフ]】」


キナカの体から濃い聖力が溢れ出しホープにつたっていく。

ホープは力強くキナカの手を握る。

ホープの顔は涙と鼻水などでぐちゃぐちゃだ。


キナカ「ははは。きったねぇな。せめて綺麗な顔で…見送ってくれよ…」


ホープ「グズ…だっで…キナカが…ズビッ。」


キナカは目を閉じてニヤッと笑い、思い出したかのように言った。


キナカ「モッドにもよろしく伝えてくれ。3人で一緒に戦いたかったが……まぁ…もう…….無理だな……」


少しずつキナカから流れる聖力が薄れていく。


ホープ「キナカ!?わかった!わかったよ!伝えておく!お前の意思も俺たちが受け継ぐ!だからもう…」


キナカ「優しいな…さすがは……聖者……だ……」


そしてキナカは…この世を去った。


〜樹木の聖者キナカ・オフラン絶命〜


ホープ「キナカ!?キナカ!!ぐっ、、くそぉ。俺が不甲斐ないせいで…。怒っちゃダメだよな。そうだ。負の感情は魔女のエネルギーになる。ふぅ………キナカ、俺は、、魔女に勝つ!!!!」


ホープは上空に備えていた光の五聖剣を小さくした。

そして自分の方へと引き寄せる。


ホープ「お前の意思も込めるぞ!【聖法・樹木ガイア光鎧ライトアーマー[全オール]】」


まるで樹木のように光が根を張りホープの体を纏っていく。

そしてホープの全身を包んだ時それは騎士のような姿だった。


ホープ「俺たち2人の聖力だ。光の可能性は∞。この力で…やつを倒す!」


魔女シノン「ぁぁぁぁぁあ!!!うっとおしい!なんなのこの木の玉!出れたと思ったのにまた縮んじゃうなんて!………ん?あなたなんか変わった?あぁ〜〜そういうことね。お友達がさっきの一撃で死んじゃったの!感動のシーン見逃しちゃってごめんねぇ?」


キナカ『けっして怒るな。』


ホープ「そうだ。怒ってはダメなんだ。怒るのは後でいい。黒風の魔女!!お前は絶対に許さない!最終決戦だ!!」


魔女はニヤッとして風を纏う。

ホープも光が強くなる。


2人の最終決戦が始まる。


#9 end



キナカを失いその力を受け継いだホープ。

魔女は相変わらずなめきった態度である。

2人の最後の戦いが今始まろうとする!

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