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呪いの魔女と希望の聖者  作者: オータムン
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モッドの悩みと黒風の魔女

聖者は訓練を行っていた。

だがその中でもっとも成果が出なかったモッド・マルケス《使役の聖者》はある決意をする。

既に魔女は去ったかと思われていたが……

聖典の日から3日

聖者の3人は来るべき魔女に備えて訓練を行っていた。

聖者候補生の数名は全員、儀式の時にアンヌが女神に見せられた歴史の一部を見ていたという。

ホープは相変わらず対人戦闘が得意なので父であるジュードと剣術、体術、魔法の訓練を行っていた。

モッドとキナカは武器の適性を見たり、お互いに聖力を使い訓練していた。

しかしひとつだけ問題が発生する。


モッド「すまないキナカ。やはりおいらの能力《聖法》は1人で戦う力ではないらしいんだ。」


モッドは《使役の聖者》である。

聖力を扱うことはできるが、キナカの《植物の聖者》のように無から有を生み出すことはできないのである。

つまり…


キナカ「他の何かを使役…操ってこそ真の力が出るわけか。ならこういったのはどうだろうか?【聖法・木製人間ウッドドール】」


キナカの前に植物でできた人型の模型が現れる。


キナカ「こいつ単体に魂、つまり意識はないが操れそうか?」


やってみると言ってモッドは聖法を使う。

すると、、


モッド「やった!できたよ。でも…これじゃ戦闘で使うのは厳しいね。常に意識を集中しないと動かせない。つまり少しでも他のことに気が散るとこの人形は止まってしまう。」


2人は悩む。しかし解決の糸口は見つけたのが大きかった。

2日目にモッドはアンヌのところへ行き交渉をする。


〜聖護教会 内部〜


アンヌ「昨日の夜に信者の方からモッドが話したいことがあると言うことを聞いたわ。何かしら?」


モッドは決意を固めた表情でアンヌに言った。


モッド「勝手なことを言いますがお許しください!どうかおいらを…セーブタウンの外へ行かせていただけないでしょうか!?」


アンヌ「外へ?どういうことかしら?」


驚きと同時に疑問が浮かぶアンヌに答える。


モッド「おいらの聖法は使役です。おそらくですが人間を使役することもできます。でもセーブタウンの人たちを戦場に出すのは嫌なんです。」


アンヌ「外の人を使役するってこと?」


アンヌは聞いたが首を横に振ってしばらく黙って考えた後モッドは答える。


モッド「人間を使役しないとは言い切れません。ですがこの世にはモンスターや優秀な冒険者達がいます!それらの力を借りることができればもっと強くなれるかと!」


アンヌは3人のうち1人を失うことを深く考えたがキナカとの訓練話も聞いていたので了承した。


そしてモッドはみんなに深々とお辞儀をしたあと3日目の朝に支度をして外へ旅立った。


かれこれ5日ほど聖典の日から経った後、事態は急速に動き出す。


ウゥー!ウゥー!!カンカンカンカン!!


突如街全体にサイレンが鳴り響くそして

街の人々は教会に大至急集まれという発令が出た。

それと同時に竜巻が四方に発生する。


黒風の魔女「あはははははは!ようやく見つけたわよ!!ここがあの光の発生地ね!」


竜巻が上空で1箇所に繋がりそこから魔女が現れる。


魔女「ふーん。なんだ。もう避難が始まってるじゃない。つまんなーい。[私と同じように]信頼している人が目の前で死んでいくのを見せてあげようと思ったのにさ。ざんねーん。」


魔女が空中でペラペラと喋っていると

ホープが光の射撃をうちこんだ。

しかし風のバリアが光を湾曲わんきょくさせて回避する。


魔女「ちょっと〜、びっくりしたじゃない!まさか光の射撃が来ると思わないからさー!んで?あなた達がここで生まれた聖者なの?」


ホープ「あぁそうだ!魔女め!俺たちがお前を退治してやる!覚悟しろ!」


ホープがそういうとお決まりのセリフかと言うように魔女が笑う。


魔女「いいわねぇ。その初々しい正義感と無謀ともいえる勇気!いますぐ…『ぐちゃぐちゃにしてやりたいわ』!」


魔女の言葉に強力な重みを感じる。

まるで言われたことが現実にでもなるのがきまっているぐらい。

ホープとキナカは戦闘体制に入る。


そしてセーブタウン初となる魔女と聖者の戦いが今幕を開ける。




モッドが不在の中、運悪く黒風の魔女が現れる。

対峙した瞬間に強いと感じる圧力に2人は怯む。

しかし退治するために2人は全力で魔女討伐に挑む。

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