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呪いの魔女と希望の聖者  作者: オータムン
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武器を手に入れる!

ホープとシャイネは父であるジュード・ライテンの元へ向かう。

それは魔導武器と呼ばれる強力な武器を得るためだった。

2人は魔導武器の適正をみるが、、

数日のこと、山と海に囲まれたセーブタウンに

とても強い風が吹き続いている。

その勢いは日に日に増していき、まるで風を発生させている本体のようなものが近づいてきているかのようだった。

街の人々は不安になり、そう言葉を発していたが

それがまさか真実になるなんてこの時はまだ誰も思わなかった。


ホープ「全く、もうすぐ初めての聖典だってのに天気は一体どうなってるんだよ。」


聖典とは、聖護教会が行う儀式のことである。

その儀式で選ばれたものは女神の使徒《聖者》となり、世界を壊そうとする魔女を倒し世界を救う使命を担う。

これまで各地で様々な聖者が誕生してきたが、魔女の強さに聖者達は苦戦していた。


シャイネ「お兄様はおそらく聖者に選ばれると思います。性格はともかく強さは確固たるものがあるので。」

ホープ「おい。性格はともかくとはなんだ。」


ホープがシャイネにツッコミを入れるその時も風は吹いている。


ホープ「あ、そうだ!確か今日はベンジャミンおばさんのお店で新作のおにぎりが発売だった!シャイネすまないがお兄様は先に行くよ!」


シャイネが何かを言おうとしたがホープは光の速さで走っていった。


シャイネ「え?おにいさ、、もぅ本当に好きよね。あのお店のおにぎり。まぁ美味しいのは間違いないけど。」


数分後シャイネがベンジャミンおばさんが経営してる軽食店グルメ・フンワリに到着する。

そこからちょうどタイミングがよくホープが出てきたが見るからに落ち込んでいる。


シャイネ「お兄様。おにぎりはどうでしたか?」


ホープ「うん。最高に、、、不味かった。」


シャイネはてっきり買えなかったのかと思っていたがすでに実食済みでしかも不味いと言ったことに驚いた。

グルメ・フンワリでは人気の定番メニューが数種類有りどれもとても美味しいことで有名である。

しかし、、その定番メニューが固着してしまったせいで時々すごく謎の料理が作られることでも有名だった。


ホープ「いや冷静に考えてくれ。麺と魚と米を混ぜておにぎりにした後、衣で揚げるってもう…デンジャラスでしょ。口の中が魚の臭みと麺のグチャグチャ感と衣のベトベト感で災害発生してるわ。」


まるで悪魔のおにぎり情報だった。

ベンジャミンおばさんはすごく満足そうな顔していたから不味いとは言えなかったらしい。これがメニューに追加されないことを願うばかりである。


シャイネ「大変だったんですね。まぁ食べれたのだし良かったじゃないですか。そろそろお父様の所へ行かないと。」


ホープとシャイネは父であるジュード・ライテンに会いに行く最中である。

今日は父が数種類保有している武器を試して自分に合うものを見つけるとのことだった。


ホープ「父上が昔から武器の手入れをしているのを見かけることはあったがいざ自分がそれを触るってなるとなんか不思議な気持ちだな。」


シャイネ「いつも近づくと怒られていましたものね。でも今となっては怒る理由もわかります。」


ホープ「あぁ。そうだな。」


ジュードは昔から武器の手入れを毎日怠らずやっていた。興味があるのか子供達が近づくとよく怒鳴って近づけさせないようにしていた。

それには理由があり、、


ジュード「来たか…ふぅ。時間が経つのは早いものだな。」


ジュードは2人が到着するやいなやため息をして少し黄昏ていた。


ホープ「父上、まずは何をすればいいですか?」


ジュードは頷き話し出す。


ジュード「まず2人にやってもらうのは自分の魔力を武器庫の中で放出してもらう。そうすれば魔力が一定方向に分散し自分にあう武器が見つかる仕組みだ。」


ジュードが2人を武器庫に案内した後扉の鍵を開け中に入る。

2人はすでに気づいていた。

武器庫の中から数多の魔力が感じられることに。


シャイネ「お父様、今私、恐怖を感じているのですがこれは大丈夫なのでしょうか?」


ジュードが少し微笑んだ後言った。


ジュード「大丈夫だ。その恐怖は死や支配へのものじゃない。今から見せるのは普通の武器じゃないからな。そうだな。強いて言えば…《生きている武器》だな。魔力を感じるのは武器が魔力を宿しているからだ。」


そして3人は武器庫に入る。

そこにはきれいに整頓された武器達が並んでいた。

その数は15本ほどで全てタイプが違う武器だった。


ホープ「父上がよく武器を手入れしているのは知っていましたが、こう1箇所に集まるとものすごく圧倒されますね。」


ジュードは笑いながらホープとシャイネの頭をわしゃわしゃして言った。


ジュード「俺も父であるボレアからこの風景を見せられた時は同じ気持ちだったさ。だが今ではまるで我が子同然とも言える。さぁ。さっき言ったように1人ずつ中央にある印の上で魔力を放出するんだ。シャイネはまだ落ち着いていないようだからホープ、お前からやってみろ。」


ホープはうなずき中央にあるバツ印のマークの上に立ち目を閉じた。


ジュード「最初は微量の魔力から始めるんだ。人間は使おうと思えば全ての武器に適性があるからな。少量の魔力で反応した武器はより適性があると言える。」


ホープ「はい。ではいきます。ふぅ…」


ホープから魔力が湧き出ていく。

すると魔力は3方向にゆらゆらと揺れている。


ジュード「よしホープ。もう少し放出してみろ。その2倍ほどの魔力なら適正武器が確定するだろう。」


ホープからさらに魔力が湧き出て1箇所に吸われるように魔力が流れていく。


ジュード「ホープ、感じているか?お前が今1番魔力が流れていると思う方行に歩いてみろ。」


ホープが前に出て3歩進んだ後少し立ち止まってまた動き出す。

すると、ホープは立ち止まり


ホープ「ここです。ここから魔力の反応があります。」


ジュード「ほぉ。そいつか。こりゃ少し意外だな。よし。目を開けていいぞ。記念すべきご対面と行こうじゃないか。」


ホープはすこしずつ目をあけて前にある武器を見た時、キョトンとした。


ホープ「この短剣が俺の適正、、ですか?」


ホープの前には魔力石が3つ埋め込まれた短剣が2つ並んでいた。


ジュード「俺はてっきり長刀や槍かと思ったがまさかその《魔導双剣・リンクス》だとはな。よし。それは今日からお前のだ。大事に使ってやってくれ。」


ホープは双剣を手に取ったあとしばらく見つめていた。


ジュード「よしじゃあシャイネ、いけそうか?」


シャイネの方をみたジュードは少し驚いた。

先ほどまで両腕を抱えるように怯えていたが今では目をキラキラさせている。


シャイネ「はい!お兄様が羨ましいです。私も早く見つけたいです。」


そういうとシャイネは印の位置まで走っていく。


ジュード「ははは。若い者は元気があっていい。じゃあ見ているから始めてみなさい」


シャイネも魔力を放出する。しかし揺らめきが現れない。

シャイネも難しい顔をしている。当然である。

方向がわからないのだから。


ジュード「シャイネ。魔力を分散させるように放出してみなさい。」


ジュードは困ったように見つめている。

そして…


シャイネ「お父様…わかりません。わたしには方向が感じれません。」


シャイネは魔力の放出による疲労で座り込んだ。

ジュードは駆け寄りシャイネの頭を撫でながら言った。


ジュード「シャイネ、落ち込むことではないよ。ここにある武器に適性がないだけでまだこの世界にはもっともっといろんな種類の武器があるんだ。例えばそうだな。《杖》や《鞭》という王道の物もないし、聞いた話だと《眼》なんてのもあるらしいからね。」


シャイネは期待していた分少し涙目になっていたがわかりましたと言って立ち上がる。

ジュードはホープに次の段階を教えようと振り向くとすでにホープがその段階に入っていた。


ジュード「驚いた。もう魔導武具の《継承》作業に入っているとは。」


ホープは目を瞑り剣を持った状態で魔力を剣に流していた。

しばらくしてホープが目を開き剣を見ると先ほどまで透明だった魔力石が3つとも色がついていた。

そして刀身が白から黄色に変わっていた。


ジュード「どうやら継承が終わったようだな。これで魔導武具が扱えるようになったぞ。お疲れ。」


ホープは双剣を貰った鞘に入れた後シャイネの話を聞いた。

ジュードはシャイネは強いからと言って慰めたりはしなくていいと言う。


ジュード「さて。アンヌ姉さんのところへ行ってきなさい。聖典の準備が忙しいと言っていたからね。それと最後に忠告しておく。ホープ、お前が手にしたその魔導双剣・リンクスは普通の武器と違って強力なものだ。訓練などで使うのは構わないが魔力を込めると相手を斬り殺しかねない。充分に注意するように」


ホープは頷いて魔導武器庫をあとにする。


すこししたあとにホープは聖護教会に到着した。


教会では信者たちがせっせと作業をしている。

ホープは教会の中に入りアンヌに会いに行った。


ホープは魔導武器を手に入れた。

戦うことが確定したかのように。

今だに風は強く吹く。これから起こる戦いを示すかのように。


#5 end

魔導武器・リンクスを手に入れたホープ

これから来るべき戦闘に備えて準備をしていく。


一方シャイネはアンヌに衝撃なことを聞く。

果たして2人はどうなるのか。

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