知力と実力、そして…
クレバの知力による作戦でカウントが永遠に加算されないホープ。
さらなる追撃を仕掛けるクレバにホープが取った行動とは?
そしてさらなる不穏な影が?
クレバ「みなさん!こっちに集まってください!」
訓練生たちがクレバの方に集まる
ホープ「ん?ありゃネガティブオーラ全開のクレバってやつじゃないか。なんでみんなあいつのところに?」
クレバがみんなに何かを話す。
クレバ「皆さんよろしくお願いします。そしてこの作戦のキモはモックさん。あなたの魔法です!」
モック「おうよ。任せとけ!俺も誰かが指揮しねぇとあいつに当て続けるのは厳しいと思ってたんだ」
モックと呼ばれる男は胸に手を当てて任せろという。
ホープがあぐらをかいて座って待っているとクレバが言う。
クレバ「ホープさん。今からあなたにはきついお仕置きを受けていただきますよ!」
ホープ「はぁ…あのなぁ。急に強がった言い方してもあれだ。もうお仕置きは始まってるんだよ。さっさとかかってきてくれ。こっちは早く終わらせたいんだ。」
ホープが膝に手を当て下を向きながら立ち上がり前を見ると明らかに先程より人数が減っていた。
ホープ「あれ?10人ぐらいしかいない。どこ行ったんだ?」
あたりを見回すがそのメンバーしかいない。
ホープ「まさかその人数で戦うってわけじゃないよな?」
ホープが呆れていると頭上が暗くなる。
上を向くと黒雲がゆらゆらとういている
ホープ「まさか暗くして光を見やすいようにって?なんか拍子抜けだぞそれじゃ。こっちは攻撃してはいけないルールらしいからモタモタしてたら攻撃したくなるだろ?」
攻撃はしてはいけないとあぐらをかくまえに教官に言われていたようだ。
クレバ「安心してください。いまからあなたには《永遠に》ダメージを受けていただきますよ」
ホープ「ほぉ?楽しみだね。」
しばらくするとホープの頭に水滴があたる。
雨が降ってきたのだ。
ホープ「あの黒雲が原因か?鬱陶しいな。吹き飛ばすか。」
ホープが手を上にあげたと同時にクレバが叫ぶ
クレバ「モックさん!いけますか?」
モック「おうよ!【煙魔法・遮光乱煙】」
モックが魔法を使うとホープの周囲に煙が舞い上がる。そして
ホープ「ふん。煙は所詮空気だ。吹き飛ばしてやる。【光魔法・輝爆光弾】」
爆発する光の玉を頭上に放つ。
そして玉は煙に入り爆発した。
ホープ「はっ。他愛無い。こんなもの朝飯ま……ん!?なぜ吹き飛ばない!?」
爆発したのは確実。しかし煙が吹き飛ばない。
ホープは焦っていると、煙の外から狼が数頭襲いかかってきた。
ホープ「はぁ!?狼だと!?そんなもんいなかったぞ!」
ホープは狼たちに反撃しながらなんとか耐えている。
狼の数、おおよそまだ15頭ぐらいいる。
ホープ「この狼、なんか気持ち悪いな。手応えがまるで無い。それになんだか魔力が集まったかのような感覚だ。そして極め付けは、、これだ!」
ホープが狼を殴り飛ばすとその狼は煙のように消えるのだ。
クレバ「次の攻撃行けますか!?C班お願いします!」
クレバが叫ぶとホープの周りに結晶のような鉱物でできた壁が現れる。
ホープ「はっ!シャイネのやつ。知らない間に随分と魔力量があがったな。これで俺は袋の鼠ってわけね。魔力をなるべく使わないようにしていたけど少しきついな。」
ホープは魔力を両手に集めて光の刃を作り、縁を描くように斬撃を飛ばす。
すると狼たちは切り刻まれて煙のように散っていった。
クレバ「相変わらず光の魔法はパターンが掴みにくいですね。ですがまだ始まったばかりですよ。」
ホープが結晶の壁を壊そうと光魔法で攻撃をしていると結晶の壁からトゲが現れ体の一部で殴るとダメージが換算されるようになった。
クレバ「シャイネさんさすがですね。あとは仕上げです。」
クレバが最後の指示を出そうとすると目の前の結晶の壁が一気に壊れた。
クレバ「え!?なぜ!」
ホープ「ふぅ。何をそんなに驚いてるんだ?素手で殴れないなら武器を使って壊せばいいんだよ。」
どうやら巨大な光のハンマーを作り壁を壊したらしい。
しかしクレバが待機させていた剣士や格闘家の訓練生が今度は物理で攻撃を仕掛けてくる。
ホープ「、、、やはり魔法は偉大だな。お前たちの動きがまるであそびのように感じるぜ。」
ホープはスイスイと攻撃を交わしている。
クレバが考えているとモックが話しかけてきた。
モック「お前の無限ダメージ作戦はあの雨のおかげで継続中だ。しかし格闘家たちの攻撃は雨のせいで精度が落ちている。どうする?」
かれこれ10分ほど降り続いた雨は地面にぬかるみができるほどだった。
クレバは決意する。
クレバ「雨を永遠に降らせます。それもホープに吹き飛ばされないように何重にも重ねましょう。」
すると教官が近づいてきた。
教官「クレバよ。勝ちのパターンがみえている作戦をより強固にするのは良い考えだ。しかし相手は最高クラスといってもいい光の魔法。侮るなよ。」
教官がいい終わりクレバが返事をすると同時にその言葉は実現した。
雨が止んだのだ。
クレバ「どうして雨が!」
ホープはニヤッと笑い
ホープ「簡単なことだよ。光の爆発で煙を吹き飛ばそうとしたら光が乱れてうまく力が伝わらなかった。なら《光の》じゃなくて《ただの》爆風ならどうだろうと思ってね。手元で爆発させてその爆風で吹き飛ばしたらあら不思議。」
ホープのダメージカウントが止まり数値が10になっている。
どうやら雨が止んだ後も攻撃していた剣士や格闘家がいたようだ。
クレバががっかりしていると、街の方から1人の青年が走ってきた。
青年「はぁ、はぁ。教官さん、アンヌ様がお呼びです。魔女関連なので大至急とのこと!」
教官はわかったと返事をしホープに向かって言う。
教官「お仕置きは中止だ。ホープ。どうやらお前は対人戦などのスリルある方が向いてるらしいな。次の訓練もそういうふうに計画しておくから絶対に遅れずにこいよ!」
教官は青年とともに走って街の方に戻った。
ホープはため息をついた後、みんなの方に行った。
ホープ「みんなごめんな。なんか俺のお仕置きに手伝わせてしまって。すまない。」
ホープは謝罪をしたがみんなは笑って返事をした。
訓練生B「何言ってんだよ。お前相手だから俺たちも本気で魔法を使えたんだ。教官はなかなか本気で魔法をうたせてくれないからね。笑」
訓練生D「それをいうなら俺たち近接戦闘組も本気でかかれたよ。こっちは礼をいいたいさ!ありがとな。」
シャイネがホープに近づいてきて言った。
シャイネ「兄様、結果的にみんな満足してるからよかったですけど私はまだ許してませんからね?(ニコッ)」
ホープ「おぉ〜こわ。さすがは魔女の生まれ変わりといわれてi…」
ホープは冗談でシャイネをからかっていると背筋に殺気を感じたのも束の間、シャイネが魔法で結晶をまとった拳を打ち込んだ。
ホープは近くにあった岩の壁に打ち付けられ気絶した。
みんなは笑っていた。
そんなこんなで仲のいい訓練生たちだった。
が…しかし…その時、別の場所では…
〜セーブタウン・聖護教会 内部〜
教官・青年「アンヌ様。ただいま到着いたしました。」
アンヌ「ごめんなさいね。訓練の途中だというのに。」
アンヌ・ライテンは聖護団体とよばれる女神のお告げを聞き、魔女を滅亡させ世界に平和を取り戻すことを主にする団体の幹部を担っている。
ホープとシャイネの母親ではなく従兄弟の母、つまり叔母である。
教官「アンヌ様。魔女に関する情報と聞き、急いでまいりました。内容をお聞かせ願えますでしょうか?」
アンヌは少し厳しい顔をして2人に言った。
アンヌ「女神様からお告げがありました。魔女が近々このセーブタウンに呪害を起こすと。」
青年「なんですって!?魔女が!?」
魔女は1人1人に力の差が存在するが、その最低クラスでも魔法使い10人分の力はあると言われている。
いわゆるチート級の能力持ちである。
その魔女がセーブタウンに呪害(呪いによる災害)を起こすと言うのだから当然一大事である。
アンヌ「女神様のお告げによると魔女と直接対峙する必要はないとおっしゃっていました。しかし…」
教官「?、しかしなんです?対峙しなくてもいいなら死人を出さずに聖者に来てもらえれば良いではありませんか。」
アンヌ「その魔女は魔女の中でも中堅クラス、並の聖者では太刀打ちできません。ですが放っておくと呪害によりセーブタウンは竜巻による農業や、外交手段の停止などが発生します。そこで私はこのセーブタウンから聖者を誕生させようと思います。」
全員が驚いた。
聖者を誕生させることはそこまで難しくない。本来であれば女神に認められるものが存在し、教会などで女神と通信ができる状態にならなければならないが、すでにアンヌはその条件を満たしている。
ではどこが疑問視されるのか。
それはセーブタウンの実態にある。
青年「アンヌ様、聖者を誕生させることは大いに賛成です。しかし結界が、、、」
セーブタウンには隠蔽と偽装、他には反力、治療といった様々な結界が張られている。
故に1番問題なのは隠蔽である。
アンヌ「わかっています。聖者を誕生させれば聖力が強く反応し魔女の感知に引っかかってしまいこの街があることを認識させてしまいます。ですがこうでもしなければいずれにせよこの街は崩壊します。」
教官「聖者を…中堅クラスなら《鋼鉄の聖者》や《斬撃の聖者》をよべば!」
アンヌは首を横に振る。
アンヌ「2人とも今は魔女との戦いで戦闘は不可能にまで追い込まれています。希望だけを夢見て《力の聖者》にも要請を出しましたが反応がありません。」
沈黙が場に流れる。
青年「ではもう少し、もう少し訓練性の成長を見守ることはできませんか?今はホープ君もいます。彼は光を使えるのでもしかしたら勝てるかもしれません。」
アンヌ「そうね。身内を戦闘に送りたくないという甘い考えは捨てましょう。現状あの子が1番確率が高いのですから。」
そういってその話は聖者を誕生させるという方向で決まった。
もちろん街の人々は教会に押し入り反論したが、全員アンヌに言い負かされて納得し帰ることになった。
セーブタウンが聖者を誕生させる。
その情報が各地に渡った。
これからの展開はいったいどうなるのか。
魔女の実力や能力は?
次回をお楽しみに。
#3 end
魔女による呪害
その響きだけでは想像し難いが、過去に数回他国が滅ばされている。
その現状を知るアンヌが取った行動。
それは聖者を誕生させることだった。
他国が生み出した聖者を各地で借りて魔女を撃退するのが今までのやり方だが、魔女が日々日々強くなることがわかり世界は焦りだす。
果たしてセーブタウンは魔女を撃退できるのか