【cheri シェリー】
【Where am I?】
どういう事だ?
僕はこんな所に閉じ込められるはずじゃなかった。一体ここはどこなんだ?
「なあシェリー、一緒に旅をしよう。」
そうだ、シェリー、シェリーはどこに消えた。
真っ暗で、何も音がしない。風の音も水の音も歩く音も、無心で手を動かそうとしたが拘束されていた。
足は?駄目か。
コンコン
「やあNo.96、君は今日からここに配属された。よろしく頼むよ」
穏やかに聞こえた声と共に視界の隙間から光が漏れてきた。どうやら僕は感触のしない物に覆い被されていたらしい。
「…あ」
ここはどこなんだ、君は誰だと声に出そうとした瞬間、喉の乾きが邪魔をして上手く発声できない。
「おや、君は喉が渇いているね。少し待っていてくれないか」
「…っあ」
ゴクゴク。口に押し込まれた柔らかいゴムから一気に水を吸い上げる。
なんだ…これは。薄いミルク?まずい。
「なあ、君は勘違いしているかもしれないが、まだ幼児だよ。そんなに不味い顔をするな。」
幼児?何を言っている。
いきなり明るくなった視界に刺激を受ける。
眩しい。薄目にして辺りを見渡すと、ロボットとベッドと白い壁があった。
そしてロボットが哺乳瓶を持っている。
まさか。僕は自分の体を見ると同時に呼吸が止まった。
「なっ…」
「そうだろう?君は幼児なんだよ。赤ん坊だ。そして私はロボット。
名前はリークと言うんだ。よろしく頼む」
人は驚いた時、案外冷静に物事を判断する。僕はこのロボットと自分が幼児であるという事を呑み込んだ。
「What about 〇〇?」