底なし沼の詩。
あなたは
わたしの好きな食べ物を知らない。
わたしの好きな歌を知らない。
わたしの好きな匂いを知らない。
わたしの名前は知ってる?
わたしの誕生日は……知らないよね。
昨日はわたしの誕生日でした。
きっと何回目の誕生日かも興味がないんだろうな。
あなたはわたしを知ろうとしない。
いつも質問するのはわたしばかり。
わたしはあなたを知りたくて仕方がない。
あなたのことを知れば知るほど苦しくなる。
知れば知るほど虚しくなる。
わたしの大切なあなたは、わたしを粗雑に扱う。
どれだけの笑顔を向けても、あなたは笑ってくれない。
それでもいいや。
だって好きなんだもの。
離れたくない。
セフレでも何でもいいや。
何でもいいや。
わたしは底なし沼に溺れていく。
どんどん光が見えなくなっていく。
浮上するつもりもない。
溺れて溺れて、眠る。