言葉に注意?
「ねえ健人? ほ、本屋さん以外にも、もう少し色んなお店を見に行かないかな……?」
本を買ってショッピングモールの出入口に向かって歩いていると、そんな事を言い出す理衣亜。
俺はそれを聞き困惑する。早く帰って買ったばっかりの本を読みたいのに、何でこんな事を言い出したか分からない。
「い、いや早く帰って本を読みたいんだが……」
「え、折角来たんだよ!? も、もう帰っちゃうの!? 本はいつでも読めるでしょ?」
確かに本は、いつでも読めると言ったら読めるけど、続きがやっと読める嬉しさで、早く読みたいこの気持ちが理衣亜には分からないのか。
「って言っても、理衣亜も本を買いに見に来ただけなんだろ? 特に見るもの無かったんじゃないか?」
「あれだよ! 親睦会が土曜日にあるでしょ!? 洋服とか新しく買おうかなって! 健人も親睦会出るよね!? 健人も買わない?」
「いや、洋服は絶対見に行かないからな!? それに俺はまだ、親睦会出るか決めてないし、別に洋服を買う必要性無い」
「親睦会出ないの? そ、それより洋服は絶対見ないって何で!?」
何でって当たり前だろ。理衣亜はもう忘れてるのか、悠里も連れて洋服を見に行った時に、外で待ってるって言ってから待っていたが、1つの店で何時間いるんだよと、言いたくなるぐらい待たされた。
今から見に行ったら、間違いなく夜になる。
待ってるだけで、ラノベが読み終わるような時間を待っとけって言うのか、その間に何をしとけって言うんだよ。
「いや、悠里と3人で出かけた時の事忘れたのか? その時の、昼食の時間を覚えてないのか? 14時過ぎだぞ!? 今から見たら何時になると思ってるんだよ!?」
「え? 今が16時前だから、その時で言ったら19時前だよ?」
「そ、そうだな。正解だ……じゃなくてだな!?」
理衣亜は本気で言ってるのか、 俺の考え方がおかしくなったのか間違っているのか、自分で何を言いたいか訳が分からなくなってきた。
「え? 私、足し算間違えた!? 11時過ぎに着いてそれからだよね!?」
本当に何で理衣亜は、こんな時だけ残念頭なんだ、合ってる、合ってるんだけど違うんだ。
「い、嫌それは、本当に合ってるんだけどな? そうじゃなくてな?」
「……?」
「はあ……分かった、ただし1つの店に、30分だけだからな!? 店に入っても2つのお店だけだからな!?」
「ほんと!? わかった!」
理衣亜が何が言いたいか分からないと、言うような顔しながら小首を傾げ、俺も、もう何を言いたいか訳が分からなくなったし、溜息を吐き条件を出しつつ、一緒に行くことを了承した。
それから俺達は、お店を探し始めたがダメだった。俺の言葉がダメだった。俺の考えもダメだった。
その店舗の外近くに、飾ってある洋服を、色々見だしたり、可愛い洋服無いかなと言って、店の外から少し見える所の、洋服を見たり始めた。確かに店には入ってないし、外から見てるが違うだろ。
理衣亜にそれを、指摘したらしたで「健人の言う通り、30分も居ないしお店にも入ってないよ? 何かダメなの?」と言われては、俺はぐうの音も出なかった。それからも色々見て回るも、理衣亜は洋服を買わなかった。
「なあ理衣亜? 俺そろそろお腹空いたから帰りたいんだが」
「そうだね! ちょっと空いたね。どうする? バーガーショップに行く?」
時刻は18時過ぎ流石に腹が減った。理衣亜もお腹が、そろそろ空いただろ? だから帰らないか? 見たいな感じで、言ってみたが俺の話を聞いてないのか、帰ろうって言ってるんだぞ俺は、何でバーガーショップに行く何て聞いてくるんだよ。
「い、いや流石に、夕食を作ってるだろうし、帰って食べないか?」
「え!? 健人に夕食あるの!? なんで!?」
「はい? そりゃあ、あるに決まってんだろ!? 俺がなんでだって聞きたいわ!」
「えっ? だって私がお母さんに連絡する時、一緒に悠里ちゃんにも連絡して、健人とご飯食べて帰るからって、言ったからだよ? 悠里ちゃんもわかったって、おばさんにも言っとくって言ってたよ? スマホ貸すし連絡してみる?」
ほ、本当に理衣亜は、なんて事をしてくれるんだ。絶対無いからな俺のご飯、俺の母さんがこれを聞いて、作るわけがない。前にも同じことがあったから分かる。わざわざ確認するまでもない。
ご飯が俺は食べたかったが、理衣亜が久しぶりに、ポテトを食べたいって事で、そのままバーガーショップに行き、夕食を食べてから、家に帰ることになった。