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ただの買い物?いいえ制服デート?




 俺と理衣亜は、学校を出てから学校近くの駅から、自宅方面に4駅離れた所にある、ショッピングモールに行くことにした。



 理衣亜は、隣の駅を降りても本屋もあるし、他にも色々とあるからと、そこで降りたがっていたが、同じ学校の人に会うかも知れないと思い俺は「理衣亜はここが良いなら、このまま1人で行けばいいんじゃないか? 俺もこのまま1人で行くし」と言った。

 それを聞き理衣亜は、小声で何かを言いだしたが、良く聞こえなかった。



 理衣亜は結局、俺に着いてくる事にしたみたいで、そのまま一緒にショッピングモールに着いた。

 ショッピングモールに着いてから、周りを見てみると思いのほか人が居る。



 小学生の子供を連れた母親や、若い恋人同士の男女、そして夕方時なだけあって、友達同士で来たと思われる、中高生や恋人同士の中高生までいた。



 それらを横目に見ながら歩きながら入口に向うが、理衣亜は立ち止まったままいた。何を見てるんだと理衣亜の視線をおったら、若い男女の恋人同士を見ていた。



「何をしてるんだ? 置いてくぞ」


「な、なんでもないよ! 置いていかないで!」



 立ち止まったままの理衣亜に俺は、素知らぬ顔で声をかけ、理衣亜は返事をし小走りで俺の隣まで来て、そのまま一緒に向かう事にした。



「久しぶりに来たけど、ここ変わってないね。本屋も前と一緒の所にあるの?」


「中の店は色々変わってる筈だけどな。本屋の場所は変わらず3階にあるぞ? それじゃ早速本屋に行くか」



 理衣亜とエスカレーターがある方に向かって歩いていると、理衣亜が手を指でつついて来た。

 声を掛けてきたらいいのに、何でこんな事をするんだと思いつつ、敢えて俺は気付いてない振りをしながら歩く事にした。



「ね、ねぇ健人! 人が思ったより多いし、は、はぐれたり迷子になったら大変だよね!?」


「は……い?」


「だ、だから、はぐれたり迷子になったら大変だよねって!」



 しばらく歩いていると理衣亜が立ち止まり、よく分からない事を言い出した。

 意味は分かるんだが、意味が分からない。



 俺が何とか聞き返すと、理衣亜は同じことを言ってくる。理衣亜は本当にいったい、何を思ってこんな事を言ってくるんだ。

 はぐれるにしても、目的の本屋は分かっているし、何度も来てるのに迷子になる筈がない。



「いや、はぐれるにしても、迷子になるにしても、本屋に向かえば合流出来るし、それがなんなんだ? それより止まってないで早く行かないか?」


「そ、そうなんだけど! せ、折角一緒に来たんだし、はぐれたり迷子になったら嫌だよね!?」


「いや、別に合流出来る訳だし、人が思ったより多いって、言ってもそこまでだし、はぐれないだろ?」


「それも、そうかも知れないけど……で、でも健人よく迷子になってたしね!? だ、だからね、えと……」



 顔を少しずつ赤くしながら、理衣亜は言ってくるが、何時の話をしているんだ。

 迷子になったの何てどれぐらい前だよ、ここにはそれなりに来てるし迷子になる訳もない。



「はあ……何を言いたいか分からないけど、迷子になったのなんていつの話だ。ここには何度も来てるし、迷子のなりようもないだろ?」


「去年の12月の話だよ……? 健人と悠里ちゃんと3人で、映画を見に行った時だよ? 覚えてないの?」


「………」



 忘れてた……映画館に向かう途中で、トイレに行くから映画館で待っててくれと、言ってからコンビニとか、店を何軒か行って、戻れなくなったのあったな……1時間ぐらい映画館の前で待たせて、理衣亜と悠里が凄く怒ってたな。



 だけど俺にも言い分がある。映画館も入ってる大型の新しく出来た、ショッピングモールに向かう途中だったし、初めて行くところで限界に近い状態。店のトイレがあちこち埋まってるし、コンビニとかを探して回っていたんだし、迷子にならないわけが無い。



 最初の店で大人しく待ってた方が賢かったかも知れないが、こういう事はよくあるはず。ショッピングモールですれば良かったとかは考えない。



「そ、そんな事もあったな、勿論覚えてたぞ? すごく怒ってたよな!? そ、それで迷子になるからなんなんだ!?」


「え、えっとね、だから手をね、手を繋がないかな……? って……も、勿論ふ、深い意味は無いよ!? また健人が、迷子にならないようにだよ!?」


「………」



 理衣亜は何を言い出すんだ、訳が分からない。俺はここでは迷子にならないって、言っているのになんて事を言い出すんだ。俺を馬鹿にしているのか、それともまだ俺に勘違いをさせる気か、もう勘違い何かしないが。



「だ、だからね健人、手を繋ご!?」


「い、いや迷子にな……って急に何してんだ、離せよ!? 迷子にならないからいいだろ!?」


「い、一応だよ! い、いいからこのまま行こ」



 迷子にならないからと断ろうとした所で、理衣亜が顔を赤くしながら、いきなり手を繋いできた。

 俺と手を繋ぐのが、顔を赤くするほど恥ずかしいなら握るなよ。俺も恥ずかしいし、勘違いをしないって決めていても勘違いしそうだ。



「い、いや理衣亜、恥ずかしいんだろ? 離せよ」


「は、恥ずかしくないし! い、いいでしょ行こうよ!」



 理衣亜がそれだけ言って、手を引くように足早に歩き出した。余程恥ずかしいんだろうな、俺はすごく恥ずかしい。本当になんなんだいったい、理衣亜はいったいどうしたんだ。



 それから俺達は手を繋いだまま、本屋に着いて俺は目的の本を買った。理衣亜は欲しがってたボッチとか、金髪の本は探さないのかと聞いても無かったと言ってくる。

 ずっと隣にいて本を探していた様に何て見えなかったのにな。



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