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どういうわけなの?




 黒木君と山崎君に呼ばれ、2人の方を向いたのはいいけどどうしよう、なにか話したいことがあるのかな。

 それよりも、2人の目が凄く泳いでるし……目が2人とも回ったりしないのか、ある意味心配だよ。



 け、健人の友達だから私も、健人みたいに仲良くなりたいけど、避けられるし嫌われてるって思ってたけど嫌われてはなかったのかな。



(ねぇつかさ? ほ、本当に増田と?)


(そうだよ? もうちょっと上手ならよかったけど)



(や、山崎殿!? ど、どどどどうしますぞ!? 私達無視をされませんでしたぞ、返事をされても困りますぞ!?)


(ぼ、ぼぼぼぼ僕が聞きたいよ、む、無視されるんじゃなかったの!?)



 黒木君と山崎君のお話しまだかな……健人の話の続きが気になりすぎるよ。

 昨日家にいるって聞いたのに、つかさちゃんと……本当にそっちの話が気になりすぎるんだよ。



 なのに何で黒木君と山崎君は、ヒソヒソ話してるのかな、右を向けば結衣ちゃんとつかさちゃんも、ヒソヒソ話しているし私はどうしたらいいの。



(つかさ、ちょっといい? りぃは何か話があるって言われてるし移動しよ?)


(え? なんで? なんか面白そうだし見てたいんだけど?)



(山崎殿も言ってましたぞ!? ま、増田殿が避けられてるから、む、無視をされると普通思いますぞ!? さ、さささ作戦台無しですぞ……で、でで出直したいですぞ……)


(い、いい言ったけどさ……ぼ、僕も出直したいよ……無視されてる時にいっぱい土下座作戦に、む、むむむ無理があるんだよ!)



 つかさちゃんと結衣ちゃん、ヒソヒソ話すのはいいけど、わ、私も話にはいりたいな。

 なんか仲間外れにされてる気分だよ。



「りぃ、ごめんちょっと、つかさと話してくる」


「ごめんねりぃ、すぐ戻ってくるよ」


「へ!? あ、えっと……うん」



 結衣ちゃんに急に話しかけられて、驚きながら私は返事をした。

 私の返事を聞き、そのまま結衣ちゃんがつかさちゃんの手を握って、席を離れて行った。



 本当に手を繋ぐの流行ってるのかな、それよりどこに行くんだろう、私も着いて行きたいなと思いつつも、黒木君達に呼ばれた私は、その後ろ姿を見てるだけにした。



 黒木君と山崎君を横目にしながら、結衣ちゃんとつかさちゃんの後ろ姿をそのまま見ていると、2人は健人に話しかけている。



 待ってつかさちゃんと結衣ちゃんだけずるい、わ、私もそっちに行きたいし、話を近くで聞きたいよ。私も詳しく話を知りたいのにあんまりだよ。



「ははは、は早川殿! す、すすすすみませんでしたぞ」


「は、はははは早川さん! ご、ごごごごめんなさい」



 つかさちゃんと結衣ちゃんに話しかけられ、驚いた顔をした健人を見ていると、黒木君と山崎君がヒソヒソと話すのを止め謝ってきた。



 いきなり謝られ私は驚き、言葉が出てこなかった。健人の方を見ながら、謝られる理由を考えてみても、謝られることをされた覚えがない。



 避けてた事を言ってるのかな……? でも話したら少しは話してくれるし、謝る程でもない気がするし他のこと……? でも酷いことをされた覚えもないし、本当に私は何をされたのか分からないよ。



「え、えっと……な……」



 謝られる理由が、考えても分からなかった私は、黒木君と山崎君に聞こうとし、健人の方をチラチラと見ながら、聞こうとしたところで言葉を失った。



 つかさちゃんが普通に、健人の隣に座っていたから。

 別に隣に座るのはいいんだよ、でも、でもだよ、近すぎるよ近すぎるんだよ。



 何で肩も触れそうな距離で、付き合ってないのに自然と座れるの、 高校生になってから健人の家に全然行けてないし、一緒に勉強もしてないから私は、その距離で隣に今は座れてないのにあんまりだよ。



 つかさちゃんだけ、ず、ずる……違くて、う、うらやま……で、でもなくて、つ、付き合ってないんだから、だ、ダメだよ、うんダメなんだよ。



「え、えっと、は、早川殿、ど、どどどうしましたぞ……?」


「は、ははは早川さん……?」


「え!? あ、ご、ごめんね、なんでもないよ、え、えと、そう、何で謝るのかなって思って!」



 健人の方を見ながらそんな事を思っていると、黒木君と山崎君にどうしたのか聞かれ、私は慌てた様に言葉を返した。

 言葉を返したけど、私は、今はそれどころじゃない。



 見えないからわからないけど、健人とつかさちゃん、手を繋いでいるのか、気が気じゃない。

 流石にあの距離で座って、手を繋いでたらと思うと辛い辛すぎるよ。



 ここから見てると、もう付き合ってる様にしか見えないし、隠してるのかな……今日の帰りに話があるって、つ、つかさちゃんと付き合ってる事を言うのかな……本当に聞きたくないよ。



 中学校の卒業式の日に戻りたい……本当になんで私は、健人を振っちゃったんだろう……健人が告白の言葉を間違えすぎだからなんだけど、私も悪いよね……あの時に付き合っていたら……もうどうしたらいいのか分からない。



 私はもう本当にどうしたらいいの……健人と帰りたいけど、付き合っているのかどうかは聞きたくないから、一緒に帰りたくないけどそれでも一緒には帰りたいし、つかさちゃんとの事はそれはそれで知りたいし……訳が分からなくなってきたよ。



「…………とと、と言うわけですぞ、は、早川殿、ほ、ほほほ本当にすみませんでしたぞ」


「ほ、ほほ本当に、ごごごごめんね早川さん」


「……えっと、うん、大丈夫、大丈夫だよ気にしてないよ」



 黒木君が謝る理由を言ってくれたけど、私の耳に全然入ってこなかった。

 そして、もう一度黒木君と山崎君が謝り、私は話を聞いてなかったとは言えず、気にしていないことを伝えることにした。



「ほ、本当にすみませんでしたぞ、許してくれて、ああああ、ああ、ありがとうですぞ早川殿」


「あ、あああありがとう早川さん」


「う、うん、本当に気にしなくていいよ」



 黒木君と山崎君は、その言葉を聞いて、安心したような表情をしながら、ありがとうと言ってから、ヒソヒソと話しつつ仲良く手を繋いだまま、教室から出て行くのを私は見送った。



 2人を見送りつつも、仲良く手を繋いで2人でどこに行くんだろうと、少し気になりつつ、健人の方を見ようとした時だった。

 パァンと何かを叩いた音がして、健人の方をそのまま見ると、結衣ちゃんが健人の頬を叩いていた。



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