最低すぎるよ?
私、早川理衣亜は今、凄く物凄く頭を悩ませている。
授業も恙無く終わり、今、私はつかさちゃんと、結衣ちゃん、いつもの3人で、お昼ご飯を食べている。
お昼ご飯を食べながら私は凄く頭を悩ませている。自分のした事がその原因。
本当に、な、何であんな事をしちゃったんだろう。感じが悪いよね……で、でも健人も絶対に悪いよね。
なんで急に、健人から話しかけてきたのか分からない。
話しかけられて、嬉しかったけど、本当に嬉しかったけど、けどね、だ、大嫌いって……は、話しかけるなって、わ、私言われたんだよ……? お、思い出しただけで辛いよ。
なのになのに、なのにだよ、私の気も知らないで、帰りに寄り道しないかってなんで言ったの、言ったらダメだよ。
思わず行きたいって、言いそうになるぐらい行きたかった。9割ぐらい言っちゃったけど、必死に私は我慢してた。
(ねぇつかさ、りぃはどうしたの)
(結衣も急にどうしたの? りぃは、いつもの事だと思うよ?)
(いや、いつもと違うよ、いつもならご飯を食べてる時でも、今日も健人があって言ってたでしょ)
(あぁ、確かに言ってたね、でもまぁ、りぃにもきっと色々とあるんだよ多分)
我慢してる時に、つかさちゃんが来て良かったって、思わず思ったけど、全然良くなかったよ。何で健人がつかさちゃんと、あんなに仲良くしているのか、本当に分からないよ。
いつの間に、あんなに仲良くなっていたのか、本当に信じられない。つかさちゃんは、友達未満知り合い未満って言ってたけど、よく分からなかった。
いきなり手を繋ぐのは絶対に知り合い未満じゃないよね。知り合い未満ってもう、殆ど知らない人だよね。
本当にどんな関係なんだろう、知りたいけど聞けないよ……何で今まで、唯の幼なじみって言ってたんだろう。
健人の事を大好きって言っていたら、まだ聞きやすかったのかな、また聞いたらしつこいとか思われそうだし……「唯の幼なじみなんだよね? 何でそんなに気になるの」とか言われたら、なんて言えばいいのか分からなくて困る。
(まあ、それは今置いといて、ねぇつかさ? お昼を作りすぎたって言ってたよね?)
(また、どうしたの結衣? 作りすぎてるでしょ? 食べられそうにない?)
(え、いや、つかさの作るご飯は美味しいから食べられるけどさ、ど、どうやったらお弁当箱がさ、2個になるの?)
(……あ、あれだよ、もっと食べ……ぼ、ボーッしながら作ってたから……わ、私にも色々とあるんだよ、も、もう聞かないでそれは、りぃも気にしてないでしょ)
やっぱり健人とつかさちゃんは、そ、そう言う関係なのかな、そうだよねそんな関係じゃないと、いきなり手を繋いだりしないよね。
つかさちゃんも自然に手を繋ぎにいっていたし、健人は戸惑ってたけど、教室でいきなりされたから驚いたんだよね。
うぅ……羨ましすぎるよ、わ、私が健人としたかったよ! つ、つかさちゃんだけずるい……で、でも、つかさちゃんが健人と付き合ってたら、な、何も言えないんだよね。
で、でも、つ、付き合ってない可能性も……す、少しぐらい……あ、あるかな、ないよね……
(ねぇつかさ、りぃがチラチラつかさ見てるけど何かしたの?)
(ん? りぃにはまだ、特に今日は何もしてないよ?)
(本当に? いつも見たいに、りぃ見て見て、増田がまた、りぃの事を考えながらニヤニヤしてるよとか言ってない?)
(結衣は私をなんだと思ってるの? 流石にもうそれは言ってないよ?)
でもでも、帰りの寄り道をつかさちゃんじゃなくて、わ、私を誘ったから、本当に付き合ってない可能性がある? そ、そうだよ、そうだよね、付き合っていたら、つかさちゃんを誘うよね。
え、でも待って、朝につかさちゃんが、健人に何かを渡してたよね……今日一緒に帰れないから何か渡したのかな……だ、ダメだよ色々とと気になりすぎるよ……う、うん聞こう、大丈夫、大丈夫だよね。
「ね、ねぇ、つかさちゃん、え、えっとね? け、健人と……あ、えとね、本当に、ど、どんな関係なのかなあって……」
「りぃもどうしたの本当に、朝も言ったと思うけど、友達未満知り合い未満だよ?」
「つかさ、それはもう知らない人じゃない?」
つかさちゃんと結衣ちゃんが、小声で何か話していたけど、私は気付かないまま、朝に聞いた事を、そのまま聞いたけど、帰ってきた返事は朝と一緒だった。
聞いたい事が違うんだよ、聞きたい事はそれじゃないんだよ、なんて言えばいいのか分からない。
「まあ、殆ど知らないよね、私が分かる増田の事ってなんだろ……下手くそだけど殆ど空になるまで何回もいっぱい出してくれた事と……激しく突っ込んでくるし大きいし、まあそんな事ぐらいかな? まあ、取り敢えずそんな良い知り合い未満な関係? かな」
その言葉を聞いて、結衣ちゃんは口に手を当て吹き出しそうになるのを抑えて、私は言葉が出てこない。つかさちゃんが何を言ってるのか分からない分かりたくない。
もう絶対に知り合い未満じゃないよ、知り合い未満がよく分からなくなるよ、もうそうだよね絶対に付き合ってるよね。
「い、いっぱいって……ちょ、ちょっと待ってつかさ! い、いつ!? いつから増田とそんな関係なの!? 彼氏いらないとか言ってなかった!?」
「え、昨日からだよ? 昨日色々とあって増田と……彼氏はいないよ?」
「付き合ってないのに、つかさは……それはダメでしょ!?」
つかさちゃんと結衣ちゃんの、会話を黙って聞いてるだけで、私は何も言えなかった。
そうだよダメだよ、付き合ってもないのに、そ、そんな事をしたらダメだよ。
健人も健人だよ! 何で付き合ってもないのに、そんなことが出来るのか意味がわからない。
健人も、お、男の子だしそう言う事に興味があるのは分かってあげたい……あげたいけど無理だよ。
それに、それにだよ、私に先月告白してくれたばっかりだよ!? す、すす好きだとか言って何で付き合ってもない、つかさちゃんと……そ、そんな事してるのか本当に意味がわからない。
最低すぎるよ、見損ないそうだよ。私に好きだって言ってた気持ちが軽すぎるよね!?
か、体なのかな、私の体目当てだったのかな健人……
「付き合ってなくても遊びだし……それぐらいはいいかな?」
「何言ってるのつかさ!?」
「つかさちゃん!? それはダメだよ!?」
「ふ、2人してどうしたの? びっくりするよ」
つかさちゃんは何を言ってるんだろう。多分私たちの方がびっくりだよ。
健人が健人それに最低すぎるよ……健人がそんな事をするなんて思いたくなかったよ。
遊びって遊びとか……健人は女の子の体をなんだと思ってるんだろう。
つかさちゃんもつかさちゃんだけど、健人が悪すぎるし、遊びでしていい事と悪いことがあるよ。せ、せめて、わ、私なら……今年から結婚出来るし……ち、違くて……つ、付き合ってないけど、け、健人なら……でもなくて、ダメだよ健人のバカ。
「つかさに私達がびっ……」
「早川殿!」
「早川さん!」
「……っ!? え、な、なに!?」
結衣ちゃんが何かを言おうとした所に、横から声をかけられ私は、驚きつつ返事をしながら声のした方を向くとそこには、驚いた顔をしてから困った顔に変わり、目を泳がせながら手を繋いで仲良く直立不動になった、黒木君と山崎君が立っていた。
今はクラスで手を繋ぐの流行ってるのかな……黒木君と山崎君もだけど健人とつかさちゃんも繋いでたし、そ、それなら私も、け、健人と手を、つ、繋いでも……これも違くて……健人のバカ!




