ごめんなさい?
長かった、本当に長かった、1日を終えた夜。
俺は、あれからも後藤さんに、色々と聞かれつつ、遊ばれ? からかわれ? 弄ばれ? 取り敢えず、それらから、解放され家に帰った。
家に帰り着きのんびりと過ごし、夕食を食べ終え、お風呂にも入り終わり、やっとのんびりラノベを読んでいられると、考えていたのに、なんだこの状況。
悠里が話があるからと部屋に来て、俺はベッドの上に座らされ、悠里が床に座っている。
話があるって来たのに何で黙ってるんだ、いつまで黙っているんだ、俺は早くラノベの続きを読みたいから話せよ。
悠里を見てもなかなか話そうとしない、余程言い難い事なのか、ま、まさかラノベか漫画を汚して読めなくしたとかか? さ、流石にそれは無いよな? 無いはずだよな? 何か売ったとかもないよな、見たけど全部あったはず……あったよな!? ちゃ、ちゃんと見とけばよかった。悠里が話す前に1回確認したい、すぐにしたい、話さないなら確認しに行きたい、本当になんなんだよ。
「……え、えっとね、おにい、ご、ごめんなさい……」
「はあ!? え、本当に、本当に汚したのか!? 売ったのか!?」
「……え? えっと……な、なんのはな……」
「どれだ!? どれを汚したんだ!? まだ読めるか!? 読めるよな!? 売ったりなんかはしていないよな!?」
悠里に言いつつ俺は、本棚の方に向かい本が減っていないことから、売られてはいないと取り敢えず安心する。
まだ読んでいないのを売られでもしていたらどうしてやろうと考えていたがそれも考える必要は無かった。
も、問題はどの本が汚れているかだな、読めるなら、読めるならまだ許す、読んでないのを読めなくしていたら買ってきてもらおう、そう考えながら俺は、まだ読んでいないラノベを手に取る。
「お、おにい、落ち着いて! ち、違うから、本の事じゃないから」
「……? ほ、本当か? 本当に汚してないんだな?」
「……う、うん」
「ならいいけど、じゃあ一体なんの話があるんだ? やっぱりジャージの事か?」
ラノベや漫画の事では無いと聞き、他に心当たりは、ジャージの事しか心当たりが無く、聞いてみる。
「え? それは本当に違うよ?」
「……」
恥をかかせておいて、本当になんでそこを謝らないんだよ! と内心ツッコミたくなるのを堪えながら、話が進まない事から色々と聞いてみることにする。
「じゃあ本当になんの話なんだ? 俺の晩御飯のおかずに変なのを入れたとかか? 飲み物か? 美味しく食べられたから問題ないぞ?」
「……え、えっと、リアねえの事……」
またアイツの話かと、内心溜め息が止まらなくなる。本当にアイツが一体なんなんだと。
「……またか、本当になんなんだよ」
「ど、土曜日ね、おにい遊びに行ったでしょ……? そ、その……それで、り、リアねえも……」
「ああ、来たぞ、悠里が教えたんだろ? 何で俺が遊びに行くの教えたんだよ、ま、まあそこはアイツから遊びの誘いがきたのか、なんなのか知らないけど、それで教えたんだろ? まあそこはもういいよ、分かった、これで終わりか?」
「……違うの、わ、私がリアねえを誘ったの、お、おにいと遊ぼって……ほ、本当にごめんなさい……」
…………は? ちょ、今、悠里はなんて言ったんだ、え、待ってアイツが勝手に来たんじゃないのか!? 待って本当に待って俺の理解が追いつかない。
「……え、えっと悠里? も、もう1回聞いてもいいか?」
「本当にごめんなさい……わ、私がね、おにいと遊ぼってリアねえを、さ、誘ったの」
き、聞き間違いは無いみたいだな……じゃ、じゃなくて、え、は、て言うことはどう言う事だ……? アイツは悠里に聞いて来たんじゃ無くて、誘われて来たってことだよな……?
アイツはただ呼ばれて来ただけか、そ、そうか……アイツは本当に、俺が遊ぶって事も知らなかった、のか……? ただ遊ぶ為だけに来たんだな……
「おにい、だ、だからね、り、リアねえは別に悪くなくてね……え、えっと、えっとね、お、おにいが怒るとは思わないしね……おにいがリアねえに怒ってて泣かせてるしね、その……本当にごめんなさい……」
な、泣かせた? アイツ泣いたのか……? キツく言いすぎた自覚はあるが……う、嘘だろ……え、俺が悪すぎないか!? ちょ、ど、どうすれば。
「ほ、本当に、わざとじゃ……ね、ないんだよ、本当にごめんなさい……だ、だからね本当にリアねえは悪くないんだよ……」
「えっと悠里? 理衣亜ってえっと……」
「……? リアねえは何も悪くないよ……全部私が悪いんだよ……本当にごめんなさい……」
はあ!? 本当に!? 悠里も悠里で何でそんなことをしたんだよ。
俺がただただ最低な奴になっただけじゃねーか! 待って、理衣亜に謝って許してくれるかな、許さないだろうな泣かせたぐらいだし……結構言った気がするぞ……
どうするんだよ……どうすればいいんだよ!




