3度目の正直?
理衣亜と、連絡先を交換してから、2日がたった。
その間も勿論、理衣亜にメールは送れていないし、送られてもこない。
その間にも理衣亜に、何て送ろうか色々考えた、本当に考え過ぎじゃないか、ってぐらいに考えたが、メールが出来なかった。
本当に、何て送ればいいのか、分からなかった。
結局俺は、理衣亜が俺の、連絡先を知りたいんだよと、言ったことから理衣亜が、何かしらメールを送ってくるだろうと思い、待ってみる事にしたが、一通も送られてくる気配もない。
決して未練があるとかでは無いし、寂しいわけでもない、ただ悠里以外とメールが出来ると思って、ただ楽しみにしていただけ、本当にそれだけだ。
それよりもだ。未だに黒木と山崎と連絡先を、交換出来ていないのが問題だ。
遊ぶのは明日の土曜日の筈なのに、2人と全くと言っていいほど喋られていない。
理由は当然、理衣亜が来て相変わらず、2人が逃げるから話せない。
俺との約束はどこにいったんだと、思いたくなるほど、理衣亜がやって来る。メールは全く来ないのに。
俺との約束の事を、理衣亜に聞いてみたが「昼休みに健人と連絡先を、交換した時に確認したら健人分かったって言ったよね? なら、もう来ても問題無いよね? お願い聞いてくれるんだよね?」と言われ、あの時の俺を、ぶん殴ってやりたくなったのは、言うまでもない。
そんな事もあり、今日まで聞けなかったが、黒木と山崎の連絡先も知らない、話も出来ないでは明日、どうやっても遊べないから、今日の朝に理衣亜が来てから、昼休みは友達達と食べてくれとお願いをした。
休み時間も友達達と話しててくれと、お願いしてみたけど何限目の後の休み時間? と言われた瞬間に昼休みだけお願いをした。
当たり前だ、俺がお願いをする、当然理衣亜のお願いを聞くのも増えた、短い休み時間の為にそれは困る。犠牲は最小限に抑えた。
4限目の授業も恙無く終わり、昼休みに俺は、また黒木と山崎のいる、隅っこに向かう。
「く、黒木、山崎少しだけ話しをしないか?」
昼食を一緒に食べようと誘っても、これまで一緒に2人と食べたことが無い俺は、話だけをしないかと、遠慮気味に言ってみた。
「う、うん。話すのは全然大丈夫だよ、それより増田君もご飯一緒に食べながら話そうよ」
「そ、そうですぞ! ご飯を一緒に食べますぞ。そして連絡先も交換をしたいですぞ!」
「え!? い、いいのか!?」
土曜日の事と連絡先交換の話をして、誰も来なさそうだなと思ったら、俺からご飯を誘おうと思っていたが、まさか2人から誘われ思わず驚く。
「当たり前だよ、早く食べよ!」
「そうですぞ!」
「わ、分かった! 弁当をとってくる」
自分の席に弁当を取りに戻り、理衣亜の方を見てみると、問題無く友達と食べている。
うん、今日こそ大丈夫だ、今日こそ一緒に食べられるはずだと、自分に言い聞かせながら、山崎と黒木のいる所に戻る。
「増田君その最近ごめんね」
「私もすみませんぞ」
2人のいる隅っこに戻り、席に座ったらいきなり謝られた。
まさか、一緒にご飯を食べようって言ったのは、社交辞令ってやつか、冗談だったのか!?
「な、何が?」
何で謝るのか俺は、なんとか平静を装いつつ聞いてみることにした。
これで一緒にご飯を食べられないとか、まさかの落とし穴すぎる。
「えっと、と、トイレにすぐ逃げたり?」
「お茶を買いに行って逃げたり本当に申し訳ありませんぞ」
「き、気にしてないから大丈夫だ! それより早くご飯食べないか!?」
そっちか。取り敢えず胸を撫で下ろし、それだけ返事をした。社交辞令だったり、冗談だよと言われたら本気で立ち直れなかったところだ。
2人は、そんな事を気にしていたんだな。あれはしょうがない、俺達見たいに隅っこにいる人間が、逃げないわけがない。
「う、うん。本当にごめんね? これからは絶対トイレとか、お茶を買いに行かないから! それでねご飯より先に、連絡先交換してもいい?」
「私も本当に申し訳ありませんぞ……私も絶対に行きませんぞ! そして私も、是非連絡先お願いしますぞ」
「本当に気にしてないから大丈夫だ! 連絡先の交換の仕方が、俺はまだ分からないから、教えてくれないか?」
山崎と黒木に、連絡先の交換の仕方を教わりながら、覚えつつ何事も無く、連絡先の交換が出来た。
連絡先を交換するのがこんなに大変とか、予想外過ぎた。約1週間ないと2人と、連絡先の交換も出来ないとか誰が思うんだ。
「そう言えば、土曜日はどうするんだ?」
「あっ、それなんだけどね、僕はゲームセンターに行きたくて、黒木君は、カラオケに行きたいみたいなんだ、だからみんなが、それぞれ好きな所に一緒に行こうかなって」
「やはり友達は、お互いの好きなところを知ってこそですぞ! なので増田殿の、好きな所にも行きますぞ!」
今、聞き捨てならない、セリフが聞こえたのは気のせいか、聞き間違いか、今友達って言われたのか!?
「土曜日はそれで大丈夫。 俺も考えとく! それより友達なのか!?」
「え? えっと友達と思ってたんだけど……」
「違いましたぞ?」
「い、いや、そうだな。友達だよな!」
友達と言われたことが、嬉しかった俺は、聞き間違いかと思い、聞いてみたが気のせいでも、聞き間違いでもなかったみたいだ。
明日の俺は生きてるんだろうか? いや生きていてくれないと、明日遊べなくなるから、生きていて欲しいが、連絡先を交換出来たり友達が出来たりと、いい事ありすぎるだろ。
「そ、そうですぞ! 楽し……わ、わわ私少しご飯が足りないようなので、購買に行きたいですぞ!」
「ぼ、ぼぼ僕は最近、た、たた食べ過ぎ見たいなんだ! お腹がこんなになっちゃって。ちょっと、うう運動してきてもいいかな!?」
「え、いや、明日の話しはどう……」
俺が言葉を言うより早く2人が、弁当を持ちながら教室を出て行った。山崎は、お腹がやばいから運動じゃなかったのかかよ、何で弁当まで持っていくんだ。トイレでもお茶でも無いけど。
少しの間、そんな事を考えていたら、後ろから声をかけられた。
「明日は親睦会何だけど、君が来ないから早川さんも来ないみたいなんだ。何で来ないのかな?」
勿論、相手は今井君とその後ろには、今井君の取り巻きの女子2人。
俺が来ないから理衣亜が、来ないみたいなんだって、どういう事だ。奇跡の瞬間が台無しだ。




