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いいだろ?




「そ、そんなことないよ! 健人が言いたい事も聞きたい事も、1個ずつあるはずだよ!」


「え!?」


「だからね、どっちも1個ずつあるはずなんだよ!」



 俺が本当に他には無いなと、考えていたら慌てた様に言ってくる理衣亜。

 しかし残念、言いたい事は2個だ、とか考えてみる俺。違うな真面目に考えるか。

 1個ずつあるってやけに、具体的な数字が出てきてるって事は、俺と考えている事はまず違うだろう。



 スマホを取り出してから、理衣亜が来たって事は、スマホに関して、何かあるってことだよな。スマホで言いたい事と、聞きたい事ね。

 最新機種買ってもらったんだ! いいだろ!? とかか? まず無いな、小学生の自慢か。

 


 もしかして、スマホ買ってもらったんだ! 連絡先教えてくれないか? とかか? これも絶対無いな。内心は凄く知りたいけど。



 聞いた瞬間に私、健人の知りたいと思わないし、ごめんね? と知りたくない発言されたら、俺がもう本当に立ち直れなくなってしまう。いくらなんでも追い討ちをかけすぎだろ。



 俺は、もう考えていてもしょうがないと思い、最初に思い浮かんだ言葉を、言ってみることにする。



「そ、そうだな確かに1個ずつあった! これ最新機種なんだ! いいだろ!?」


「…………そ、そそそうなんだ! いいね!」


「……」



 俺がそう言った瞬間空気が凍りついた。そして困惑顔になった後、いいねと言いながら顔を逸らす理衣亜。

 その間は何なんだ。絶対いいねとか思ってないよな。いいねと思うなら、良さそうな顔をしろよ。

 変な空気を、醸し出されたら気まず過ぎる。



 絶対に違うと、分かっていながら言ってしまい、後悔して何も、言うことが出来ずにいる俺。そして理衣亜も、無言でそのまま固まってしまった。



「そ、それでね健人! 言いたい事と聞きたい事が、1個ずつあるよね!?」



 それから何秒ぐらいたっただろう、理衣亜がさっきのを、無かった事にする様に、同じ事を聞いてきた。

 うん、無かった事にされるのは、本当に助かる。いくら何でも、言ってる俺が恥ずかしかった。



 そうなると他のことって事だろう。 他の事と言えば、親睦会の事だろうか? チャットの返事の事を言ってるのか? それしかないよな、他には無いはず。



「そ、そうだな! えっと、俺は親睦会出ないんだ! グループチャットを、やって無いから返事出来ないし! だけど知りたい訳じゃないから大丈夫だ。そういう訳で、聞きたいことがないな」



 グループチャットは別に今は、もうしたくないのは本当の事だ。 クラス全員が居るとか、誰と誰が会話しているのか訳が分からなさそうだし、どんなのかは知らないけど。



 黒木と山崎と話してから分かったけど、俺とも話してくれる人が、居るか分からないと言うのが大きい。話し相手が居ないチャットを、見ててもつまらないだけだろう。



 それならしない方がいい。そうなると本当に聞きたい事が無いんだが、聞きたい事ってなんなんだ。

 そう思って言った俺だが、続く理衣亜の言葉が意外だった。



「……グループチャットは、私もやってないから教えられないけど、それより健人本当に親睦会出ないの?」


「え!?」


「何で驚くの!?」



 俺は、理衣亜の言葉を聞いてかなり驚いた。そしてお互い沈黙なる。

 何で驚くのって理衣亜も、グループチャットをやっていない事が意外すぎだろ、普通に誘われていそうだが、誘われていないって事なのか? もしくは、俺に合わせて、やってないって言ってるだけなのか。



 言って欲しい事が、親睦会の事でも無さそうだし。聞いて欲しい事も、グループチャットの事でも無いとしたら、本当に何を聞いて欲しかったんだ、もう訳が分からなすぎる。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



 私が言った瞬間に、凄く驚いた顔をした健人を見て、私は思わず溜息を吐き出したい気分になったけど、何とか言葉をだした。

 親睦会について驚いている、わけじゃないのは分かってる。



 私が他の男の人と、連絡をとるように思ってるのかな。私はグループチャットだけじゃなく、連絡先も男の人と交換はしていない。



 仲良くなってないって言うのもあるけど、やっぱり1番最初は健人が良かったから。

 それなのに何で健人は、こうも私が言ってきて欲しい事を尽く、告白もだけど、何で言ってきてくれないのかな。



 健人がせっかく、スマホを買ってもらったんだよだから、お父さんとお母さんには迷惑かかるけど、一緒のスマホにしないかって、言われたいんだよ私。



  恥ずかしくて言えないから、一緒何だけど分かって欲しいし、スマホだけど、お揃いにしたいんだよ私。



 それに健人は、連絡先を何で聞いてこないのか、1番意味が分からないよ。

 寧ろ買った日に、聞いて欲しいぐらいだったよ、 何で黙ってたのかも意味が分からないし……謎過ぎるよ本当に。



 私から聞けたら1番良いんだけど、流石に思わずだけど振ってしまった健人に聞いて、振った理衣亜に何で、教えなきゃいけないんだよって、大好きな健人に、そんな事を、言われるのが怖すぎて聞けない。



 でも、このままだと健人も、聞いてきてくれないのは目に見えてるし、私から聞かなきゃ変わらないよね?

 よし! 頑張って聞こう。



「健人! 私は健人の連絡先が知りたいんだよ!」



 健人は口を大きく開けて、驚いた顔をしながら固まっていた。少し声が大きかったかな、一部喋ってた人達も喋るのやめて、口を開いて無言で見てくるよ……うぅ

 恥ずかしい……でも勢いで言わないと言えないし、これで教えてくれなかったらどうしよう。



「は、早川さん!? え、えっと俺が聞いても教えてくれなかったのに、な、なんで!?」



 私が色々な事を考えながら、健人の返事を待っていたら、驚いた顔をしながら今井君が、そう喋りかけて来た。



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