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ウチのPT@0  作者: ららら
4章 不穏な影
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矛と盾

【……まさか他の四人を破るとはな】

【さすがは勇者とその仲間たちか】

勇者が一番役に立ってないけどな。

「なんか勇者のおまけみたいでムカつきますねぇ」

珍しくマイと気が合った。

「……マイちゃんこのギルド名知ってる?」

「んー?えーと……うん……まあ」

マイが少し考えた後黙った。ギルド名……?

『マイちゃんとゆかいな仲間たち』

特大ブーメランじゃねえか。


 ……そういやこんな名前にしたわ。

別にギルド全体でのイベント無いし忘れてた。

ステータス画面にちょろっと表示されるだけだもの。

別に名前なんかどうでもいいけどさ。


【しかし……勇者と言えど退く訳にはいかん】

【……騎士として】

【祖国の為!!】

【守るべき民の為!!】

【邪神の脅威は取り除かねばならぬのだ!!】

【我が名は『迅雷のダリア』!!】

【この身を槍と変え敵を貫く!!】


【再び合間見える事になったか】

【良かろう】

【今度は出し惜しみ無しだ!!】

【オトナリ帝国最強の矛と盾】

【この二人を突破出来るか!?】

【『民護のムスカリ』参る!!】


 ……なんかさあ。

「敵のが主人公っぽいですよねぇ」

「……言うなよそれ」

……こいつらの辞書に話し合いは存在しないのだろうか。

「そもそも勇者って邪神復活のカギ持ってませんでしたぁ?」

「は?マジかよ?」

え?マジで?

「いやいやいやいや……冒頭で言ってたじゃないですかぁ……。タツさんって若いのにアルツハイマー?」

「うっせえ!!……言ってたか?」

正直マイだけだと信用出来ない。

……ただ『言ってない』なんて発言したらアルツハイマーの仲間入りさせられるかもしれない。

よし、しばらく見に徹しよう。

「……言ってましたよ?」

……ミイがマイと同じ意見だと?

じゃあ本当に言ってたのかね。……覚えて無いが。


「いや、お前私たちと一緒に一番見てるだろうに。……何故覚えて無いんだ?」

「お前までそっち側かよ……」

だって初回以外見て無いもん。

俺だって最初のシーンはネット見たりしてる。

タツが見るはずがない。

「やーい、タツさんの痴呆障ー!!」

小学生かよ。


 ……さて、長いセリフも終わった。

痴呆障論はどうでもいい。

操作可能になりやるべき事は一つ。

「お前ら逃げるぞ!!」

そう、逃げる事だ。


「……これなんの意味があるんですかぁ?」

そういや『出会ったら逃げる』としか説明してないか。

「ノックバック対策だよ。前回俺が酷い目に合ったからな」

「あー……」

ノックバックの対策は簡単。

壁際で戦う。それだけ。

壁にぶつかってもダメージ0。

ああ素晴らしきゲーム世界の物理法則。


このクエでは、スタート地点からずっと北に向かってきた。

ここから南……は一つ前のバリケードまで戻れば壁になるのだが……。

ボス撃破により一部解除されてしまっているので、中途半端に穴開き状態。

運悪くそこに入ってしまうと目も当てられない。

北は、マップの構造上すぐ行き止まりになっている気がする。ここが終点だから。

この先に敵もいないのに、マップを作る意味は無い。

……ただ、少なくても敵より奥に駆け抜けなければならないのだ。

なるべく回復を温存してきたのに、被弾覚悟で突っ走るのはいただけない。

……この案もボツ。

そうなると東か西しか残されてない訳で……。

「おっしゃ!!端が見えたぞ!!」

なんとなく東に走ったが……ダメージを負う事無くたどり着けた。


 走った先に広がった景色は……ドラマの殺人現場で使用されそうな崖。

そしてその下一面に広がる海。

……まあ、予想通りだな。

「これだけリアルだと……ここに逃げるの違和感ありますよねぇ……」

「……深く考えんな」

リアルと見間違う位綺麗な景色。

……まあ、透明な壁さんがいるから断崖絶壁でも壁と変わらない。

ここが『最終決戦』の最終決戦の地だ。


【ガーディアンフィールド】

「ちっ!!やっぱりかよ!!」

前回のシナリオクエストでの敗北の一因でもあるスキル。

効果は『自分以外の味方のダメージ軽減』

……ボスが使うとか極悪スキル過ぎるだろ。

「作戦通りタンクのおっさんから狙うぞ!!」

これしかない。

最強の矛の猛攻に耐えながら最強の盾を砕く。

……矛盾の由来みたく楽に解決出来ないもんかね。


【ファイヤーボール】

【ファイヤーボール】

二発の火球と四振りの剣がタンクのおっさんに命中する。

【疾風槍】

槍のリーチと踏み込みのスピード。

それらが合わさり本当に槍その物が襲ってくるかのような一撃。そして……。

「ガードしてもこの威力かよ!!」

【お手製傷薬】

このボスにとっては別段強力でも無いスキルだが……回復が発動されるまで減らされてしまう。

俺、サラ、薬師のNPCで引き受けているが……少々厳しい。

ミイまで回して攻撃六人体制にしたのは失敗だったか?

……因みに勇者様は逃げる時に一人突っ込んでダウンしてます。


「タツさん、このまま弱い技だけで大丈夫なんですかぁ?」

「……ああ」

タツは少し悩んだ後頼りなさそうな返事をした。

今までのボス戦は先に大技をぶっぱなし、使いきったら下級のスキルを使用していた。

今回はその逆。『ファイヤーボール』等を積極的に使用し、『フレアボール』のような上位スキルを温存している。

正直これが正しいのかは、俺にもタツにも分からない。

これを選択した理由は……ボスの本気モードのせいだ。


 今までのボスは大半が、HPが減ってくるとスキルや行動パターンを変えてくる。

そして、ボスが強化された頃にスキルが無くなってしまう結果、強化状態のボスと長期間戦わなくてはならない。

これを避ける為に、後半までスキルを温存する事にした。

槍のボスが強化状態になった時に一気に倒すために。

……吉と出るか凶と出るか。


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