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ウチのPT@0  作者: ららら
4章 不穏な影
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温存

気づいたら前話から一週間近く間空いてた……

「あの……何をしているんですか?」

「何って言われてもな……休憩タイム?」

疾風さんを倒した俺たちは……次のボスに向かわないでその場に留まっていた。

「……ええと、HP満タンですよね?」

「あー……回復は俺らじゃねえ」

そう、プレイヤーの回復待ちではない。

「そこらに寝っ転がってるやつらだ」

勇者様とヒーラーもどきの自動回復待ちである。


 一部を除き仲間NPCはHPが0になっても一定時間後に復活する。

勇者はともかくこっちの薬師にもその能力は備わっている。

「……そこまでする必要あります?はっきり言って大して役に立ってなかったですよね?」

「お前意外と酷い事言うのな……」

確かに大して役に立ってない……というかこいつら含めて四人で戦うより、ミイと俺ら三人のが楽だし早い。

でも……。

「無限リソースだからな。活用しなきゃ勿体ねえ」

「はあ……。無限……リソース?」


あの二人は無限スキルに永久ゾンビだ。

プレイヤークラスの強さ……とはお世辞にも言えないが、長期戦を見越しての戦いならそれなりに役に立つ。

死のうが無駄にスキルを乱発しようが、こちらに大してデメリットは無い。

プレイヤーが全滅さえしなければ永久的に戦えるのだから。


「ああ、そうだ。今のうちに言っとくぞ。ミイは次普通に戦え」

「あ、はい。タツさん、温存は終わりなんですか?」

「あー……。回復だけは俺らのタイミングで頼むわ。なるべく攻撃参加で」

……次は速いだけの誰かさんとは違う。

『アーマー解除』をかけた後に攻撃を受けたら落ちる可能性も出てくる。

素直に『挑発』で普段の戦法に徹するしかない……が。

火力足りるかなあ……。


 待つこと数分。

NPC二人のお昼寝タイムが終了し、俺たちは次のボスへと歩きだした。

「……マイちゃんたち大丈夫でしょうか」

歩きの途中でミイがポツンと呟く。

「そんなに姉が心配かよ。……大丈夫に決まってんだろ」

この言葉が出たという事は、タツはマイを信頼しているから……ではない。

……だってステータスで見れるからね。

離れている……といっても同じ『PT』だ。

同じPTメンツが死んでるかどうか位、その場にいなくても瞬時に確認出来る。

「だってタツさん……『アレ』ですよ?」

実の姉をアレ呼ばわり。

「ああ……『アレ』だもんな……」

まあ……『アレ』だししょうがないか……。


【へぇ……リンドウのヤツを倒したってのかい】

【やっぱりアタシの目に狂いは無かったみたいだね!!】

もう何度も見たセリフ。

【『破城のガーベラ』!!今度こそ叩き潰してやるよ!!】

さて……ここからだ。

【挑発】

「ミイ、俺と一緒に殴るぞ!!」

「はい!!」

【猛毒付与】

【まきびし】

【火遁の術】


 火遁でステータスを下げ、毒とまきびしでじわじわ弱らす。

タツは長期戦向けにキャラ育成をするようだ。

……なんやかんやでタツもこのPTが気に入ってるんだろうな。

『タツ』というキャラクターはこのPTに実に合っている。

搦め手を使える職業が少なく、持久戦寄りのメンバーになっているこのPTにとって、欠けているピースを埋め込むかのような選択である。

ただし……中の人間の『タツ』と合っているかと言われると……。


【グランドインパクト】

直線上に放たれた衝撃波。

俺に命中し、HPをそれなりに削る……が。

「ショ……」

「まだいらない!!」

ミイの確認を俺が遮る。

……なるべくギリギリまでミイの回復を使わない。

【お手製傷薬】

俺のHPがNPCの手によってほんのりと回復する。

この回復、使用回数は無限……ではあるが、一度使うと次の使用までに時間がかかる仕組みのようだ。

一分……いや、もっとか。

おそらく一分半から二分の間だろう。

……使用出来る物は何でも効率的に使う。

可能な限りこいつの回復メインでこいつを終わらせたい。


 ……さて、そろそろだろうか。

前回の下見より早いペース……なんて事はなく、既に倍近い時間がかかっている。

そりゃそうだよな。

温存作戦で戦ってるから、こればかりはどうしようもない。

【ギロチンスラッシャー】

「「きた!!」」

俺とタツが同時に叫ぶ。

前回散々苦しめられた技……。

勢いよく頭の上から降ろされた斧。

それをガードするが……大きなダメージは避けられない。

「まだいい!!」

【ドレインソード】

ミイに叫ぶとすぐさまコマンドからスキルを発動させる。

これだけではさすがに心許ないが……。

【お手製傷薬】

……これで安全圏まで戻ってきた。


「ショウ、お前……」

タツが不安そうに訪ねてくる。

「『ドレインソード』ここで使いきる!!」

俺の宣言にタツは少し戸惑ったように感じた……が。

「分かった。任す」

こう言ってくれた。

……任されたならやるべき事しないとな。


「ミイ、俺がヒールかハイヒールか言うから」

ここから先は失敗出来ない。

「それ言われた後に回復頼む」

回復を温存したい……が『ギロチンスラッシャー』を変なタイミングで撃たれると、あっさりと死亡する確率が高くなる。

……タンクの腕の見せ所かね。


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