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ウチのPT@0  作者: ららら
4章 不穏な影
80/84

3:5

「え?そっち三人なんですか!?」

マイの声は寝起きに効く。

……眠気覚ましだと思えばいいか。

「……そう言ってんだろ。俺、ショウ、ミイの三人だっての」

「正気なのか?四人でもかなりきつかっただろう」

正気ときたか。

サファイアにまで心配されてる。

……しょうがない。

一緒に行ったサラやサファイアはあのクエの難易度を良く知っているから。


「そもそも勇者たちがいるからこっちも五人だっての」

「そうなんですかぁ?……いや、でも……勇者あんまり頼りに……五人?」

「あん?」

マイが何かに気づいた様子で尋ねてくる。

「タツさん、後一人誰です?」

「出来損ないのヒーラーみたいのが……ああ、話してなかったか」

そういえばクエの詳細話してなかったっけ。

てか、出来損ないって酷い言い様だな。

……間違って無いけども。

「余計不安になったんですけどぉ……」

そりゃそうだ。


 そもそも人員振り分けはもうどうしようもない。

事前にタツと散々話し合って決めた事だ。

このクエの鬼門はあの氷魔法使い。

『魔法攻撃』な以上俺では耐えられないし、タツでも回避出来ない。

半端な小細工をするより、火力と回復でゴリ押し戦法の方が有効だ。

そうなると、攻撃に優れた三人をサファイアのバフで殴り、サラの回復で押しきる……しか手は無い。


「……まあ、分かりましたけどぉ」

説明したら渋々ながらも納得してくれた様子。

「あー……。そろそろいいか?」

「タツさんはせっかちですねぇ……。こっちになんかアドバイスとかないんですかぁ?」

「アドバイスねぇ……」

アドバイス……アドバイスか。

「がんばれ」

「うっわ!!タツさん投げやり!!ショウさーん、代わりにちゃんとしたのくださいよぉ」

「がんばれ」

「あーもう!!リーダーたちがそんなんでいいんですかぁ!?」

そう言われても……さっき話す事は話したし。

「仲間が心配だったりとかあ……」

「「してない」」

「うっわ……二人とも冷たっ!!」

「……さすがに酷いな」

マイとサファイアにボロクソに言われとる。

……だってなあ。

「そっちはお前らなら大丈夫だろ。……問題はこっちなんだよ」

……うん、そうだよな。

正直向こうをあんまり気にしてやれないのが現状だ。


「あら、タツさん意外……」

「あ?何がだよ」

「ああ、意外だな……」

「サファイアもかよ……」

「だって……『俺たちいなくて心配だ』とか

ぁ」

「『テメエらだけで大丈夫か?』とか言うのかと」

「……俺をなんだと思ってやがんだ」

まあ、うん……。タツなら言ってたかもなあ。

出会ったころなら。

出会って数週間程度ではあるが、タツも相手を信頼しているのだろう。……勿論俺も。

「……前言撤回してやろうか?」

恥ずかしくて言わないだろうけど。


 町であれこれ喋ってても仕方ないのでさっさと出発。

負けても大してリスク無いからね。

無理だったらさっさとレベル上げに戻るだけだ。

クエスト用意して……いざ出発。

……その数分後あるミスに気づく。


 俺もタツも事前準備を一つ怠っていた。

クエが始まる前にやっておくべきだった事。

思いも寄らないミス。

「あー!!」

完全に失念していた。

クエストのオープニングムービーが始まった直後……。

「そういえば……また私たちだけ知らないキャラじゃないですかぁ!!」

……うっさいの忘れてた。

『クエスト中にボイチャ分ければいいか』なんて思った自分が悪かった。

「ほら!!私たちが!!ついて!!いけないでしょ!!」

うっさい。

「……うっせえ」

「あ!!タツさんがうるさいって言った!!」

思ってても言うなや。

……更にうるさくなるから。


「……これで良し」

メニュー画面を開けるようになり、ボイチャをチーム毎に設定した。

つまり、今会話出来てるのは、俺、ミイ、タツの三人のみ。

あっち側の様子が分からないのは辛いが……集中出来ないとこちらがきつい。

「そうだ、ミイ。悪いんだけどよ……最初は離れて見ててくれ」

「離れて……ですか?それだと回復は……」

「いらねえ」

……その言い方だとミイがいらないみたいだろ。

「最初の相手はあんまり回復いらないのと……ヒーラーを温存したいのもあるかなあ」

とりあえずちゃんと説明しようか。


「温存……ですか?」

「ああ。……あっちは合流した時そんなに回復残って無いだろうし」

あっち側は回避や防御も無い……回復頼りでノーガードで殴り合うようなものだ。

勝敗に関係無くサラの消耗は激しいだろう。

「言っとくが出番無い訳じゃねーぞ。危なくなったら下がって回復受けに行くからな」

「あ、そうなんですか」

うん、さすがにヒーラーもどきだけじゃ試だろうしなあ。

ついでに言うと『挑発』を使わないって理由もある。


 軽く話しながら歩いていたら、うっすらと人影が見えてくる。

「ミイ、ここで待ってろ」

「はい。……お気をつけて」

タツがミイを残し、ミイがそれに答える。かっけえ。

……なんか漫画やアニメのやり取りみたいだ。

さて……気合い入れないと。

「あん時と殆ど同じだな、ショウ」

「ああ……そうだな」

あの時……レイドクエストの事は今でも思い出される。

いや、数週間しかたってないけど。


【やはり来たか】

覚悟を決めろ。

【前回の屈辱晴らさせて貰おう】

あの時の感覚を思い出せ。

【この『疾風のリンドウ』が!!】


「行くぜ、ショウ!!……負けんじゃねえぞ!!」

【猛毒付与】

【俊足】


「誰が!!」

【アーマー解除】


        クエスト『最終決戦』開始



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