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ウチのPT@0  作者: ららら
1章 ゲームスタート
8/84

レイドクエスト

「ジョシコーセイです!!JKですよ!!JK!!」

ヘッドホンから甲高い声が流れてくる 。サービス開始四日目、宣言通りマイクを購入してきたマイミイ姉妹と楽しい楽しい会話中。ぶっちゃけうるさい……。

「正直、俺ら最初オッサンだと思ってたし。なあ?」

「!?」

やめろ、こっちに振るな、巻き込むな。

「ええっ!!ショウさんもですか!?」

「ボクハソンナコトオモッテナイヨ」

「ちょっ、なんですかその棒読み!!」

マイの鋭いツッコミを受ける。そもそもこんな事になった原因はタツだ。『ホントに女だったんだ』とか『最近は女子中学生でもゲームやるんだな』とか言った結果が先程のJK発言である。

「だいたい私たちのどこでオッサンだと思ったんですか!?」

「私たち……というか」

「『たち』じゃないよな」

二人の心が今一つになる。

「「おまえのチャット見て」」

「はあああああ!?」

やっぱりマイはノリがいいなー。正直言うと、テンション高いしさっきまで俺も中学生だと思っていた。

「お前のチャットネカマの知り合いにそっくりだったし」

「それはその人が女に似せてるんでしょ!!」

ごもっともである。これはウチらがネットに毒されてるのだろうか。

「ミイちゃんも何か言ってあげて!!」

ずうっと傍観していたミイに振る。

「……何を?」

めんどくさそうな声。実際に話してみてもマイもミイもゲーム内で受けた印象と変わらない。

明るくノリがいい『マイ』と

大人しく口下手な『ミイ』。

「いやいや、かわいいお姉ちゃんがバカにされてるんだよ!?」

「か、かわいい……?」

「なんでミイちゃんもそっち側なの!?」

ああ、妹もノリよかったわ。人見知りなだけだったのだろうか。

「そんなに叫んでると喉やられるぞー」

「誰のせいですか!!」

「そもそもマイちゃんがJKなんて見栄張るから……」

「真実だよね!?ミイちゃんが言うと信じちゃうでしょ!?」

タツとミイが弄りの追撃を始める。なんかもうさすがにかわいそうになってきた。

「あ、募集でた」

タツがチャット欄の中から目当ての物を発見する。

「募集?」

マイが不思議そうに尋ねる。そういやこの二人には何も説明してなかったな。

別にマイ弄りが目的ではない。今まではクエスト募集を待つための時間潰しだ。

「まあ、JK年齢詐称疑惑は後にして行ってくる」

俺はこのクエストの募集主に会いに行くことにする。

クエスト名『戦火の予兆』


「『レイド』ってなんですか?」

「大人数でやるクエストの事だな『レイドボス』だったら大人数で強いボスを倒したり」

「んで、今回のは大人数対大人数のレイドクエストだ」

今は俺が代表でクエスト参加の趣旨を伝えている。基本的にレイドは高難易度になる。その為参加にレベルや職業の条件等がかなり厳しくなる事もしばしばあるので、参加者の事を詳しく伝える必要があるのだ。

「大人数って何人ですか?」

残った三人は質問タイム。ネトゲ自体に詳しくない二人なのでタツ先生とのお勉強中。

「今回のは十六人だな。」

マイは普通のRPG等はプレイするがオンラインが今回初との事。前々からMMORPGに興味があったが、一人で始めるのが心細くて妹を誘ったとか。それがゲーム自体を全くやらなかったミイが今プレイしている理由……らしい。

そんな三人の勉強会を聞きながら、クエスト参加のやり取りを終え皆の元へと戻るのだった。

「意外と早かったな。もしかして入れなかったか?」

「いや、全員OK」

「ん?かなりスムーズだったな」

タツの疑問ももっともだ。そもそも俺が一人で行った事には理由がある。この四人がPTであると説明しておく事。そして、あの二人への質問攻めを避ける事だ。

俺たちと別々の場所に配置されたり、ネトゲ用語全開で質問されたりしたら、恐らくあの娘たちは対処できない。

自分もタツも廃寄りの人間ではあると思う。ただし他の人にまで強要したくはない。出会ってまだ一日だが、あの二人とのプレイは楽しい。なるべくならのんびり楽しんで貰えたらとは思っているのだ。

こんな事を考え募集主に話しかけた時の返事が

【4人?りょw】

なんか気負ってたのがバカみたい。

二つ返事でOKを貰えた事を伝え四人で集合場所を目指した。


       クエスト『戦火の予兆』

友好関係を結んでおり長く平和だった『オトナリ帝国』。この国が急に軍を派遣し城下町を包囲した。そしてその国にたまたま滞在していたウチら冒険者に町の防衛の依頼をだすーーこれが今回のクエストの内容らしい。

このクエストの厄介な部分は町の『防衛』である。町の外側は強固な城壁で囲まれており、一ヶ所だけある門を突破されるとクエスト失敗となる。

基本的にはこういったクエストは部隊を攻撃と防衛に分け、役割分担を決める必要がある。

あるんだけど……。

【みんなよろwガンバろうねw】

これだけで終わってしまった。たまらずタツが質問してみる。

【何か指示とかありますか?】

【テキトーでいいよw】

この一文で作戦タイム終了してしまった。素晴らしいリーダーだ。

「え?これ大丈夫なんですか?」

マイからの至極当然な質問。もちろん返す言葉は決まっている。

「「ダメ」」

「ああ、やっぱり……」

最悪この四人だけでも防衛に回るしかない。

どうせあの主は守りなんか考えずに突っ込む。たぶん何人かは主に付いていくだろう。少しは自主的に残ってくれると助かるが、ウチら以外誰も残らない可能性も考慮しなくてはならない。

参加して人数揃った以上、一気に四人が『抜けます』とも言いづらいしな……。

重い気分のまま準備タイムを終えクエストに向かおうとしたその時、一つのメールが届いた。

「あ、ちょっと皆」

「どした?」

「さっきあの場にいた人からメール来た」

「『レイドについて話したい』だって」

正直これはありがたい。話しが通じる人が増えるのは大歓迎だ。

「誰からだ?」

「あの中で一番目立ってた人」

「あー」

「あの金髪の女の人ですか?」

タツやマイには分かって貰えたらしい。うん、一番凄かったからな。

「あの人募集主さん並みに凄かったですよねえ」

ん?何かヘンだな。あの人だけぶっちぎりだったはずだが……。

「いや、金髪と主じゃレベルが違いすぎるだろ」

うん、タツと同意見だ。

「え?ミイちゃんどう思う?」

「私も両方おかしいと思いますけど……」

なんか男性陣と女性陣でずれてる気がする。

いや、俺が曖昧な表現だったから悪いのか。

「二人とも変な名前でしたよ~」

あ、そっちか……。キャラのステータスに目が行ってた。

「名前の方かよ。あの二人と同名キャラ別ゲーで何度も見たぞ」

「ええ……」

マイが若干引いた。正直俺も何度か見たし今更感はある。

「とにかく行こうぜ。早くしないとレイド始まっちまう」

タツの言葉に全員が賛同しメールの指定場所へと向かう事にする。

『幼女ペ口ペロ』さんの元へ








クエスト『戦火の予兆』

受注者『ああああ』

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