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ウチのPT@0  作者: ららら
4章 不穏な影
77/84

【攻撃の陣】

【攻撃の陣】

「なっ!!」

「ちっ!!なるほどな……」

ボス戦開幕直後、ログに表示された全く同じスキル。

サファイアが間違えて二つ発動した……訳ではない。

片方はサファイアの物だが……もう片方は……。

【防御の陣】

【防御の陣】

「くっ……。また私と同じ……」

ボスの片割れ……リー・ダーの物。


【鎧砕き】

ダメージと守備力ダウンを同時に与えるスキル。

……使ったてきたのはロウ・ヘイ。

単発ならどうにかなるが……何度も重ねられるとまずい!!

攻撃が集中する以上デバフ攻撃の被害を最も受けてしまう。

敵の狙いが均等なら、二撃目を受ける前に一度目のデバフ効果が消えている確率が高い。

しかし、『挑発』を使っているタンクでは効果が消える前に二発目……重ねがけされてしまい半永久的に切れない。

……よりにもよって守備ダウンかよちくしょう!!


 ……ただ、敵の戦法は分かった。

単純にスペックが高いアタッカーと、それを補助によって強化するコンビ。

狙うべきなのは……。

「あっちの陣剣士もどき狙え!!」

タツの指示で皆そちらを一転集中する。

……まあ、そうだろう。

イベント見るに新米のようだ。

さすがにステータスも爺さんより低いだろう。

こういう時は弱い方から狙うのが鉄板だ。

……爺さんのが弱いとかないよな……?


【フレアボール】

【フレアボール】

【十字切り】

……さすがにボスだな。

アタッカー勢の最大火力でも中々倒せない。

「おっと!!」

緑色の風が飛んでくる。

【旋風牙】

離れた位置からの広範囲攻撃。

横凪ぎで振るわれた剣からカマイタチを飛ばし周囲の者を切り裂く……とかそんな感じの説明文だった気がする。

距離があったから少し油断していた。

油断してい……。


「あぅ……ごめんなさ……」

「マイ!!悪い!!」

「ふぇっ?」

場の確認をしたら……減っていたマイのHP。

理由なんて簡単。

『旋風牙』に巻き込んでしまったのだ。

「……今のって、私じゃなくてショウさんのミスなんですかぁ?」

何を言ってるんだこいつ。

「当たり前だろ」


 完全に俺のミス。

避けられなかったマイが悪い……なんて間違っても言えない。

所詮、近接職のスキル。

ドラゴンのブレスや広範囲魔法と違い、距離を考えて位置取りをすれば免れる程度の範囲攻撃。

しかも、プレイヤー側のスキルを使ってくる事を知っている。

初見の相手とはいえ、予想はつくはずだ。

それを怠り、後衛に被害を出してしまった。

どう考えてもタンクの責任だ。


「うーん……ショウさんがそう言うなら別にいいですけどぉ……」

……俺やタツでも詠唱中に避けろとは言わんわ。

まあ、そこまでのダメージではない。

既にミイとサラが全快にしてある。

後問題がありそうなのは……。

【鎧砕き】

これだ!!

まだ効果が切れていない状態での二発目。

……どうしようもないか。

せめて少しでもダメージを減らそうと盾を構える。

【マジックシールド】

ーーあ!!

突如現れた盾が『鎧砕き』を止める。

……『鎧砕き』はダメージと『同時に』守備力を下げるスキル。

攻撃そのものを代わりが防いでしまえばもちろん……。

「サラ、ナイス!!」

デバフ効果は食らわない。


『マジックシールド』の大きな利点の一つがこれだ。

単純に守備力増加ではなく、ダメージを肩代わりする事。

これで防いでしまえば、デバフや状態異常の類いはほば無効化出来る。

『当たって効かない』のではなく『当たってない』のだから。


「あ……でも……。次が出来るかどうか……」

「100%じゃなくていい!!」

「……え?」

そう、別に成功率100%でなくてもいい。

『重ねられなければ』いいのだから。

「成功率三割でいい!!三回に一回成功してくれれば耐えきれる!!」

デバフの効果が切れる前にもう一度受けるのが問題なのだ。

一度成功すれば次の攻撃までにデバフ効果は切れる……あ、今俺のも切れた。

例え次サラが失敗したとしても、デバフは一回から。

重ねがけカウントを打ち切れる。


 本音言うと……二回目でもきつい。

しかし、下手に失敗出来る数減らすとプレッシャーになるかもしれないし、失敗したら確実に負い目を感じてしまう。

サラの腕なら成功しそうだけども……念には念を入れよう。

「あ……分かりました!!」

……大丈夫だよな?俺、間違ってないよな?


 リーダー様の体力がかなり減ってきた。

多少しぶとかったが……この程度だろう。

これから行く『最終決戦』のボスより少し弱い位か。

フルメンバーならただの障害物程度の相手。

そろそろ……。

「サファイア!!使っちまえ!!」

「……ああ!!」

あら……。タツに言われた。

考える事やっぱ同じだな。

……どっちが言っても別にいいけどさ。

【猛攻の陣】

【猛攻の陣】

うげ……また被った。


 そりゃそうか……。ボスのHPが減ってからのスキル……。

陣剣士ならこれも同じでもおかしくない。

【鉄壁の陣】

【鉄壁の陣】

「な……こっちもか!?」

「良い方に考えろ!!これでプラマイゼロだ!!」

「あ……ああ、そうか……。そうだな!!」

……とは言ってみたものの……同スキルなら恐らくこちらが不利だ。

タツも気づいてるはず。

長引かせるとまずい……かもしれない。


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