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ウチのPT@0  作者: ららら
4章 不穏な影
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お店やさんごっこ

「ごめんなさい!!」

ああ、予想通り過ぎる……。

サラからの開幕ごめんなさいが炸裂。

この展開自体は予想していたが……こんなに早く起きてくると思わなかった。

……なんで俺より早いんだよ。

【俺も最初に謝られた】

タツからのチャット……まあ……そうだろうなあ。

こいつサラに変な事言ってないだろうな……。

……そもそもタツとこの事を話し合う為に早起きしたのに……サラが上を行った。

マジでどうしよう。


「んー全然大丈夫。俺らだってよくあるしな」

よし、さらっと流して次の話題に行こう。

「おう。それにしてもサラ早いな」

あ、タツのバカ!!

「え……えと……私だけ先に寝ちゃったから……さの分……」

サラは『一人だけ寝落ちしたから早いんだなwww』みたいに受け取ったぞ……。


「ち……ちが……」

おおう、タツが狼狽えてる。

「そ、そうだ!!お前が寝た後すぐ解散したしな!!だから大丈夫だ!!」

あーあ……。これもアウトじゃ……。

「え……わ、私のせいで……解散?」

さらに追い込んでるじゃねえか。

【ちょい黙り】

一文タツに送る。よし、これでいい。

【おk】

……さて、頑張るかあ。


「どのみちお前が起きてても解散間近だったし……」

なるべく地雷を踏まないよう言葉を選ぶ。

「え……え、と……」

「そういえば……風邪とか引いてないか?」

「え……?」

「いや、寝落ちなら……ちゃんと横になって無いだろ?」

無理矢理話題変えて切った方がいいだろうか。

「えと……大丈夫……です」

「ああ、うん。なら良かった」

「あ……はい……」

……互いにしばしの沈黙。

この後どうしよう。

……も、もういいかな?


「……あー……サラ?」

「は、はい!?」

え、驚かせたか?

「俺ら物売りに行くけど……付き合ってくれるか?」

「あ……はい!!」

「んじゃ、商業区まで行くかー」

気まずいごめんなさいタイムは無理矢理終わらして別の事しよう。

……どうしてこんな時にマイがいないんだろう。

この手の軽い感じのフォローは、マイの得意分野だろうに。

タツもこの件に関しては頼れないし。……はあ。


「やっぱだいぶ下がってるな……」

そうぼやくタツ。

現在の『ブルーグラディウス』の販売価格は23000G。

一日で二、三割下がっている。

……きっついなあ。

「……買い取り価格はどれくらいなんでしょう」

「一万切ってんじゃねえの」

「そ、そんなにですか?」

そこまでいくか?

俺の予想は一万から一万五千の間位だが……どちらにさせよ 大幅下落だ。


 ちなみに、こちらも大打撃……にはならない。

休憩の度にちょくちょく売っぱらっていたので、そこまで在庫を持ち合わせていた訳ではないからだ。

「で、どうするよ。自分らで売り子やるか?」

「……かなあ。どっちみち人集まるまでやる事無いし」

この三人でこんな時間に野良に混じったとしても……新クエストをクリア出来る人間が集まる確率は決して高くない。

失敗するくらいなら……皆でお店屋さんごっこの方が有意義だろう。


「あ、あの……どうしてこんなに価格が下がったんですか?」

「そりゃ、在庫過多だろ。夜中から朝にかけてあぶれたんじゃね?」

俺もタツと同じ考え。たぶん合ってるだろう。

「……み、皆に行き渡ったんですかね……?途中まではすぐ売り切れてたのに……」

「そうじゃなくて……単純に仕入れする量が上回っちまったんだろうな」

「……はあ」

そもそも深夜や早朝にプレイしている人間は自力で作れそうな連中だ。

それを気にせず廃層が、客がいた昼間並みのペースで納品した結果……剣だけやたら余る事態になってしまったのだろう。


「そんじゃあ、そっち頼むわ」

「あ……頑張ります!!」

昨日の深夜に思い付いた作戦を試してみる。

客からの注文を受け、やり取りする係と鍛治屋で待機し、注文の商品を即座に作る係の二手に別れるのだ。

回りくどい……と思われるかもしれないが、それなりに訳があるのだ。


 そもそも『ブルーグラディウス』が人気な理由の一つは『剣』だからだ。

剣はゲーム世界でポピュラーな武器だが、もちろんこの世界でも例外ではない。

最も多くの職業が装備可能な武器種となっている。

『ブルーグラディウス』並みの性能の武器なら他にも多数あるが……マイナーな武器種となれば大量に在庫を用意しても売れ残るかもしれない。

そんな理由で多数の人間が、無難に売れると予想し、剣に絞って売買をしていたのである。

……しかし、在庫がだぶつき値下がりしてしまった今案パイが無い。

値が下がった剣か、売れない可能性がある他武器種か……ローリスクローリターンかハイリスクハイリターンを選ばなければならなくなってきている。


……と思っていたが『注文聞いた後作ればいいんじゃね?』と寝る前に思ったので実戦。

そして現在に至る。

「サラ、水晶の弓二つ!!」

「あ……はい!!」

「わりぃ、こっちも入った!!三つで頼む!!」

「は、はい……」

予想以上に好調である。

……サラが可哀想だったかな。

ただ、サラに他人の応対させるのもあれだし……配置ミスじゃなくて人手不足かなあ。

「ごめんな、ペース遅くてもいいから」

別に俺たちは激安で売ってる訳ではない。

……それでも大手ではなく、ここに来ている理由は……他では欲しい物が無かったのだろう。

それならば、別に他の店に客を取られる心配も無い訳で……ゆっくりしても大丈夫だと思う。

「あ……持ってきました!!」

サラから水晶の弓三本を預かる。

「ほい、サンキュー」

「それじゃあ、戻りますね!!」

そう言うとサラは、一目散に鍛治屋へと戻っていく。

「しっかし、忙しいなこりゃ……」

「ほんとにな……」

まるで昼時のファーストフード店みたいだ。

……バイトした事無いけど。



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