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ウチのPT@0  作者: ららら
4章 不穏な影
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自己犠牲

なんでガチャで3話も使ったんだろう

『白いハチマキ』

……これが十分以上かけたガチャの戦利品。

装備するとスピードがアップ……なんて事は無く単なるファッションアイテムだ。

他の人間の戦績も同じような物である。

髪型とかタトゥーとかネックレスとか……キャラメイクのやり直し時に取得した物が追加され、さらに自分好みの見た目に出来るようになる。

正直あんま拘らんからどうでもいいけど。


「あ、あのコレって……凄い物なんですか?」

ミイ?『凄い物』ねえ……このガチャ自体に録な物が入って無いんだけどな。

【居合いの書】

「あっ……」

チャットを見て思わず声が漏れてしまった。

これ確か……。

「あれ?その反応は……レアアイテムですか?」

「あー……うん、まあ……」

景品一覧の確率見るにかなり出にくい上位級のアイテムである。

「これはどんな効果があるんだ?名前からして私たちのアイテムと違うんだが」

ああ、この名前ならミイやサファイアのテンションが上がるのも無理は無い。

名前……うん、名前の通りの効果だ。

「居合いが出来るようになる……モーションだけ」


「モーションだけ……?」

「そ、手振ったりお辞儀したりあるだろ?あれに居合いが追加される」

「それで攻撃とかは……?」

「無理。この景品の殆どは見た目だけの意味無しアイテムなんだって」

クリティカルが上がったりスキルを習得出来そうなアイテムだが……残念ながらネタアイテムだ。

「そう……ですか……」

いや、単発一回で当てるなんて凄い事だよ?

……だけど正直運の無駄使い感はある。


「よーし!!真打ち登場です!!ミイちゃんの敵討ちです!!」

……まだこいつが残ってたか。

「さーて、クエ行くぞー」

「あ!!タツさん、そんな事言っていいんですかぁ?」

なんか自信満々だな。

……レアっぽいの当てたからわざと最後まで報告しなかったんかね。

「ほーら、きっと星5のURアイテムですよぉ」

……このガチャレアリティ別れて無いけどな。

【自己犠牲の指輪】

……え?


 一瞬見間違いかと思い画面をよ良く見直す。

……あってる。……それなら自分の記憶違いの可能性もある。

そう思い公式サイトに行くが……やはりマイから送られたチャットと一字一句同じ。

「あ、あれ?タツさんショウさん?……さてはレア過ぎて声が出ないんですね?」

いや、マジでその通りだわ。

排出率0,052%を誇る今回の目玉アイテムの一つである。

……いや、待て。元々サイトを見て景品を知っていたマイのおふざけの可能性も……。

「……マイ、マジで激レアだぞ」

「うええっ!?マジですか?」

あ、こりゃ本当だな。


 このガチャの景品の殆どは見た目だけで、実際のステータス等には関わらないアイテムだ。

そう、『殆どは』

しかし、一部……というか最上位のレアアイテムだけは話しが別である。

これがそのアイテムの一つ。

『自己犠牲の指輪』

つけるとスキルが使用可能になる。

……これだけなら良かったのだが……これの『つける』とは装備コマンドでは無く、キャラメイク時の事で……装備欄を圧迫する事無く『つける』事が可能なのだ。



「……それで、これどんな効果があるんですかぁ?」

「ほんの少しの間敵を引き付ける」

「んー?ショウさんの『挑発』みたいな?」「まあ……あれと似てるな」

確かに挑発と似てる……似てはいるんだが。

「正式な効果は『五秒間だけヘイトを上昇させ被ダメが50%増える』だ」

……残念ながら挑発とは比べ物にならないんだ。

「使えないじゃないですか!!五秒って!!被ダメ……被ダメ?」

「あん?」

「被ダメって……私の?」

「そう」

「……敵を集めてダメージ1,5倍?」

「そう」

「……これ激レア?」

「そう」

残念ながらこれが現実なんだ。


 最初に事前情報が出た時には『課金者専用スキルw』みたいに叩かれ炎上寸前までいったが……スキルの詳細が出てからは勢いは鎮火した。

「……これ『自己犠牲』じゃなくて『自殺志願』じゃあ……」

うん、ネットで『自殺志願者の指輪wwww』とか書かれてるの見た。

「ちなみに他のレアって……?」

「……お前のとあんま変わらんぞ。『2秒間5%攻撃力アップ』とかそんなんだ」

「うっわぁ……。一気に萎えましたよ……」


「しかし……なあ、タツ?レアはレアなのだろう?」

「……そうだな。運は確かに良かったな……姉妹とも」

マイので塗りつぶされたが、ミイも強運だ。

……こいつらの家は座敷わらしでも住んでるのではないだろうか。

「うーん……。無料だから良いんですけどねぇ。でもこれって……」

「しょーもないとこで運使ったな」

「あー!!タツさんすぐそういう事言う!!」

運のストックが出来るのなら、俺だったらこんな事で使いたくない。

「……これ、真面目にどんな時に使えば良いんですかぁ?」

……それは正直決まっている。

散々馬鹿にしたけれど使い道は思い付く。

……思い付いてしまう。

「自分が役に立たなくなって誰かの代わりに死ぬ時」

……タツはズバッと言ったなあ。


「……やっぱりそうですよねぇ」

……あのドラゴン戦のような、本当にギリギリの時にこれがあったらもう少し楽だったかもしれない。

使えるかどうかはともかく、持ってるだけならなんのデメリットも無いのだ。

このアイテムは決して邪魔にはならない。

「……よし、決めました!!」

「あん?」

「タツさんにあげます!!はい!!」

「は?」

……意外だ。

「ほらほら!!トレード画面開きますから!!」

「……いらねーんだけど」

「遠慮なんてしなくていいんですよぉ」

……遠慮じゃなくてマジでいらないんだろうな。


「かわいい女の子からのプレゼントですよ?受け取れないんですかぁ?」

自分でかわいいとか言いやがった。

「かわいくないから受け取れない」

ひでえな……。

「あー!!泣きますよ!!ホントに!!」

「かわいかったら受け取ってた」

「ちょっ!!また!!……ミイちゃん、おねーちゃんかわいいよね!?」

「うーん……。まあ……頑張ればそう見えない事も……無い……かな?」

「あーっ!!ミイちゃんまで私をいじめて……」

大抵味方になってくれないのになぜミイを頼るのか。


「正直ポーション一個の方がまだ……」

「まーたそんな事言って!!いいから早く!!」

「……へいへい」

タツは渋々トレードを開始したようだ。

……別にタツにはデメリット無いんだけども。

「わー嬉しいなー」

「絶対嘘でしょ!!その棒読み!!」

「……では私も」

そう言うとミイもタツに近づいていく。

……これは。

「トレード……?ってさっきの居合いのやつか?」

「はい。……マイちゃんのついでに貰ってください」

「……ミイどうした……?あんな呪いの指輪みたいなのと違って害無いだろ」

「あ!!呪いとか思ってたんですか!?」

……マイは黙ってほしい。

「……それは」

ミイラは少し黙った後答えた。

「忍者が一番居合い似合いそうだから?」

……あー……うん。


「そう……か?忍者って居合いするか?」

する……ようなしないような……。

「タツさんだけ和風でしたから……」

そうか……。忍者が居合いをするか分からんけど、他全員西洋風の職業だもんね……。

「まあ……くれるなら貰うけどよ……」

「……!!はい、どうぞ!!」

二人はトレードを開始した……のかな。

外からじゃウインドウ開いてトレード……なんて見えない。

「まあ……うん……サンキュー」

「……どういたしまして」

……なんか、こう……あの二人。

「あー!!私の時と全然違う!!差別ですよぉ!!」

「うっせえ!!」

本当にこの姉は……。





 ……マイがあの指輪をタツに渡したのは正解かもしれない。

マイが……いや、他の誰が持っていても『使え』なんて指示タツは出せない。

『一人死んでくれ』なんて、あの身内に甘いタツが言えるわけない。

そうなると使えるのは……。

……まあ、マイがそこまで考えていたかは分からないけど。


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