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ウチのPT@0  作者: ららら
3章 ギルド結成
53/84

全滅……そして

 完膚なきまでの敗北。

『惜しい』『後ちょっと』なんて口が裂けても言えない。

ショウさんがやられた後、私たちは一瞬で崩壊した。

……思えばこのメンバーでの全滅は初めてかもしれない。

ショウさんやタツさんと出会う前ーー姉と二人

でいろんな人のPTに入っていた時以来かな。


 ……全滅して町に帰って来た後、二人とも何も話さない。

ううん、クエストの後半から何も声をかけてくれていない。

いつもの的確な指示も無ければ、奮い立たせてくれる鼓舞も無かった。

二人が何も喋らない時点で私は悟ってしまった。ああ、敗色濃厚なのだと。


「ごめん、待たせた」

この声……ショウさん?

動かなかったけどどこか行ってたのかな。

「二人とも全然動かないから心配しましたよ!!」

「あ、悪かったな。ちょっとタツと話してた」

タツさんと二人だけで話し……?

なんだろう……解散とか言わないよね?

どうも嫌な方にばかり考えがいってしまう。

このメンバーとプレイするの好きなんだけどな。

「とりあえず解散」

ーー!!心臓に何か突き刺さった気がした。


「でだ、一時間位したら集合な。メシでも食っといて」

……うん、そうだよね。

『一旦』解散だよね。

そんな人じゃない……分かっているけど 、それでも心臓に悪い。

「……私はまだログインしたばかりなんだが」

そうか、朝からやってる私なんかはともかく、サファイアさんたちはこれが今日最初のクエストなんだ。

「しゃーねえだろ、調べ物があんだし。次の一発目が大変になんだし力蓄えとけ」

いつの間にかタツさんが帰って来ていた。

もしかしたらやる気が無くなっているかも……と思ったけれど、大丈夫みたい。

「んん?次何やるんです?」

「あ?んなもん決まってんだろ」

いつも通り……少し前に全滅した事なんて忘れたかのようなトーンで話す。

「今のにリベンジだよ」


「……てっきり今の諦めてたのかと」

「あん?なんでだよ」

「だって最後の方ほとんど喋んなかったじゃ無いですかぁ……もうこのクエスト諦めたのかなあって……」

「ああ、劣勢なのに二人が何も言わないの初めてだったからな。」

そう思ってたの私だけじゃなかったんだ……。

……それはそうだ。頼りすぎかもしれないけど、このPTの主柱はこの二人。

これだけは他の六人の共通の考えだと思う。

「……わりぃな。データ取ってたからそっちに集中してたんだよ」

「データ?一体なんのデータだ?」

「ん……。敵の与ダメ被ダメパターンスキル耐性諸々」

「よ、よだめひだめ?」

サファイアさんは分からなかったみたい。

……良かった、仲間がいた。

「あー……うん。とにかくもっと確認するから一旦解散すんだよ」

「……お前たちの昼は?」

「「食いながらやる」」


 ……結局あっさり解散した。

今は二人で作戦会議中?

会話に参加出来ていないから分からない。

「ミイちゃーん、ご飯何作るー?」

ご飯か……。あの二人はその時間を削っているんだよね……。

「お素麺でも茹でよっか?それともガッツリお肉食べる?」

「……菓子パン何個かあったよね?」

「え……?うーんと……あった!!こんなのでいいの?」

私が役に立つか分からないけど……それでも。

「うん、それ持ってきて!!」

私はそう伝えるとゲームに戻りチャットを開く。

【私で良ければお手伝いします】


 ……まったくあの娘は。

食事ほったらかしでゲームに夢中になるとか、完全にゲーマーじゃない。

……いや、私も人の事言えないけど。

「しょうがないなあ……」

ふう……と一つため息をつくと二人分のパンを持って部屋へと歩きだす。

かわいい妹に付き合うとしますか。


 ……休憩入ってそろそろ四十分か。

あの後ミイとマイが手伝いを申し出てくれた。

正直非常に助かった。……調子に乗りそうだからマイには言いたく無いけども。

……あれ、みんな肉入りか?てっきり放置して帰って着ていないと思ってたが。

……うん、早い分には好都合だ。

丁度検証も終わったし、作戦会議にするか。


「作戦会議でーす!!いぇーい!!」

なんだこのノリ。

「わー……うざーい」

「ひっどいですねぇタツさん……。せっっかく!!人が盛り上げようとしてるのに」

いらんわ。

「いらんわ……。アホはほっといて作戦伝えるぞ」

現状ボスに合流されたらまるで勝ち目が無い。

曲がりなりにもドラゴンを打ち破ってきたウチらが歯が立たないのだ。

合流してのボス同時撃破は運営も想定していないだろう。

こうなったら方法は一つ。

「PTを攻撃組と防御組に分けるぞ!!攻撃組が速攻でボス一人叩き潰す!!」


「んでだ、最初に狙うボスだが……」

「待て、それくらい私にも分かるぞ。……ムスカリだな」

当た……ムスカリ?

……って誰だっけ。

「ムスカリ……」

「……いや、なんだその反応。はずれならそう言ってくれて構わないが」

「……誰だそれ」

やっぱりボスの名前なんて覚えて無いよなあ。

タンクとか斧とか呼んでたし。

「お前たちが戦ってた相手だろう!?さっきまでクエストに行っていたのでは無いのか!?」

そう言われても覚えて無いもん。

てか、サファイアは一回行っただけでよく覚えたな。

「え……と。ああ、ムスカリってタンクのやつか」

ログ確認したなこいつ。

「違う」

「む?」

「えっ?」

「違うんスか?」

……意外だったのは知ってるメンツ抜かしてほぼ全員か?

「てっきりアレを最初に倒すと思っていたが……違ったか」

それは間違いじゃない。

てか、最初はそうしようとしていた。

「考え方は合ってるぞ。……だけど理由があって後回しだ」

「理由?」

「防御組が耐えきれないんだよ」


 セオリー通りにするならタンクを潰すのが定石だろう。

……しかし、残されるのは高威力の斧部隊と魔法部隊だ。

この二組相手では長時間町をを守りきれない。

かといって、耐久が高いタンクを早く落としてすぐ戻る事も不可能。

実質消去法に近い選択。

「……分かったか?」

「理解したが……組分けはどうするんだ?」

「あ、言ってなかったか。防御組はショウとサラ」

……なぜか沈黙が流れる。

「……続きは?」

「あん?終わりだが?」

「ちょっと待て!!二人だけなのか!?」

「いや、そう言ってるだろ。ショウとサラだけだっての」

「ほ、ホントに私とショウさんだけ……?」

「ああ。悪いがショウの面倒見てやってくれ」

「うっせ、余計なお世話だ」

「え、で、でも……」

もしかして嫌がられてる?

だとしたらちょっとショックだ。

「わ、私なんかと二人じゃ……。迷惑かなって……」

いや、そんな訳無いだろ……。

「……言っとくけどこれの立案者ショウだからな?サラと二人なら大丈夫だって言って」

「……え?」

さすがにボスが出張って来たらどうしようも無いが……ザコの火力ならヒーラーがいれば充分に耐えられる。

だから防御寄りの育成をしているサラを選んだ。

朝の野良を見て信頼出来るヒーラーだと思った。

だから……。

「頼むわ、『相棒』」

「相棒……はい!!」


「ショウさんカッコいいー!!」

やっぱマイがいる前でするんじゃなかったな……。







コロコロ視点変わるの見づらい……?

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