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ウチのPT@0  作者: ららら
3章 ギルド結成
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装備品

「皆さんに質問です」

全員集まった事で数時間周回した野良PTは解散。

とにかく手遅れになる前に、全員に確認したい事があった。

「……『竜の角』売ってないよな?」

「竜の角……?そんなアイテム持ってたか?」

全員持ってるはずだが……まあ、サファイアが気に止めていないだけだろう。

「この前のドラゴンからのドロップ品……100%落とすから売ったりしなけりゃ残ってるはず」

「ふむ……少し確認してみる」

……基本的にドラゴン後は殆ど一緒に行動していたから売ったりはしてないと思うが……誰かさんのせいで不安になったので念のために。

「あー……」

え、この声は……ロロ?

正直一番安全だと思っていたのに……。

「え?もしかして売っちゃった?」

「いや、売っては無いんスけど……」

けど……?

「さっき防具にしちゃって……」

防具に……?それなら……。

「それならいいや」

あっぶね、売ったかと思った……。

……ロロならそれは無いか。ロロはきちんとネットで調べるタイプだ。

このアイテムの価値を分かった上で装備にした。

それなら俺がとやかく言う事では無い。


「え?いいんですかぁ?」

「……別にいいけど」

「私の時はあんなに止めたじゃないですかぁ。差別ですよ、差別!!」

……別に装備なら止めなかっ……いや、こいつの場合は止めたかもしれない。

「装備にするならいいんだよ。売るのがアウトなの」

「んー?なんで……?」

「こいつドラゴンのドロップ品だろ?」

「ですねぇ」

「ドラゴンはギルド作成クエにしか出ないだろ?」

「あー……今のところそうなんでしたっけ?」

「ギルド加入者はこのクエ受けられない……つまり、ドラゴンは一キャラ一回しか倒せないんだよ」

「……なるほど?」

……分かって貰えた……よな?

このシステムに関しては運営の嫌がらせ……なんて言われてるが仕方の無い事だと思う。

既にギルドを作成している廃人層に、数人助っ人を頼めば比較的楽にギルドを作れてしまう。

高難易度のクエでギルドが増えすぎるのを制限している意味が無くなってしまう。

この『竜の角』高騰は嫌がらせでは無く運営が意図しなかった……と言うか見通しが甘かった結果だろう。

普通に考えたら一キャラ一個のレアアイテムとかそりゃあ人気でるわ。


「そういえば、ロロは何作ったんだ?」

「マントっスね。これが長く使えて無難そうかなって」

「なるほどなあ。確かに俺も候補に入れてたけど……」

マントは良い選択だと思う。俺もアレが無ければ第一候補だったかもしれない。

「ショウさんは……やっぱナイトだから盾っスかね?」

「かなあ……今んとこ」

何かしら装備について新情報が出てくるのを待っていたので保留にしていたが……さすがにこれ以上の情報は出てこないか。

「なあ、ショウ……あの口振りだと装備作成に幾つかの候補があるのか?」

あー……説明そこからか。作りに行く前に軽く説明しておいた方がいいかな。


『竜の角』は複数の装備に派生する。

これは運営が気を利かせたのだと思う。

例えば剣しか作れなかったら、扱えない職業に取っては、強敵を倒したのに売り払うだけのアイテムになってしまう。

かといって服のような全員装備出来るアイテムにしかならないと、上位陣は全員同じ服……となってしまい個性もへったくれも無い。

今の形が各々が個性を出しつつ、全員喜ぶ調整となっている……一キャラ一個にしたのは意図して無いかもしれんけどな。


竜の盾ーー物理だけでは無く、魔法防御もかなり高い。そして、ガード時にダメージを更に軽減する特集効果を持っている。

悩んだけれど俺の第一候補だ。


竜のマントーー守備力、速さ、そして炎耐性とかなり高水準の装飾品。目新しさは無いが、安定して長く使える装備になると思う。


竜の杖ーー高い魔力補正と炎系統の攻撃上昇を持つ攻撃特化の武器。……マイの為にあるような武器なんだから売ろうとするなよな……。


竜の腕輪ーー最大HPがかなり上昇する。そして、回復スキルの最大化使用回数が上昇するという一風変わった装備。これもヒーラーなら是非とも欲しい装備になっている。


竜の具足ーー速さ上昇と、『スタン』『麻痺』に耐性を持つ事が出来る。……これはどうなんだろう。人と使いどころが限られそうではある。


竜の指輪ーー力と魔力が上昇する。……これだけではあるがシンプルな故に分かりやすい強化になる。……ロロはこっちだと思ったんだけどなあ。


竜の首飾りーー魔法防御と、『毒』『睡眠』耐性……これも微妙かなあ。悪くは無いんだけど……具足とどっこいな気がする。


 今のところ作れる装備は七種類。

ポピュラーな剣とか鎧が無いのが少し怪しいが……後々のアプデで追加されるのでは?と言うのがネット民の見解である。


「色々あるんですねぇ……」

分かって貰えたかなあ。ネットに上がった情報を可能な限り集めて説明した。

「私は杖だとして……ミイちゃんは腕輪?」

「そう……かなあ」

まあ、それが鉄板だと思う。

「……私も腕輪が良いですか?」

なんか聞き方おかしい気がするけども。

「んー……サラがそれで良いなら」

あくまでも自分で決めて欲しいと思っている。

……回りから見たらどう考えても俺が決めたように見えてるだろうな。


 ……さてと、マイ、ミイ、サラはほぼ確定に近い装備があった。

タツもロロも自分で決められる。

そうなると後は……。

「……私はどうしたらいい?」

サファイアに……。

【すみません私も】

カスミか……。

「んーと……」

二人とも盾も杖も装備出来ないのでまず却下。

ヒーラー御用達の腕輪もたぶんいらない。

後四つ……四つか。……どれだろ。

「……二人は何か決めてるの無いか?」

この四つの中なら何を選んでも大丈夫……なはず。

それなら本人の意志を尊重して後押しするのがいいと思う。

……決して選べないからではない。

「ん?えーとだな……」

少し考えた後に、サファイアとサラはほぼ同時に答えを出す。

「指輪か?」

【竜の指輪です】

あー……。


 指輪は確かに強いんだけどなあ……。

「魔力いらんだろお前ら。いや、別に力だけでも十分良い装備だけどよ」

だよなあ。力と魔力両方上がる装備はこの先当分出てこないかもしれない。

しかし力だけ目当てで作っても、片方のステだけならアプデですぐに上位互換が出てもなんらおかしくないのだ。

「これ使うんだったら俺やロロみたいな職業の……」

「ああ、だから使えなかったらお前に渡すぞ」

「……渡す?」

渡す……?あ……ああ、そうか。

一瞬分からなかった。

「交換か?悪いが俺もこれ選ぶから交換出来な……」

「交換?何を言っているんだ?」

ある意味当然で……だけども俺やタツには出来なかった発送……。

「普通に渡すに決まっているだろ?」


「わ……たす?……レアアイテムなんだから大事にしろや」

「いや、やるとは言って無いぞ?何かあったら返して貰うからな」

……ああ、そうか。

「いや、それは……」

「……どうも歯切れが悪いな。ゲームではこういう事があまり無いのか?」

「普通にありますよねぇ。PT内で装備回したりなんて良くある事じゃないですかぁ」

俺やタツは一人一個で考えていた。

……しかし、こいつらはPTで八個の考え方なんだ。


 確かにPT内で装備を回す事は良くある事だ。

……それがネトゲのPC相手で無かったら。

PTそのものを動かして管理する一人用のRPGならそれで良い。

裸にしようが一人だけ最強装備にしようが文句一つ言わないNPCなのだから。

しかし、『ここ』ではそうはいかない。

渡した瞬間持ち逃げされる危険が常に含まれている。

詐欺罪……なんて存在しない。運営に訴えてもこの程度で個別に動くなんて稀だ。

それ故に自分で予防し、相手を簡単に信用しない。

それが『ネトゲ』である。


 だからこそ俺もタツもこの発想だけは思い浮かばなかった。

PTの皆を信用していない訳じゃない。

間違っても盗みまがいの事を働くタイプでは無いだろう。

……それでもこの考えには至らなかった。

『今まで』の経験が逆に足を引っ張ってしまう。

「……どうした、私がおかしかったか?……まさかこれは複数装備出来ないタイプなのか?」

「フフフッ」

タツから笑いが溢れる。

……恐らく俺と同じ考えだったのだろうな。

自分たちの頭の固さにか、それともサファイアたちの柔軟な発想にか。

どちらへの物かは分からない。

それでも、自然と笑いが出てくる。

「フフッ。いや、悪い。お前の言う通りだわ」

「む?そうか。それなら今から作りに行くか?」


 ……この『世界』に長くいるならいつかこの考えは間違いだと気づくだろう。

……しかし、それは『今』説明すべき事では無いと思う。

顔も知らない隣人を信頼し、純粋にこの世界を楽しんでいる最中に水を差したくはない。

持ち逃げされるなんて一切考えていないこの娘たちの為に……とりあえずは鍛冶屋に行ってくるか。


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