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ウチのPT@0  作者: ららら
3章 ギルド結成
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かれとかのじょと

「あ、おはようございます」

「はよーっす」

「おはよ。……サラか、やたらと早いな」

十五時間耐久レースから一夜明け……。

いや、『一夜明ける』で表現は合ってるのだろうか。

解散してから四時間も経ってない。

「お二人共早いですね」

……まあ、俺もタツもログアウトしてないしな。

ギルド内で放置して、今目が覚めたばかりだ。

「俺とタツはだいたいこんなもんだよ。そういうサラこそ今日は早いよな」

「あ……。えーっと…」

サラが言い淀む。何か知られたく無い事でもあったのだろうか。

「写真撮りたくて……」

「写真……?」

「……この部屋の」

この部屋の写真……?ああ。

「スクショ撮りたいのか」

「あ、それです。スクリーンショット撮りたくて」

スクショ撮影か……。あのブログに感化されたのだろうか。

「ああ、人がいない時間狙ったのか。悪いな、すぐ出てくからさ」

「え……。あ!!ち、違います、そんなつもりじゃ」

「いいって、別に俺らここに用事ある訳でも無いから」

確かに、この部屋は女キャラなら絵になる。

……だが、鎧着た騎士と黒い忍者はミスマッチもいいとこだ。

こんな人間がスクショに写っていたら、雰囲気ぶち壊しである。

遠慮しているサラを振り切って、建物の外へと足を進めた。


「さーて、これからどうすっかね 」

さすがに部屋の改装は皆満足しただろう。

昨日は、家具の素材を嫌々集めていた……訳では無い。

『もったいない』と思わなかったと言えば嘘にはなるが、経験値とギルドポイントが稼げた為概ね満足である。

この、『ギルドポイント』が無理にでもドラゴンを倒したかった理由の一つである。


『ギルドポイント』とは、簡単に説明するとギルドそのものが得る事の出来る経験値のようなものである。

ギルドメンバーがクエストを達成すると、ギルドにポイントが貯まっていき、そのポイントを消費してギルド加入者全員に効果が出るスキルを購入していくシステム。

なので、早いうちにギルドを製作しておかないと損なのである。

ギルド未加入だと、経験値が取得出来ないまま敵を無駄に倒しているのと動議に近い。


「そういや、ギルドスキル取ってないのか?」

「昨日のでギルドスキル幾つか取れるけど……。まあ、全員来てから要相談だな」

「……ああ、わりぃ。そうだな」

これに限らずギルド内の重要事項はギルマスのみ権限を持たされている。

……のだが、この手の事をトップだけでホイホイ勝手に決めていたら、ギルドの空中分解の元となってしまう。

……いや、ウチのメンツは全員『好きに決めていいですよ』とか言いそうだけど。

まあ、こういうのはどんな小さな事でもリスクを少なくする事が大事だと思っている。


『決めておいた』だと少なからず不信感や嫌悪感を抱く人は出てくるはずだ。

だが、『一緒に決めよう』だと嫌な気持ちを抱く人間は前者より少ない……と思っている。

のけものにするよりは、同じ一員として運営していく意識を持ってもらった方が気分が良いだろう。


「……あ、あのすみません、良いですか?」

「ん?スクショ撮り終わったのか?」

「あ、はい。それは終わったんですけど……。その事で一つ質問が」

「ほいほい。何?」

「……撮ったスクリーンショットって……、どこにあるんですか?」

……どこだっけな。スクショ撮った事無いから分からん。

「とりあえず、このゲームの内部開いて……」

「な、内部……?」

……あんまPC弄らなそうだもんなー。

【ネト・ゲーアイコン右クリック→フォルダ開く→screenshot】

タツからの助け船。……良く知ってたな。

「えーと……。あ、ありました!!ありがとうございます!!」

今調べたんかね。マメだなーこいつも。


「んー。サラはこれからどうする?二度寝するか?」

今は朝六時。恐らく皆が起きて来るまで時間があるし、ギルドの撮影という目的が達成された今、こんな時間に起きている理由が無い。

「え……、あ、どうしよう……。お二人はこれからどうされるんですか?」

「んー。皆が来るまで野良PTにでも入るかね」

「あ……」

なんだろう、何か言おうとしたが黙ってしまった。

「……眠くなければ、一緒に来ないか?」

「……え?……邪魔にならないですか?」

なぜ邪魔になると思うのか。

「なる訳ねーだろ。普通に助かるわ」

多少口は悪いけどタツの言う通りだ。


「……前から思ってたけど」

ここでこの娘に言っておいた方がいいかな。

他に人いないからあんまり恥ずかしくないし。

「サラは自己評価低すぎると思うぞ?お世辞じゃなくて本当に頼りにしてるからな?」

他の皆がどう思ってるか知らない。

少なくともこれは俺の本心だ。

「え……う……。そう……なんですか?」

「俺が一番お前の回復受けてるからな。タイミングが良いの一番分かってる」

タンクとヒーラーだからこそ分かる関係。

「……」

沈黙が流れる。ヤバい、こんなこっぱずかしいセリフ言うんじゃ無かった。

マイあたりは絶対からかってくるな。

本当にいなくて良かった。

……そもそも最初の誘い方が悪かったな。


「あー……と、サラさん?」

「……え?あ、はい?」

「僕たち二人はヒーラーがいなくて困っています」

「……」

「なので腕の良いヒーラーのサラさんに一緒に来て欲しいです」

「あ……」

「……OK?」

「……はい!!」

……ブラックな歴史に入りそうな恥ずかしい時間と引き換えにサラが仲間になった。



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