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ウチのPT@0  作者: ららら
3章 ギルド結成
43/84

くまたん

『レッドベアー』

普通の熊よりも一回り以上体が大きく、武器を弾く強靭な毛皮と防具を引き裂く鋭い爪を持つ。

名前の由来は、その全身が返り血で真っ赤に染まる事から付けられたそうだ。

小さな村はこの一頭だけで壊滅するレベルだとか。

これがゲーム内に出てくるこの魔物の設定。

……まあ、ドラゴンに比べたら雑魚同然なのだが。


「中々ドロップしませんねぇ…… 」

現在熊さん狩り6匹目。

『くまのぬいぐるみ』に必要な素材を求めレッドベアー討伐に来ているのだ。

「さーて、もう一回行きましょー!!」

マイは相変わらず元気だなー。

いや、今回はマイだけじゃないか。

たぶん女性陣全員が張り切っている。

……そんなにぬいぐるみが欲しかったのだろうか。


【挑発】

……一応使ってはいるが、レベル差がありすぎて必要性に疑問を感じる。

【攻撃の陣】

サファイアは防御系のバフをかけなくなったし。

【戦神の憑依】

ミイに至っては回復を完全に放棄して即殴りに行ってる。

……まあ、サラ一人でも余裕だからいいんだけどさ。


【ラスト・ブレイカー】

カスミの強力な一閃によりレッドベアーは絶命した。

「あー!!カスミちゃん、それはズルいですよー!!」

残念ながら長期戦にならないのであの時程火力は出せない。

出せないが、それでもこのPTの中では最大火力なのだ。

因みになぜマイがこんな事を言っているのかというと、誰が止めを刺すかで盛り上がりだしたからだ。


 ……別に止めを刺した人間に経験値が入ったり、レアドロップが貰える訳でもない。ただのお遊び。

実際問題、余裕過ぎるので何かしらスパイスのようなものがあった方が良いだろう。

「カスミちゃーん、次はそれ禁止ですよー」

こいつまだ言ってるのか。

【ごめんなさい】

カスミも律儀だな。てか、謝る必要無いだろうに。

「アホの言うこと無視して使っていいからな」

「あー!!アホだって!!タツさんひどーい!!」

「酷いのはテメェだろ!!さっさと倒して回転数あげろや!!」

「ぶー……。ミイちゃーん、なんとか言ってあげて!!」

「……アホは置いて七人で行きましょうか」

「うわ!!妹にまでアホって言われた!!」

だってどう見てもアホだし。


【フロストインパクト】

今度は、巨大な氷塊が熊にぶつかりHPを削り取った。

「あー!!見ました!?今度は私が止めですよ!!」

「わーおめでとうー」

素晴らしいタツの棒読みっぷり。

「あー!!なんですかそれ!?」

結局どっちにしろうっさいなこいつ。

「僕は心から祝福してますおめでとうございます」

「ぜえったい、心こもって無いでしょ!?」

「……そもそも普通に考えたらお前が止めなの当然だろ」

「えっ!?」

「カスミに制限かけたらお前が高確率で勝つに決まってんじゃねぇか」

そりゃあマイとカスミがウチのPTのツートップだしなあ。

カスミが本気を出せなければ、火力トップの座に躍り出たマイがラストを高確率で持っていける。

「……なあ、マイ?」

「な、なんですか?サファイアさん?」

「この流れにしたのも確かお前だったよな?」

『誰が倒すか競争しましょー!!』とか言ってたよな。

めんどいからスルーしてたけど、勝ち確な勝負持ちかけてんなーって思ってました。


「マイちゃんセコい……」

「うっ……。い、いいじゃないですか!!たまには!!」

まあ、俺は心底どうでもいいんだけどな。

タンクの時点で参加資格無いようなものだし。

だから口出さない。外から見てる方が楽しいしな。

「さ、さ、次行きましょうよぉ」

とりあえず、また熊狩りに行こうとした時一つのチャットが流れた。

【深紅の爪出ました】


「おお!!これでくまさんが一つ作れますよぉ 」

どうやらカスミがドロップしていたようだ。

「カスミちゃんも早く言ってくれれば良いのに。人が悪いですよぉ」

お前がグチグチ言ってたからだろ。

……とツッコミたかったが我慢する。

さっさと作って終わらせてしまいたい。

「……いいからはよ作ってこいや」

「はーい」

素材の受け渡しを終えたマイは、すっ飛んでギルドハウスに向かって行った。


 俺たちが少し遅れてギルドハウスに入ると、ファンシーな白いくまのぬいぐるみが目の前に飛び込んできた。

「これこれ!!どうです?カワイイでしょー」

……クラフト系が出来るどのゲームでも完成品を見て思うが、本当に素材は全て必要だったのだろうか。

『武器を弾く強靭な毛皮』と『防具を引き裂く鋭い爪』はぬいぐるみのどこに必要なのだろう。


【ぬいぐるみ必要素材】

・布

・綿


これでいいんじゃないかな。


「カワイイ……」

「でしょー、やっぱりサラちゃんは見る目ありますねぇ」

……まあ女性陣に好評ならいいか。

ドラゴンが終わった今大したクエは残って……いや、一つあったな。

それは明日かなあ……。たぶんマイたちは別の物作ろうとか言い出すだろうし。

別にレベル上げになるから、丁度いいんだけどさ……。


「さ、またくまさん行きますよ!!」

……作るのは別の物ですらなかった。

「は!?何個作る気だよ!?」

「うーん……。二個くらいは欲しいんですけど」

「……なんで?」

「なんでって……。並べるとカワイイから?」

「……ソウデスカ」

……タツは諦めたな。

下手すりゃ今日いっぱい部屋の模様替えで終わるんじゃ無いだろうか。

「なあ、マイ」

お、サファイアは止めてくれるのかな。

「人数分で五個必要だろう」

悪化させやがった。

「そうなんですけど……。ソファーや壁紙作るからぬいぐるみは後回しかなーって」

一応遠慮してたんかこいつ。

……いや、遠慮してるのか、これ?

「……今日中に全部終わりませんかね」

サラまで乗り始めた。

「おおっ!!サラちゃんが燃えてる!!なら全部いきましょうか!!」

……いまいち乗りきれない男性陣を尻目に、女性陣主体の狩りは深夜まで続いた。


きょうのかつどうほうこく

・ぬいぐるみいっぱい

・かわいいベッド

・かわいいソファー

・かわいいいす

・かわいいつくえ

・ピンクのかべがみ


かかったじかん

・じゅうごじかん


 ……絶対もうやりたくねえ







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