表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチのPT@0  作者: ららら
2章 ボクたちのこれから
30/84

ワルーイ

 一撃死ーーはどうやら免れたようだ。

それでも一撃で八割程度削られてる。

「あっぶな!!私死んだと思いましたよ!!」

「マイ、サラ!!一旦離れてて回復しとけ!!」

「「はい!!」」

タツの指示、それなら。

「二人とも俺の方に下がれ!!俺と入れ違いになる形で!!」

二人はすぐにこちらに向けて走り出す。

俺の方へ走って来るなら最悪追撃されても、挑発の効果がまた発動する。


「三人が戻るまで俺らで耐えるぞ!!」

「ああ!!」

「はい!!」

「なるべく避けろよ!!」

現状俺とサファイア……勇者も居たか。あんま役にたたんが。

とにかく実質二人だ、下手を打つと全滅する。

敵の斧の連撃をなんとか回避し、剣で切りつける。

がーー。

「クソっ!!やっぱ火力不足か!!」

やけどで敵の守備力を下げ、陣で火力を上げてある。

だが、そこまでだ。肝心のアタッカーがいねえと決定打が無い。

補助系列の二人じゃあ大したダメージソースになりゃしねえぞ。


 このPTの大きな欠点、それは全体的に守備力が低い事。

基本的にナイトのショウ以外は似たり寄ったりの紙装甲。

ショウ本人の腕とキャラのスペックの高さでPTは保っているようなもんだ。

今回のみたいなタンク封じかもしくはーー。

「タツ、ボスがクルクル回り出したぞ……」

急にボスがその場でバレエのように回り出した。

嫌な予感がする、これは恐らく……。

「サファイア離れろ!!これは……」

この敵も技も俺たちは何も知らない。知らないがなんとなく予想は出来る。

「大技の予備動作だ!!」

攻撃を辞め急いで離れる。

バックステップでなるべく下がるがーー。

【アクストルネード】

回転していたボスを中心に竜巻が起こる。

部屋の半分程まで効果が及ぶ範囲攻撃。

当然避けきれる筈もなく竜巻に飲み込まれる。


 幸か不幸かスピードダウンのおかげで範囲攻撃に巻き込まれずにすんだ。

さてここからは俺の仕事だ。

「悪い、遅れた!!回復受けてこい!!」

「……ああ。サファイア、引くぞ!!」

「了解」

ボスとの一対一……。と言っても攻撃する気は全く無い。

危ない橋は渡らず回復が済むまで防御に専念だ。

斧の一撃を回避と防御でなんとかやり過ごす。

確かに陣形を乱された時は焦ったが、『フル・インパクト』にさえ注意すれば倒せない相手ではない。


 っ!!ボスが斧を両手で持った!!

これだけは食らってはいけない。

咄嗟に飛び退く、間に合うか!?

【フル・インパクト】

斧はギリギリ空を切る。

「あっぶねえ!!」

【ファイヤーボール】

空振りと同時に火球がボスにぶつかる、これで少しは楽になるか……。

「もーどり!!」

「ヒーラーいないから注意せいよ」

「はーい」

気が抜ける声だなー。まあいいか、直に三人も帰ってくるだろ。

……そういや勇者忘れてたな。とっくに転がってるけど。


「はあっ!!」

「うおおおっ!!」

ガキィン!!という音と共に剣と斧がぶつかり合う。

つばぜり合いの形になり両者は一歩も引かない。

「もう……」

「ああ!?」

「もう引いてください!!これ以上は……」

「……ふん!!小娘ごときがぁ!!」

【(押される!?凄い力!?)】

「うがあああっ!!」

ワルーイは力任せに斧を振り、後方へライラを吹き飛ばす。

しかし飛ばされたライラも、少し体制を崩すが

難なく着地する。

「まだ……。まだやると……?」

「はっ!!当然だ!!」


「……戦闘中にもイベント入るんですねぇ」

「そういや初めてだなー」

こういうの入れるなら戦闘の前後にしてくれないかな。


「光牙斬!!」

「グランドブレイカー!!」

光の刃と地を這う衝撃がぶつかり合い相殺される。

【(ちっ、流石は勇者様ってか?俺の技と五分だとはな)】

【(強いっ!!今まで出会った人の中でもトップクラスに!!)】


「こんな技見たこと無いんですけどー」

「遠距離中心で戦ってたら撃たれたんじゃね?」

「そもそも山賊がトップクラスに強いってどうなんですかねえ」

ごもっともだわ。

この国終わってるだろ。


 詠唱をし始めるワルーイを見て、直ぐ様ライラは横に飛び退く。

「スピードダウン!!」

ライラがいた地面に魔方陣が浮かび、黒い触手がまとわりつこうとするが不発に終わる。

【(遠距離では埒が飽きませんね……)】

【(チョロチョロ飛び回りやがってめんどくせえ!!)】

二人は同時に前方に駆け出す。

【(接近戦で仕留める!!)】

【(接近戦で叩き潰してヤる!!)】

速さで勝るライラの無数の剣撃。

押されはするものの致命打は避け、力任せに斧を振るいライラを飛ばすワルーイ。

一見互角に見えるが、細かい傷を受けている分優劣を測るのは難しくない。


「おい、やべえぞ!!」

「タツ、何がだ?私には勇者が勝ってる様に見えたが」

「そっちじゃねえ!!スレでこのクエについて調べたらな……」

「いや、いくら暇でもちゃんと見てくださいよ……」

「こいつ、第二形態あるみたいだぞ!!」

「……は?」

地獄の始まりかもしれない。


「ぐうっ……」

ワルーイはたまらず膝をつく。

体躯に見あった強靭な肉体を持ってはいるが、積み重ねられた傷と疲労にいつか限界が来る。

それが今来たのだ。

「……終わりですね」

ゆっくりと剣を構え近づいて来るライラ。

【(終わりか……。そうだな……。)】

「終わりだ……」

ぽつり、と小さくワルーイが呟いた。

それに気付きライラは足を止める。

「……では抵抗を辞めると?」

「……くくっ」

不敵な笑い声。それを聞きライラは気づいた。

ワルーイの闘志は衰えていないと。

ワルーイは急に起き上がると壁側へと駆け出す。

追おうとするライラに斧を投げつけ、妨害する。

「なっ!!武器まで捨てて一体何を!?」

部屋の端へとたどり着いたワルーイは、壁にかけてあった一本の武器を手にした。

先程まで使っていた斧の倍以上の柄の長さをほこる武器。


「ハルバード!!」

「はるばーど?そんな名前なのか?」

「ん、ああ。たぶん」

「タツさん良く知ってますねえ」

「……偶々だ」

「男の子って武器の名前とか好きですもんね。ショウさんも知ってたり?」

ほっとけ。好きだし知ってたけどさ。


 ワルーイはその豪腕でハルバートを振り回すとこう叫んだ。

「遊びはもう『終わり』だ!!ここから先は本気でいくぜ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ