表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウチのPT@0  作者: ららら
2章 ボクたちのこれから
29/84

砦内部

 ミイの話しをまとめるとこうだ。

裏口から入った先は敵よりもトラップが多いらしく、ボロボロの状態になりながらもなんとか門を開く事には成功した。

成功はしたが、突如警報のような罠が発動し大量の敵に囲まれ全滅……これが真相らしい。

罠……罠かあ。このゲームにも罠ってあったんだ……。


『ネト・ゲー』には他ゲーでありがちな罠関係のスキルが一切無い。

察知だの解除だののスキルは存在しない。

かといってそういったアイテムがあるという話しも聞いた事が無い。

本当はあるのかもしれないが、このクエストを受ける段階で聞いた事が無いのだ。

恐らく運営はそういった手段を使わずクリアする想定のはず。

マッピングや記憶力での突破。

要は一度死ぬ前提の作りなのだろう。

だからあの三人が倒れた事は仕方無いと思う。

助言者クリアを想定されていないのだから。

……今思えばメンテ後から少し難易度が上がった気がする。

ドラゴンといいコレといい……。


「どうしますー?一旦帰ります?」

返事はもちろん決まっている。

「「進む」」

タツと見事にハモった。

「三人には悪いがここは進む。なるべくなら先を見ておきたい」

ボイチャ……は通じて無いからチャットでも送ろうか。

「あ……あの」

マイ……じゃなくてこの声はミイか。

姉のマイクを使ってるのか。うん、リアルで横にいるって便利ね。

「私たちってどうしたら……」

このゲームは『死』に対してペナルティが少ない。

敵からの経験値や金に多少の補正が入るが、PT内に死者がいても戦利品は手に入るし、この状態でクリアすれば八人全員がクリアした事になる。

問題点はただ一つ、すっごい暇なだけだ。

「……好きにしてていいぞ」

「……はあ」

この先どれだけかかるか分からんのに『待ってろ』とは言えんし。


 砦の内部にはトラップや敵が大量に……なんて事は無く、敵がちらほらいるだけだった。

「……なんか拍子抜けですねぇ」

「そうか?」

「そうですよーサファイアさん!!ミイちゃんが敵が一杯って言うから心配してたのに……。これじゃあ、期待はずれですよ!!」

「向こうに一杯行ったからこっちが空いたんじゃないか?」

「ええー……。そんな間抜けな事が……あるんですか?タツさん、ショウさん」

……ありそうだ。いや、マジで。

警報で砦の敵を召集し、攻撃する。ここまではいい。

ではその後は?

『近くの敵を攻撃する』この一般的なAIの場合

その場に留まるか近くをうろつくかだ。

たぶんだが一行が全滅した後の事を考えられていなかったのだろう。

「たぶんサファイア正解」

「んー……。間抜けすぎでしょ……」

全くだ。まあテストプレイ不足に感謝して先に進もう。

「ミイちゃんたちの死に感謝ですねぇ」

最もだけど言うなよ、真横にいるのに。


【親分の部屋】

進んでいた俺たちの目の前に現れたのは明らかなボス部屋。

砦の中は順調に進むことが出来た。先程の考察は正しかったのだろう。

残っていたのは、通路を塞ぐようなタイプの敵だ。

動いている敵はあちら側に行ってしまったと思われる。

【ヒール】

サラによる回復タイムも終わった、後は突入あるのみ……。だな。

人数不足が気になるが……まあ、ここで考えていても仕方ないか。

「うし、行くぞ!!」

出発の合図を告げボスの扉を開けた。


 待っていたのは筋肉質で斧を持った大男。

……うん予想通りの相手だ。

「なんでどいつもこいつも斧持ったオッサンなんですか……」

「使い回すため」

「タツさん身も蓋も無い……」


「ククク……よく来たなテメエら」

「あら、ボスがしゃべった」

「ボイス付きなのかこのイベント」

「貴方がこの山賊の首領なのですか?出来る限り手荒な真似はしたくありません。……大人しくして頂けると助かるのですが」

「勇者様急に饒舌」

「雑魚にやられてたクセにな」

勇者らしい事してるんだからいじめんなや二人とも。

「へっ、そいつはできねえなあ……、まあ、あの数の手下たちを倒して来たのは誉めてやるが……」

ごめんなさい、殆ど倒してません。

「この俺様がいる限り、この『ワルーイ山賊団』は不滅よ!!」

そんな名前だったんか、こいつら。

「くっ!!話し合いで解決出来そうにありませんね!!」

そう言うと勇者は剣を抜く。

「多少手荒になるかもしれませんが無力化させます!!いいですね!?」

道中の敵バサバサ切っておいてこの今更感。

まあいいか、ようやくボス戦開始だ。


【挑発】

【防御の陣】

ボス戦の基本中の基本、まずは防御を固める。

とりあえず相手の出方を見てーー

【スピードダウン】

「は?」

『スピードダウン』名前の如く対象の速さを下げる魔法。

脳筋風のボスにしては意表を付かれたがーーいかんせん地味である。

「はっ!!ボスにしちゃあ微妙な事しやがる!!」

「こいつ、大した事ないんじゃないですかぁ?」

【火遁の術】

【ファイヤーボール】

【光牙斬】

三人による遠距離攻撃。

HPバーの減りを見るにそれほど体力が高い訳でもない。

これなら問題無さそうだ。


 振りかぶってきた斧の一撃を止め、隙を付き剣でサファイアと攻撃する。

……攻撃力は確かに高い。高いが、想定の範囲内だ。

人数の少なさに不安があったがこのまま押しきれそうだ。

【フル・インパクト】

「っ!!」

斧を両手で持ち、野球でいう一本足打法のようなモーション。

気づいた時には部屋の端まで吹き飛ばされていた。


やられた!!あの時の槍のボスと同じだ。

タンク役を大きく飛ばしてヘイトスキルの範囲外に追いやる。

「ちょっと!!ショウさん大丈夫ですか!?」

「悪い!!すぐ戻る」

ガードはしているんだ、ダメージ量はそれほどでもない。

すぐに戻って陣形の立て直しをーー。

あ!!

『スピードダウン』

くそ、さっきのはこれが狙いか!!

唯でさえ足が遅いナイトだ、デバフまで受ければ多少動くだけでもそれなりの時間がかかる。

「ショウさん!!早く!!ヤバっ……避け切れなーー」

【大切断】

強烈な斧の横薙ぎがマイにヒットした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ