ウチのPT@0
【志望動機は何ですか?】
何言ってんだこいつ。
【レベルや職業を教えてください】
ステータス欄見ろや。
なんだこのしょうもない面接官ごっこ。
あまり……いや、まったく期待していなかったが奇跡的に掲示板に返信があったらしい。
そしてなぜかマイが『面接やりましょう』とか言い出した。
希望者は二人『カスミ』と『ロロ』。
二人とも困ってるだろこれ。さっさと助け船出した方がいいか。
「あの……他に何聞けばいいですかね?」
知らんわ。ノープランで始めんな。
「ちょっとー!!ヘルプヘルプ」
ヘルプ出したいのはこっちだ。この半端な面接会どうすればいいんだよ。
「聞こえてますよねー!!」
みんな無言。この訳分からん空気どうしよう。「ミイ、マイひっぱたけ!!」
「はい」
『イテッ』と言う声がヘッドフォンの奥から聞こえた。どうやらタツの指示をミイは聞いてくれたらしい。
さてどうしようか。ボイチャ繋いでない二人にはさっぱりだろう。
あの二人視点だと
『急に面接が始まったと思ったら面接官が黙りこくった』
ホント意味が分からんなこれ。
そもそも『これからよろしく!!』の一言で済むはずだったのに。
……しゃーない、これでいこう。
【ゴメン!!あのバカの冗談だからw】
「ちょっと!!誰がバカですか!?」
お前だお前。
「ミイ、バカひっぱたけ!!」
「はい」
うん、ミイはまともでよかった。姉みたいにならずに育ってほしい。
【冗談ってどこからですか?】
どこから……?
そんな事くだらない面接に決まって……。
あ、募集自体冗談だと思われたか!?
ほんっっっと録な事しないなアイツ!!
【面接がです。あのアホは無視してください】
【あ、はい】
素直だ。この人とは仲良く出来そう。
てかこの後どうしよう。
【とにかくこれからよろしく!!】
勢いに任せてなんとかならないだろうか。
正直さっさとクエ行きたい。
【合格なんですか?】
まだ面接引きずってる……。
別に誰が来ても断る気なかったんだけど……。
【元々断る気なかったですよww】
【これから一緒に楽しくやりましょう!!】
こんなもんか?
「ショウさんなんかキャラ違うー」
誰のせいだと思ってるんだ。
【こちらこそよろしくお願いします!!】
【よろしくおねがいします】
さっきから喋ってるのロロだけだなー。
今のチャットも定型文そのままだしカスミはネトゲ自体に慣れてない気がする。
まあいいか、やる気ありそうだし。
理由?今が朝七時だからだよ!!
こんな時間に集まれるとか素直に褒めたい。
因みにこんな朝っぱらにした理由は、どこぞのアホが面接時間決めたから。
「ふわぁ……。ねむっ」
そりゃあそうだろうな。昨日は解散したの夜中の三時だから。
「ごめんなさい、ちょっと寝ますー」
この眠気を作った主犯がさらっと離脱しやがった。
今はサファイアとサラはインしてない。
マイが寝やがったから現五人。
すっげー中途半端な人数。
「……一旦解散でいいんじゃね?」
「まあ、うん……」
タツの言う通り解散でいいと思う。
いや、解散したい。ただ集めたのこっちだしなあ……。
【ごめんなさい、一人寝落ちしたんで】
【解散でいいですか?】
これならマイ一人の責任にならないだろうか。
【わかりました。何時ぐらいに集まればいいですか?】
何時……?いつもテキトーに集まってるしなあ。
【たぶんお昼くらいには集まると思うので】
【次インしたら教えてください】
サラとサファイアは来るだろう。
問題は朝っぱらから集まってるこのメンツだ。
丸投げしておいてアレだけどなんでマイに任せたんだろう。すっごい後悔してる。
【分かりました】
【はい】
分かってくれた。まあ、さっさと寝たいからどうでもいいや。頭が回らない。
【それじゃあまた後で】
【お疲れさまでした】
解散してさっさとベッドへ。
正直眠気であまり覚えていない。
そして、起きた時痛恨のミスに気づく。
フレ登録してねえ……。
起床後、名前検索からなんとか二人を探しだし合流する事が出来た。
軽く自己紹介をし、ボイチャの説明に入る。
ロロはすぐに参加出来るらしい。
カスミは……。
【あの】
【マイク無いですけど】
【必要ですか?】
まあ、あった方が便利ではあるけど強制ではないからなあ。
買ってこい、とは言えんしな。
【どっちでもいいですよ】
こっちの声さえ届けば問題ない。
さすがに『スピーカーありません』はないだろうし。
【はい】
打つの遅いし慣れてない人なのかな。
それなら知らない人と会話するのに抵抗感あるのも頷ける。
【最初は聞くだけでも構わないので】
【気が向いたら参加してくださいね】
こんなところか。無理やり誘って嫌になられても困るし。
「おお、ショウさん出来るリーダーっぽい!!」
これは誉められてるんだろうか。
それとも普段は出来ない人だと貶されてるんだろうか。
「どうも、よろしくです」
早速ボイチャに入ってくれたロロとの会話。
ロロは男だった。意外ーーではない。
基本的に男が多いこのゲームでは当たり前。
現状のこのPTの男女比率は
『男3:女4 不明1』
なぜか、会う人間女が多いな。
……別に出会い厨じゃないからどっちが多くてもいいけどさ。
「さ、クエ行こうぜ」
「いや、タツさんなんかもっとこう……」
「ん?」
「せっかく新しく人入ったんだし、楽しいトークを……」
「クエしながらでいいだろ」
「うん?うーん……。そうなんですか?」
あいつ、早く八人で試したいんだろうな……。
結局タツがインするの一番だったらしいし。
「……まあ、テキトーにクエ見繕ってくる」
「えー……。ショウさんまで?」
マイたちには悪いが俺も正直早く行きたい。
ようやく人数が集まったこのPT。
少しワクワクしている、これはゲーマーの性だ。
八人用のクエを探す。今回から野良募集をする必要もない。
無難なものーーではなく少々高難易度のクエを選択する。
これがウチのPTの初陣だ。出来ればやりごたえのあるクエを選びたい。
ーー決まった、あるクエストを選択する。
クエスト『魔獣たちの親玉』
参加者
ショウ【ナイト】
タツ【忍者】
マイ【マージ】
ミイ【プリースト】
サラ【ビショップ】
サファイア【陣剣士】
ロロ【魔法剣士】
カスミ【アサシン】
『ウチのPTは@0』です




