キャラメイク
みんなだいすきキャラメイクの時間です
素晴らしい母と可愛い妹を振り切り部屋に戻る。
……うん、ダウンロードは終わったみたいだ。
利用規約にサッと目を通しVRゴーグルを被る。
『ネト・ゲー』のタイトル画面が出てくる。そして、ネトゲの最大の山場と言っても過言ではない作業に取りかかる。
そう、『キャラメイク』だ!!
容姿に数時間……なんて事は無い。鼻の高さだとか目の色だとか正直どうでもいい。五分で金髪イケメン作って容姿は終わり。
肝心なのは職業だ!!見た目なんざステータスに関係ない!!ロリだろうがゴリマッチョだろうがステ補正つかないしな!!
このゲーム、事前情報によると途中で職業を変えられないらしい。こうなると慎重になる。いや、ならざるを得ない。最悪『一からやり直す』という素晴らしい事態になってしまう。
ゴミ職業を選んでしまうと、どこのPTにも入れて貰えない可能性が出てくるからだ。
このゲームはβテストを行ってはいない。故に事前情報が殆ど無い。雑誌や公式サイトで職業を判断しなければならないのだ。
因みにこのゲームの職業は下位と上位に別れており、下位で条件を満たせば3種の上級職のどれかにクラスチェンジ出来るのだ。
うん、ここまではいい。よくあるシステムだ。
問題なのは下級職が20個あること。大過ぎだろこれ……。
この手のゲームの職業で理想なのはバランスが取れてること、これに限る。だが現実は非常である。どうしても職業に優劣は出てしまう。それが20×3なのだ、確実に『ゴミジョブ』は出る。
俺はハズレくじは引きたくない。仮にプレイヤースキルが高くてもゴミジョブならお断りされてしまう。内面なぞ見れないからだ。腕が立っても見せる場所がない。何の資格も無い人間が会社の面接で
「僕は天才だから雇ってください」
なんて言うのと同じだ。いや、まだ学生だからわからんけども。
とにかく職業は大事なのだ。これからのゲームライフの天国か地獄かが決まってしまう。
……などと考えているとようやく職業選択の項目に移ることができた。