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ウチのPT@0  作者: ららら
1章 ゲームスタート
16/84

慈愛の女神

ーー暑い。暑さと寝苦しさで目が覚める。

あれから私は完全に寝てしまったのだろうか。

とりあえず時間が知りたい。まだ完全に意識は覚醒していないが、体を起こそうとーー体が重い。動かせない。

段々意識がちゃんとしてきた。自分の周りを手で探り……。

「んっ」

後ろから自分に抱きついている姉を見つけた。

「んげっ!!」

暑さと重さの原因を無理矢理引き剥がした。

何か声がしたけど自業自得だと思う。

「痛っ。なーに?」

なに?はこっちのセリフだと思う。無視して時計を見るとあれから二時間程経っている。

……マズイ。こんなに本気で寝るつもりはなかったのに。

とにかくゲーム画面へと目をやると幾つかメールが来ている。

タツさんとーーサラさん?


【ごめんなさい、つけっぱなしで寝てしまいました】

とにかくまずはタツさんにチャットを送る。

意外と早く返事が帰ってきた。

【寝落ちなんざよくあるから気にすんな】

【寝落ちってなんですか?】

【ゲームつけっぱで寝るとかそんな意味】

へえ……ネット用語とかそんな感じなのだろうか。

……違う、これより今はもっと大切な事がある。

今聞きたいのは、サラさんから来たもう一つのメールの事だ。


【クエストお疲れ様です。先程御一緒したサラです。もしよろしければ『慈愛の神の加護』のクエストに行きませんか?】


「成る程な。お前ら二人で行ってくればいいんじゃね?」

「アッサリですねー。てか、なんで私たちなんですかね?」

起きた姉も会話に加わる。確かにそうだ、あの場には私より強い人はゴロゴロいた。

それこそ、タツさんやショウさんに声をかけるべきだと思う。

「『私たち』じゃなくて『ミイ』だろ?」

「え?まあ、確かにミイちゃんだけでしたけど……」

「あのクエ、ヒーラーにしか旨味無いからな。だから一緒に行ってくれそうなミイに声かけたんだろ」


タツさんの説明だと『慈愛の神の加護』のクエストはクリア報酬で、ヒーラーのみ回復効果が上がるスキルが貰えるらしい。

ヒーラー……たぶん私やサラさんのようにヒールを使う職業の事だろうか……。

とにかくそのヒーラー以外には人気が無いクエストなので、あまり人が集まらないとか。

「あれ確か四人までのクエだったな。俺らも今野良ってるから丁度いいんじゃないか?」

「それじゃあ、返事還してみますね」

「おう、ムズかったら俺らにヘルプ呼べよ」

「はい。ありがとうございます」

通話を切ると早速返事を送る。

【返事遅れてごめんなさい。今からでもいいですか?】

よく考えればメールを貰ってから三十分以上経っている。とっくにメンバーが集まっているのではないだろうか。

そんな不安があったが……。

【はい、お願いします。今からそちらに行きますね。】

どうやら心配し過ぎだったみたい。

この後すぐにサラさんとーーサファイアさんが飛んで来た。


「マイですー。よろしくお願いしますー!!」

「ミイです。よろしくお願いします」

「サファイア。よろしく」

「サ、サラです。よ、よろしくお願いします」

私たち四人は出会ってすぐにフレンド登録をし、ボイスチャットを始めた。

「いやー、全員女の子なんて珍しいですねー」

「そうだな、ネットゲームは男性陣が多いと聞くしな」

「ですよねー。そういえばさっきの幼女ペロペロさんも女性でしたよー」

「は!?あの名前で!?」

「驚きですよねー」

姉とサファイアさんが話している。

こういう時だけは姉に感謝したい。私だけでは場が持たなかったと思う。

「ほらほら、ミイちゃんもサラさんも喋りましょうよぉ」

「あ、えっと……ごめんなさい……」

「えっと……いや、謝らなくても……」

「……サラさんを苛めないで」

「ミイちゃん!?」

喋れと言うから喋った。

「あ、サラは人見知りだから……」

サファイアさんのフォロー。うん、なんだか仲良くなれそう。私と同じタイプだ。

「サラさんとサファイアさんはリアルのお友達なんですか?」

「いや、このゲームで会っただけ……」

意外。正直私も姉と同じ考えだった。

「へー。正直おかーさんみたいだなーって」

「おか……いや、全然そんな歳じゃ……」

「んー、声は若そうだけど……。落ち着いてるし年上のおねーさんかなって」

「……たぶんそんなに歳変わらない」

……なんか失礼じゃないだろうか。まあいいや、姉だし。

「ああ、そういえば」

「ん?なんですかぁ?」

「喋り方これでいいか?」

「ん?好きにすればいいんじゃ?」

「ああ……いや。その、敬語とか……」

「ああ、別にそのままでいいですよぉ。ね、ミイちゃん?」

「はい、好きに話してください」

会話に入れないと思って、さりげなくこちらにふってくれたのだろうか。

昔は気づけなかったけど、常に私を気にしてくれている。

「ありがとう。それならこれで話させて貰う」

なんだろう、社会人さんなんだろうか。

出来るOLとかそんな感じの。

「ま、くっちゃべってないで行きますかー」

「ん、ああそうだな」

いつまでも話していそうな雰囲気を、姉が切り上げてクエストに向かう。


【おお、冒険者様お助けください】

【北の湖に慈愛の女神様の像があるのですが】

【近頃は魔物が増えたどり着けません】

【どうか付近の魔物を退治しては貰えないでしょうか】


クエスト

慈愛の女神の加護開始ーー






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