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ウチのPT@0  作者: ららら
1章 ゲームスタート
13/84

戦火の予兆ー5

 想像以上に敵の進行が早かった。

この様子だとボスと出会ってすぐでは無いはず。ボスと出会って時間が経っていないなら、ミイが一人で飛び出したりしないだろう。

追い詰められた結果、恐らく苦肉の策で単騎で挑んだのだと思う。

【ヒール】

もう一人のヒーラーである、サラから回復を受ける。

『鎧通し』で受けたダメージは三割程度。致命的ではないが、見過ごせる程軽くもない。

『鎧通し』ーーガードを貫通し、守備力を何割か無効化するスキルだ。

高耐久のタンクキラーのように思えるスキル。

だが、そもそも他の職が食らっても大ダメージなので仕方がなく俺が受ける。自分で三割なのだ、他の人間なら半分以上持っていかれる。

「もしかして、もう三人でボス倒したんですか?」

「ん、そうだな。疾風のなんとかってやつ」

「……それならあれも余裕なんですか?」

「んー……」

マイの質問に『余裕!!』と答えてやりたい。

しかし、残念ながらそうはいかない。

強いというより面倒くさいのである。


【スナイプアロー】

【火遁の術】

【ファイヤーボール】

「このままでいいんですか?私はスキル切れちゃいますよ?」

「……」

マイの疑問も最もだ。ただ誰も答えられない。

良くはないが対抗手段がない。

全員揃った俺たちは、遠距離から地味に打ち合っていた。

接近戦をしたいところだがそうもいかない。

『接近されると攻撃パターンが切り替わる』からである。

そしてこれが、俺たち三人がこいつを後回しにした理由である。

近づいた瞬間近くの相手に攻撃目標を切り替えての迎撃。それが三パターン。

『弓兵は接近戦に弱い』という常識を打ち破った素晴らしい敵キャラ。

このクエストが配信されてまだ数時間だが、この初見殺しにより某掲示板は阿鼻叫喚だ。

正直こんな序盤でやる事じゃないと思う。

運営がほくそ笑んでると思うと少しイラっとする。因みに偉大なる先人たちがコレの倒しかたとして出した結論は『遠距離で戦う』である。

製作者としては弱点補強のつもりで設定したのだろう。

実際プレイヤーの職業である『アーチャー』は接近戦にすこぶる弱い。ボスがそれでは肩透かしだ。

ただしどうにもやり過ぎた。弓兵相手に遠距離で挑むのが答えとか間違ってる気がする。

……まあ、対処法を知っているからと言って、出来るとは限らない訳だが。


「なあ、倒せると思うか……?」

「倒せないでしょうね」

タツの言葉をバッサリと切り捨てる幼女さん。

まあ、そりゃそうか。

ーーこのメンバーは遠距離攻撃が苦手だ。

いや、厳密には『攻撃』そのものが苦手だ。

純粋なるアタッカーはマージのマイだけ。

タンク二人。

ヒーラー二人。

補助役二人。

これにタツとマイ。タツもアタッカーではなくどちらかと言えば、状態異常などで敵を妨害するタイプ。単純に火力役として考えると他に劣る。

守製に回れば強いかもしれないが攻撃力としてはイマイチ。

それがこのメンバーの評価だろう。

「えっ……。それじゃあどうするんですか?」

「時間切れ狙いですね。現状それしか方法はありません」

「えー。ここまでやって……?」

マイの質問に幼女さんが答える。というかいつの間にかすんなり会話してるなあの二人。

「そもそもクリア率低いんだぞ。このクエ」

「そうですね。初見でクリア出来るなら大したものかと」

幼女さん幾つなんだろう。そもそもこんな名前の割には礼儀正しいし、落ち着いている。

成人しているのだろうか。

「っ!!」

タツが突如走り出す。弓を引き絞っていたボスは攻撃を中断しバックステップで距離を取りながら矢を放ちーー。

【スナイプアロー】

「おっと!!」

タツが高速で狙撃された矢をなんとか回避する。今敵に攻撃した理由は一つ。『高速みだれうち』をキャンセルさせるためだ。

『接近されると攻撃パターンが切り替わる』を逆に利用したのである。『高速みだれうち』の準備に入ったら近づき別の攻撃を起こさせる。

正直これは製作者の意図とは違うかもしれない。ただこれは『初見殺し』により散っていった、多くのプレイヤーが残してくれた攻略法だ。

彼らが浮かばれるように有効活用していきたい。


「ヒマなんですけどー」

ヒマなんですけど。いや、マジで。

現状殆どやる事がない。

ショウさんが攻撃を止める。

タツさんがたまに攻撃する。

ミイちゃんとサラさんが回復する。

他の四人は見てるだけ。

後はたまーに来るザコ兵を倒すぐらい。

私たちは完全に攻撃を止め時間稼ぎへと移行した。攻撃も補助も大して必要ないから棒立ち組が出て来てしまっている。

「代わってやろうか?」

「いや、それはちょっと……」

私と話しながらでもタツさんは敵に攻撃し、反撃を上手く回避する。

相変わらずうまいなーあの人。私がやったらとっくにやられている。

「すみません、確かにつまらないかも知れませんね……」

幼女ペロペロさんが何故か謝る。なんでこんなマトモそうな人がふざけた名前なんだ。

多重人格かなんかじゃないの……。

「幼女さんいじめるなー」

「幼女さんいじめるなー」

「うわっ!!二人揃ってなんですか!?」

ボス戦なのにもはや和やかムードだ。

さっき『ヒマ』だと言ったけど私はまだいい。

会話すら出来ない他の三人はどんな気持ちなのだろう。

「ま、まあ後三分程度だしガマンしてくださいね?」

幼女さんに言われ経過時間を見ると、確かに時間が迫ってきている。

「うーん、なんかモヤッとする終わりかたですね」

「今回は諦めとけ。次倒しゃあいいだろ」

「んー。まあ、そうですねー」

タツさんの言う通り次がある。それでいいか。

「よかったら次は私たちと行きますか?四人なら大歓迎ですよ?」

「おお!!是非行きましょー!!」

幼女ペロペロさんのお誘い。これなら勝てそう。

「ん、そうだな。お互いに時間合った時ーー」

迅雷のダリアが現れた




残り時間3分21秒

ボス1体討伐

残り2体生存確認

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