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ウチのPT@0  作者: ららら
1章 ゲームスタート
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戦火の予兆ー2

 弓兵部隊に向かって駆ける。ショウの言う事も分かるが、このままではじり貧だ。

「っ!!タツさん!!信じますよ!!」

『信じる』……。これはたかがゲーム。仮に全滅してももう一度クエを受ければ済む話しだ。

……それでもーー。

敵とマイの射線上に入り飛んできた矢を刀で弾き落とす。

このゲームは『物理系の飛び道具』はタイミングが合えば攻撃で弾く事が可能だ。種類やステータスの差で例外は出てきてしまうが。

遅れてきた第二射も弾く。所詮は雑魚敵のAIだ。『複数の方向から一斉掃射』でもされたら防ぎきれないが、そんな高度なAIはない。敵を見つけたらその場に留まり射つだけ。これなら自分でも時間稼ぎが可能だ。

今は妙に頭の中がクリアになっている。

弓を引いているモーションまでよく見える。

タイミング的に三連続で矢が飛んでくる。

一、二、三それを全て叩き落とすーー事は叶わず三本目は被弾した。

攻撃は見える、タイミングも分かる。それでもーー。

『キャラがついてこない』


『タツ』の現在のモーション速度では矢の全てを落とす事はできない。肉壁でかろうじて止めるのが精一杯だ。

比べるが間違いかもしれないが

『前のゲームのキャラならこんな事はなかった』

始めたばかりのゲームではいつもそう思う。

ゲームが進化し、リアルになればなるほど感覚の違いを大きく感じてしまう。

今度は五人全員の射撃。被害を最小限にする答えを瞬時に判断し、二、三番目の矢を食らう事にした。


 タツさんもショウさんも手が離せない。

姉も魔法の準備で動けない。

……今まで頼り過ぎていたツケでもきたのかな。

敵を倒すことではなく『妨害する事』を意識して騎馬兵に切りかかる。

正直この行動が合っているか分からない。

今は何をすべきなのだろう。戦うのか、それとも回復に回るべきなのだろうか。

指示を出してくれる人に今は頼れない。

『私は何をしたらいいですか?』

この一文ですら私のタイピング速度では命取りになってしまう。

そんな私の心を知ってか知らずか

【パワーアップ】

私に攻撃力アップのスキルがかかる。

『間違ってない!!行け!!』と言われた気がした。

さっきより自信を持って敵に向かえるーー。


【バーストフレイム】

騎馬兵にマイの魔法が発動する。凄く長く感じた詠唱の数秒間。それでもどうにかタツはマイを守りきった。今度の魔法は騎馬兵六人を巻き込んだらしい。今の魔法で五人倒したようだ。

「マイ!!後は範囲魔法は必要ない!!」

「え……。あ、はい!!」

「ミイ!!お前も回復にまわってくれ!!」

「はい」

【ファイアーボール】

ミイと入れ替わるように少し前に出て魔法を使うマイ。

【ヒール】

【ヒール】

【ヒール】

【ヒール】

俺とタツは回復を貰う。因みにまだ絶賛敵からの袋叩き中だ。

騎馬兵は残り二体になった。これなら問題はなさそうである。あっちが終われば加勢に来てくれるだろう。そうすればこの戦闘は難なく終わる。

こうして、なんとか一つ目の波をクリアした。


 あの後は基本的に楽な部類だった。あまり激しい戦闘もなく気が少し緩んでくる。しかし、クエストの残り時間が半分近くなった時、あるチャットが入る。

【ほほう。私にここまで食い下がるか……。】

【成る程、この町にも骨のある連中がいるようだ……。】

【オトナリ帝国騎士長が一人『迅雷のダリア』……。】

【本気で参る!!】

なんか顔も知らない迅雷()のダリアさんが本気になったようだ。

「なんですかこれ?」

マイの疑問。だが正直俺もタツも明確な答えを持ってはいない。いないのだが……。

「たぶん、アイツらが迅雷()さんに攻撃してイベントでも始まったんじゃねーの」

タツと同じ意見だ。忘れかけてたけど残りの八人が迅雷()さんにたどり着いたのだろう。

まあ、頑張ってほしい。一応同じクエストを受けてる『仲間』なのだから。

しかし他人事気分だった俺たちに最悪のチャットが入る。


【これ程の手練れに様子見なぞ必要あるまい!!】

【伝令をだせ!!他の隊長にも総攻撃をさせるのだ!!】

ーーは?

【一刻も早く町に侵入し、『アレ』を奪え!!】

総攻撃!?東西からボスが挟み撃ちしてくるのか!?

ボス二人は今のPTでは確実に耐えきれない。

打開手段は……。

「ショウ、走れ!!三人でボス一体仕留めるぞ!!」

「マイ、ミイ!!ここ頼む!!」

「え?」

【幼女さん来て下さい】

そのチャットを受けた幼女さんは、何もチャットを返さず俺たちの後を走って付いてくる。

走っている途中でボイスチャットの申請が入った。

ONにすると女性の声で通信が新しく入る。

「三人でボスを?本気ですか?」

ーーえ?こんな名前で女なのかよこの人……。

オッサンがネタでつけた名前じゃないんかい。今日一番の驚きだわ。

こんな場合でなければ色々ツッコミたいけどそれどころではない。

「本気」

「……分かりました。」

確かに三人でのボス討伐は正気ではないかもしれない。それでもこれしかないのだ。

【ふん、貴様ら運がなかったな】

走っていると急にチャットが入る。

「ボスが近いです!!」

幼女さんがそう叫ぶ。これボス登場のセリフか。

【この『疾風のリンドウ』が葬ってやろう!!】

遠くからいかにも暗殺者な出で立ちの人が向かってくる。

疾風()のリンドウさんが現れた。




残り時間15分

ボス3体生存確認


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