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勇者 Bad end  作者: K
5/7

仲間入り?

異様な光景。その表現がぴったりだ、とジンは思った。

瘴気の満ちた巨大樹の森に勇者と少年。

常人ならばこの瘴気に耐えられるはずがないのだ。


「お前は、何者なんだ。」


先程よりは冷静に、しかし警戒は解かずジンは問う。

先程の追撃はこの少年が与えたのだろう。

腰に差してある二丁の拳銃がその証拠だ。


「んー、それがねぇ、分からないんだよ。僕自身が知りたいくらい。」


少年はニンマリ顏のまま答えた。

ジンは少年を図りかねていた。

一般人ではない。それは確かだ。しかし少年は分からないという。

それが事実なのか否か。ここに確かめる術はない。


「お前は、味方なのか?」

「 さぁ?それも分からないなぁ。うーん、今のところ敵ではないと思うんだけど。」


少年は、ジンの問いに本当にわからないように首をかしげる。

ジンはため息をついた。


「お前の名は?」


「うーん、名前もねえ、どれが本当かわからないんだけど、とりあえずまあゼロとでも呼んでよ。」


ジンの周りをクルクルと回りながら少年は答えた。


「ところで君は誰なの?」


ピタリ、ジンの目の前で顔を覗き込むように停止したゼロと名乗る少年は、ふと首を傾げた。

ジンは少し悩んだが味方と判断したのだろう。


「俺は勇者、ジン・ルクルーレだ。さっきは助けて、くれたんだよな。助かった。ありがとう。」


「んー?んー、いいよぉ。命が助かってよかったねぇ〜。

ところで勇者?勇者とな!ほっほーう、それはおもしろいねぇ、おもしろいよぉ!」


ジンには何が楽しいのか全くわからなかったが、ゼロは楽しそうにはしゃいでいる。

少し間が空いてゼロはジンに向き直った。


「うーん、ジンくん?僕もついっていっていいかなあ?」


ニンマリ顏を少し崩して、ゼロはジンに問う。


「え?なんでだよ。」


突然の申し出に、ジンは顔を顰めて聞き返した。


「いやぁ、僕は僕が何者か分からないから?

ジンくんについて行ったら何かわかるんじゃないかと思って??」


眉を下げ、悲しそうな表情を浮かべたゼロが言った。

ジンは渋々といった感じではあるが、頷くことにする。


「疑問系かよ。んー、まぁいいか。よろしくな。」


ジンがそう答えると、ゼロは嬉しそうに笑った。


「もちろんだよぉ!よろしくね、ジンくん!」





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