第二話
「………ふぁあ~~~~、よく寝た~~~。」
うーん、と一回伸びをして、僕はあることに気づいた。
「あれ、時計は……」
そこであることに気づく。
「今、何時だ……?」
そう言って、スマホの電源をいれて、表示を見た。
「うわっ!!!!もう8時だ!!!なんでだよ!!!!!入学式早々目立つなんて絶対ごめんだ!!!」
朝食の食パンを牛乳で流し込みながら急いで制服に着替えていた。
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~キーンコーンカーンコーン~
ズザァァァッッッ!!!
「ふぅ、ふぅ、ぎりぎりセーフか?」
「まぁセーフではあるなぁ。でも、ひとつだけ言うとしたらキャラ作るんならもっと固めた方がいいぞ。」
「あぁ、翔じゃないですか!てか、こんなところでキャラとかでかい声で言わないでください。またお仕置きしますよ?」
「わかったわかった。少し落ち着け。とにかく、高校デビューしたいなら頑張れってことだよ!」
いまいちとにかくの意味がわかりづらかったけれどまぁ応援してくれてると捉えていいでしょうね、
などと考えているうちに
~アナウンス~
『新入生の皆さんは体育館に入場を開始してください。繰り返します、新入生……』
「うわっ、もうそんな時間か。とりあえず荷物持っていきますか……」
「それにしても高校でも同じクラスとはつくづく運の悪い……」
「おいおい、最近俺の扱いひどくねぇか?お前の数少ない友人の一人だぜ?」
「やはりもういちど体の芯まで痛めつけないと懲りないようですねぇ。いいでしょう、本気で後悔させてやりますよ。」
「ごめんごめん、冗談だよ。なんだよ、そんな切れなくてもいいじゃねぇか……」
「ならもう少し良識というものを身につけてからにしてくださいね。いくら落ち着いてきたといっても素の僕はこんなものじゃありませんから♪あの時のようになるかもしれませんしね♪」
そうこう話しているうちに、
『今から第六十八回入学式を行います。』
アナウンスが流れ始めた。
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『それでは、新入生代表によります挨拶です。』
そのアナウンスが鳴り、一人の女子生徒が起立した、と同時にちょっとした歓声も起きた。
それもそのはず。新入生代表のアナウンスで起立した少女は、超がつくほど美しかった。
腰まで伸びたストレートの黒髪に、きっちりと教育されたような歩き方。まさに《大和撫子》と呼ぶに相応しかった。
「スゲェ美人が入学してきたもんだなぁ。」
翔が言ってることに僕も同意見だな、と思ったときふと違和感を感じた。どこかで見たことがある。既視感のような気もするがおそらく違うだろう。一体いつなんだ……?
そんなことを考えているうちに入学式はもう終わりを告げるアナウンスに入っていた