第一話
「あのぉ、どちら様でしょうか?」
「あ…あぁすいません。」
(あなたに見惚れていました)とは口が裂けても言えず、
「いえ、ちょっと考え事を…」
「そうですか。ところで、ご用件は一体なんでしょうか?」
と、彼女は問いかけた
「あぁすいません。私本日隣の203号室に引っ越してきた鳳上空牙と申します。本日はその挨拶に参りました。」
「そうなんですか。私も最近引っ越してきたばかりなので困ったことがあったらお互い助け合いましょうね。」
「はい。そのときはよろしくお願いします。それじゃあ、失礼しました。」
それにしても、さっきの人は綺麗だったなぁ…あぁいう人を美女っていうんだろうなぁ…
何てどうでも良い?ことを考えていたら日が暮れていることに気づいた。
「そういえばもうこんな時間ですか。晩御飯の食材を買いに行かなければなりませんねぇ。」
そう言うわけで近所のスーパーにやって来た。ここは、ここ周辺では一番規模が大きく品揃えもよかったりする。
「とりあえず今日は簡単にすませられるものにしましょうっと…」
と、一人言を呟きながら品定めをしていると、
「おお!空牙じゃねぇか!」
と威勢の良い声が聞こえた。
「…あぁ、翔じゃないですか。貴方もここの近所なんですか?」
「あぁそうだけど、ってか何だよその喋り方。中学ん時と大違いじゃねぇか。
ってか面白過ぎるだろwww」
まさかこんなとこでこいつ…いやいや友人と会うとは、彼は麒龍翔。まぁ、幼い時からの腐れ縁という奴ですが、
「五月蝿いですねぇ、いいですか、僕は高校では、中学の時のようなヘマをしないと決めたんです。いくら翔といっても、学校でこの喋り方について突っ込んだりしたら……分かっていますね♪」
恐らく今日一のとびきりの笑顔で問いかけると
「あぁもうわかってるよ、ちゃんと昔のことは誰にもいわねぇし、笑わねぇって(保証はできないけどな(笑))」
「なんか最後余計なものが混ざった気がしますけどまぁ良いでしょう。
そういえば、翔も自炊をしているのですか?」
「あぁ、高校入ってからは、必要最低限のことぐらいできないとダメだなぁ…と、思ったのよ。」
「へぇ、意外ですねぇ翔はこういうことはあまり興味がないと思っていましたが…」
「まぁやっぱりけじめってことだな!いい加減自分のことぐらい自分でできないとダメだろう?
ってかお前の話し方やっぱりwww慣れねぇよwww」
「よし、今すぐ表へ出てください。5分でミンチにしてあげましょう。」
「まてまて、かたぎの人間に手ぇ出したら不味いだろ。
あぁまてまて、おれが悪かったから、っておいおいそれは本当に洒落にならないって
ぎゃあああああああああああああああ」
「ふん。僕(の喋り方)をバカにした報いです。」
「はぁ、全くお前って昔から何するか訳わかんねぇ。ほんとわかんねぇよ。」
「わかってもらえなくて結構です。僕は、高校デビューしたいだけですから。」
「www高校wwwwデビューてwwwおいwwおいwwやめろよwwww腹筋がwwww崩壊するわwwwwww」
「よ~し、もう一度お仕置きしなければなりませんねぇぇぇぇ!!!」
「あぁもう分かった分かった。
ってかいい加減俺を解放してくれよ。俺だってなれない料理に時間がかかるから、早くかえって準備とかしなくちゃいけねぇんだよ!」
「あぁ、そういえばそんなこと言ってましたね。
というか、翔、貴方彼女でもつくってその人に弁当作ってもらえば良いじゃないですか。」
「お前ってさぁ、バカ?
俺に彼女なんて出来ると思うか?」
全くバカはどっちだ!!!
と、言いたくなった。なんでそう思ったかって?
まぁ文章だけでは伝えにくいかもしれないが、翔は超がつくほどのイケメンだ。贔屓目とかなしにしてもだ。
それなのに俺には彼女ができない?ふざけんじゃねぇ!!!
仕方ないので僕は、無言でもう一度翔をしばいた。
去り際に『お前もな、』とかなんかよくわからないことを言われたが、構ってやる気がしなかったので無視してやった(ざまぁwwww)
まぁとにかくこんな感じで、家に帰り夕御飯を作り明日の入学式に備えた。