エンドレス。
みんな楽しそうだった。
あたしがいなくても、きっと楽しいんだと思った。
世界から人が一人消えても。
ちっぽけな人間が一人消えても。
時計は進むし、
明日は来るし、
月は欠けるし、
地球は回るし、
銀河は広がるし。
なにも変わらないのだと思ったら、胸のあたりがざわざわした。
私がいなくても。
君がいなくても。
星は死ぬし、
太陽は燃えるし、
大陸は動くし、
夜は来るし、
お腹は空くし。
私がいなくても。
君がいなくても。
もしかして。
みんなそんなことぐらい、とっくに知ってるの?
もしかして。
知っていながら、それは怖いことだと思わないの?
じゃあ、あたしは。
あたしは、
あたしは、
あたしは。
みんな楽しそうだった。
ひとりきりで、永遠でないものを恐れているのだと思った。
世界から人が消える。
ちっぽけな人間が一人消える。
それでも世界は輝くし、
人は産まれるし、
朝も来る。