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サークルθの事件簿  作者: サークルθ
斎藤君亜の探偵黙示録
6/18

SIXTHCASE 君亜への挑戦状act2

三つに分けて更新。

ついでに今回は低レベルです。

かなり低レベルです。

いつもより五倍は低レベルです。

しかも無理矢理……。

不幸だ。

俺は一人で街へと出ていた。

もちろん、何かわかったとかそういうものは無い。無いのだが……


(見張られている……?)


俺が学校を出てからというもの、視線がいたるところから感じられる。

今着ているのは学生服だが、ここら辺では珍しくも無いデザインであるから、じろじろ見られる理由にはならない。

となると……


「犯人に頼まれた、か」


犯人に俺を見はるように何十人も雇ったのだろう。

だが、俺が助力した事件ではそういう類の金持ちは少ない。

いたとしても出所したら一文無しというものが多かった。

なら……

思考の海に沈み始める。瞬間、謀ったかのように携帯が鳴る。

本当に監視されてやがる……。

とりあえずは、携帯に手を掛ける。


『やぁっ♪気分はどうだい?』


ウザイほど陽気な声で話しかけてくる名を名乗らない誘拐犯。

本当にイラつく。

だからっ口を突いて出た言葉は


「最高に、イラついてる」

『……………そうか、少しはクールになったらどうだい?そうしないと、みんな、死んじゃうかもよ?』


そう受話器から声が聞こえたと思うと何かを投げたのか甲高い金属音とくぐもった悲鳴と怒声が聞こえる。

それを聞いている奴は『ククク』と笑いを堪えている。

対して、


「お前!今なにしたっ!大丈夫なんだろうなっ!」


俺は相手のペースに乗らされて焦ってしまう。

それに対してなのか、麻恵笑いが少し強くなる。

それを聞き、頭に血が上り始めるが、今は冷静になるところだと自分を戒め、深呼吸する。


「で、何をした?」

『へぇ、もう落ち着いたんだ。まあ、そうじゃないとダメだよね君亜くん』

「……………」

『わかったわかった教えよう。僕はただナイフを投げただけだよ。もちろん、けが人はゼロ。いやぁ、良かったね僕のコントロールが良くて』

「…………そうか。それで、何か言う事があったんだろ?」

『ふむふむ。さすがにもう乗せられないか……そうだね、ヒントだ。良く聞きたまえ。

  私はこの豊町市にいる。

  

  さぁ、おにごっこをしよう。


  君はオニで僕は悪魔。


  今より僕は狩りに行く。


  君も今すぐ狩りに来なよ。


  火を湯へ


以上だよ』


それはあらかさまな暗号。

しかも、初歩的すぎる。


「なめているのか?」

『いいや。これは試練だ。正直、僕は復讐といったが、今のままじゃすぐに捕まるのがオチなんだよね。だから……暇つぶしに、遊んでいるのさ。まずは、誘拐、といった形でね』

「そうか……なら、答えを言うぞ」

『どうぞ』


犯人……いや、自らを悪魔といったのだから、悪魔でいいだろう。

悪魔の了承を得て、俺は所的な何号の開設を行う。


「まず、注目する点はあからさまな『火を湯へ』という一文だ。これは『ひをゆ』か『かをゆ』へのどちらかに変えることをさす。

『ひ』だと、意味が繋がらない。

だから、『火』を『か』と読む。

そこで、『か』がある一文は?

その答えは『僕は今より狩りに行く』と『君も狩りに来なよ』の二つだ。

そして、『か』を『ゆ』に変えると、『僕は今よりゆりに行く』と『君もゆりに来なよ』になる。

さらにゆりは英訳で『lily』つまり、小野宮先輩のために良く俺たちが行く洋菓子店『リリィ』。

そうだろ、悪魔さん?」

『う~ん。上手くこういうのはできなかったんだよね。そんなに簡単だった?』

「反吐が出るくらい」

『そっか~』


心底残念そうな声で悪魔は唸りを上げる。

だが、すぐに気を取りなしたかのように話しかけてくる。


『まあ、推理した場所に言ってみな。僕はもう監禁場所を離れるよ。君の幸運を祈るよ』

「なっ!?おいっ!人質はどうするつもりだ!」

『大丈夫だよ。一人は解放しておいたし、冷蔵庫もある。食料には困らないよ。さらにいえば、僕は今はまだ人を殺すつもりはないんだ。それじゃあね』

「まっ!ちっ、切りやがった」


俺はいらいらした手つきで携帯をしまい、とりあえず、錦の森公園まで走る。

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