THIRDCASE 作家逃走事件
この作品は斎藤君亜が書きました。
二件、立て続けに殺人が起きた我が町。
治安体制悪くねぇ?というぼやきはさておき……俺は何をしているのかというと……
「羽海野、小野宮先輩の分なに買った?」
「お菓子ですよ」
「だから、具体的になにを買った?」
「えっと、○枝、ガー○チョコにあとはキノコとタケノコの○ですね」
「あっ!俺、キノコ被ったわ!まあでも、あの先輩なら気にしないでいいか」
「そうですね」
さりげなく先輩を貶しつつ、俺たちはコンビニを出た。
そうこうするうちにサークル部室へ移動。
「ただいまです」
「お待たせ。って、小野宮先輩?」
部室のテーブルの上にはうつぶせの小野宮先輩……事件かっ!
「うぅー、掃除サボんないでよっ!」
なんてことは無く、ただの掃除疲れだそうだ。
「あっれぇー!?今週俺でしたっけ?かっしーな……じゃあ先輩、お詫びの品一品だけ買うんでそれでご勘弁を」
「じゃあ、堂島ロール!、堂島ロールがいいなぁ!」
「君亜先輩、ドンマイ」
「いやまあ、俺が悪いんだけどさ、こういうの軽々しくいうんじゃなかったわ」
復活したのはいいけど、なかなか入手の困難なものを……謀ったな!
「ラッキー、掃除って誰もいない時はやっとくもんだねぇ」
マジで、謀られたんじゃね?俺。
財布をチラッと見ると……五千円札一枚、中々際どいな。
まあ、考えても仕方がないから麦チョコでも食いますかね。
俺は冷蔵庫の奥の壁を引き、麦チョコを出した。
んっ?面倒な事をしてるなって?
はは。
こうでもしないと小野宮先輩が勝手に食べちゃうんだよっ!
最近俺の家に近くにあるコンビニ、麦チョコ売って無いんだよっ!結構希少なのっ!わかったか!?
「むっ、なんかすごく失礼な君亜の声が聞こえた気が……」
心読むなッ!甘党なクソ先輩っ!
「ちょ、仮にも私、女の子だよっ!そういうのにはもうちょっと気を使おうよ君亜!」
「だから、なんで地の文読んでんだよっ!アンタは!」
「先輩にそんな口のきき方っ!?」
「ああもうっ!ごめんなさいでした!」
「許そうっ!」
「許されたはずなのに……心なしか言葉の端端にとげが……」
「ドンマイっ!」
「おまえ、結構余裕だよねっ!」
「君亜、電話鳴ってるよ?」
「ああ、もう!わかりましたっ!わかったから少し静かにして下さいっ!」
俺は携帯にかかってきた電話に出る。
相手は後藤さんではなかった。
「あら、貴方が君亜くん?」
「そうですけど……どなたですか?」
「後藤の同僚よ」
「はあ」
「そっけないわね。まあいいわ、そのまま聞いてね」
「いいっすよ」
「今日、とある作家が失踪したわ。作家の家には奇妙な置手紙があって内容は
しじっなきくわも
くゃたいまにたう
おあるですはしし
ねあい、。わはご
がとかもさいゆと
いよらうがにめや
☆ろさかさいのだ
だったわけ。ああ、あとで写真送るわ」
「いえ、良いです。もう何処にいるかはわかりました」
「えっ!何処!」
「ハワイです」
「なんで?」
「簡単過ぎるでしょ?右から縦に呼んで行って下さい。それが答えです」
「ええっと、『もう仕事ヤダ私は夢の国ハワイに行きます。探さないで、もうかったるいからさじゃあとよろしくお願い☆』ふざけてんの?」
「そっちこそ!」
「お礼を払うから許してね?」
「つか、誰だっけか?」
「ひどい!?……まあ、いいやで、お礼は?」
「堂島ロール二本」
「それだけ?」
「それだけ」
その後、すぐに堂島ロールが来るのを横目で確認しても、小野宮先輩の胃袋に消えるのは言うまでも無かった。
さて、報告書を書くか
『今日は特に異常なし、小野宮先輩のせいで屋台の方に影響出るくらいだが……それはノーカン、平和な日を満喫できた。
以上だ』