地の精霊の無茶
「勇者とか呼んだら、おもしろそうじゃない?」
「…ええと、聞きたい事が多数ある。1 魔王とか所謂、敵対勢力はどうするの?
2 そもそも、ナニを勇者として呼ぶの? 3 それって、誘拐じゃないの?
退屈凌ぎならもっとマシな事しろ馬鹿。 4 ‘名前‘はどうするの?」
「…さらっと毒吐くわね。大丈夫よ。敵は造るし、夢見がちで熱血漢で勘違いが
甚だしい少年に、女神として私がサポートに…」
「飽きたら、適当に結末を用意して記憶を消して、はいこれで終わりー…かな」
「そうよ」
「…」
「…」
「…それ、既に済みだよ。途中で投げ出して早送りエンドみたいなオチにしたの、忘れたの?」
「…」
「以前も言ったように、ここは通常の理とは違う。そこから慣らすのは時間が何よりいる。
歪むし、最悪壊れるだけだよ」
「…あなたの世界のナニかを呼べるかと思って…」
「ふーん」
「あれ?感動のシーンじゃないの?涙の一つも見せてもいいんじゃないの?
ふーん、ってどういう事よ」
「‘勇者‘の必要はないし、そもそも覚えてなかったくせに取って付けた理由で
涙を流せと…。…ちょっと最近大地が荒れ気味だし、起きてても
ロクな事も言わないし、しないから一旦眠りにでもつく…?」
「い・や・よ、仕事が溜まっちゃうじゃない。アレ誰がするのよ?寝起きに
溜まった仕事見るのうんざりなんだから」
「…分かった、次回までにナニか用意をしておくから。」
「ありがと」
こっちが寝たいよ、本当に…。
優秀な精霊過ぎると、何事にも飽きるのが早く、記憶力が無い。
まあ、人間換算すればもう結構な年だからな…、というのもあるが、
興味失うとすぐ忘れるからな…。
「眼鏡には内緒よ、…うっとおしいから。」
眼鏡か…、そのカードを又使うかなー…、 はあ…。