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鳴り響くサイレン、消えゆく光
大人気アイドル、ゆなの広告が貼ってある。
それを見つめる少女、ゆな。
ゆな(私、結構有名になったな……)
街頭の巨大ビジョンに映る自分の姿を見上げ、ゆなは小さく微笑んだ。
ここまでの道のりは決して楽なものではなかったけれど、支えてくれたファンの顔が浮かぶ。
ゆな(みんなのおかげだな。これからも、もっとたくさんの人を笑顔に——)
そんなことを考えていると、突然、街の喧騒を切り裂くような大声が響いた。
「通り魔だ! 逃げろ!!」
「え……?」
ゆなが声の方向を振り向いた瞬間。
視界に飛び込んできたのは、深くフードを被り、狂気に染まった目でギラリと光るナイフを構えた男だった。男は真っ直ぐ、ゆなの方に向かって走ってくる。
あまりの怖さに、足がすくんで動けない。
「いや——」
短い悲鳴と共に、鋭い衝撃がゆなのお腹を貫いた。
ゆなは痛さのあまり、その場に崩れ落ち、座り込んでしまう。
ゆな(痛い……っ! どうしよう、私、刺され……っ!?)
お腹から溢れる熱い血が、衣装を赤く染めていく。
周囲からは「誰か救急車!」「キャーッ!」「怖い!」などと悲鳴や怒号が聞こえるが、次第にその声が遠のいていく。
世界が、急速に暗転していく。
(みんな、ごめんね……。私、もっと歌いたかったな……)
大人気アイドル・ゆなは、そこで息を引き取った。




