#1 地頭がいいってなんだよ
私の学生時代は国語に弱く、文芸が特にダメでした。
アニメを見る度になんでこうなるんだろう。どうしてこれができるのだろうと疑問に思うことが多く、その理由が説明されない作品も多くありました。
説明されないのであれば自分で作ってしまおうということになり、この度この作品を書き始めることになりました。
たくさんの方々に読んでもらえるように頑張って書いていきます。
〜地球 20XX年 日本/東京〜
《学校のベルの音》
「はい、じゃあさようなら」
『さようならー』
「竜!一緒に帰ろうぜ。」
「はいよ。」
「今日カラオケ行く?」
「お前…来週から期末テストだろ?」
「でもお前地頭良いし勉強しなくても点取れるじゃん。」
「俺はお前の心配してんだよ…」
「俺はもう諦めてるに決まってるじゃん竜くんさぁ」
「笑ってる場合じゃないだろ」
みんなはこんなことは一度は考えたことは無いだろうか
これってどうやって生まれたんだろう
どういう成り行きで出来たものだろうか
俺はそんなことを子供の時からよく考えていた
別に意識をしていたわけじゃない
ただ、気になっただけだ
インターネットが普及してからはそういったことは片手で調べれば分かる時代になった
だけど俺は調べて終わりなんてもったいないと考え、そこから応用できることは無いかと調べるようには意識していた
だから誰からも"地頭がいい"と言われるようになった
勉強は嫌いなのに気になったことばかり調べるからこうなった
運動もできない、勉強もできない、でも地頭がいい
そろそろ大人になる俺も地頭がいいだけじゃ社会じゃ通用しないのも分かってる
けどもう遅いんだ
人生をやり直したいとは思う
けど、"転生"とか妄想だけの世界だ
夢を見てはいけない
少し歩いていると進が声を掛けてきた
「なあ竜。」
「どうした。」
「あの子、危なくないか。」
「あれ、飛び降りようとしてないか。」
上を見上げると高さは五階くらいだろうか
建物の屋上で落ちかけている少女がいた
「止めないとまずいだろこれ。」
「あぁ。」
「ちょっお前、何する気だ!」
(動かないと)
考えるより先に走り出した
「おい!やめろ!」(息を切らしながら)
「待ってたよ。」
「は?」
「誰か来てくれるのを待ってたんだよ。」
「お前、何言ってんだ。」
「誰かに止められたかった。そう言ってるの。」
「は?とりあえず早くこっち戻ってこいよ!」
少女が微笑む
(何考えてんだ…でも助けないと…)
「ほらよ!」(少女の腕を掴む)
(…は?)
引っ張られた…?
俺の体が軽すぎたか
もっと運動すればよかったって思った
「さようなら。私を救ってくれた人。」
ごめん、進
助けるはずが、俺の方が助けられそうだ
いや、助からないか
この高さじゃ無理そうだな…
「竜!!!!!!」
真下にあったバス停のガラスの天井に向かって落ちる
「竜!竜!おい誰か救急車!」
(死ぬ瞬間少しだけ意識と聴覚があるってのはこれか…本当だったんだな…)
このお話の登場人物
要 竜:普通の高校生で地頭がいいとよく言われる
甲斐田 進:竜の中学時代からの親友でよく勉強を放ったらかして遊びたがり、よく竜に心配される
追記
機関車ト〇マスみたいだねこれ