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新・私のエッセイ:2号館(No.101~200)

新・私のエッセイ~ 第108弾 ~ ショッピングセンター『サンピア』内・個人書店の思い出

 ・・・これは本来、連載型エッセイの、


 しげちゃんの『小学生日記』に収録すべき話なんだろうけど、


 「結果」が「結果」だけにねぇ・・・。


 いろいろと『問題』がありまして。


 それで、独立して、こちらへ書くこととしました。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ショッピングセンター『サンピア』につきましては、


 詳しくは、しげちゃんの『小学生日記』であらためて触れてみますが、


 このセンターの2階の一角に、


 その書店はありました。


 いまの、『TSUTAYA』とか、そういったチェーンの系列店ではない、


 ごくごく個人的な小さな本屋さん。


 サンピアができたのが、


 1979年。


 ぼくが小学3年のとき。


 ここは、矢板市に初めて出来た、本格的な商業施設だったので、


 大人の買い物客のみならず、矢板市周辺の小中高校生も、よく遊びに来ておりました。


 ・・・ぼくも、そんなひとり。


 東京あたりのショッピングモールや駅ビル、サンシャイン60などの都会の本格派には、足元も及ばなかった、田舎の商業施設だったけど・・・


 たくさんの種類の店舗が建屋内にあって、特に、好奇心旺盛な小学生にとっては、


 夢のような空間となっていました。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・ぼくは、皆様もあるいは記憶しておいでかもしれないが、


 『カメラアイ』という、生まれつき、ちょっと変わった能力がある。


 この能力にも、「個人差」というものがあって、まるで写真撮影したかのように画像・映像を寸分たがわず、瞬間的にとらえることができる人もいれば、


 ぼくのように、彼らよりかは、それほど強くない能力の人もいる。


 だが・・・


 いまでもぼくは、正確に、入り口から出口、間取りにいたるまで、かなり正確に、この施設のレイアウトを、脳内再現することができる。


 ・・・何十年たっていても、ね♪


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 その本屋さんでは・・・


 狭いながらも、


 実にさまざまなジャンルの本や漫画・雑誌などを扱っていた。


 ぼくはここで、


 無料で・・・つまり、「立ち読み」にて、面白い漫画にたくさん出会い、そして、


 時がたつのも忘れて、にやけながら、


 ときには、涙しながら、


 読みふけった。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 この書店のオーナーだが・・・


 当時、50くらいの、小柄なおじさんが経営者。


 ときどき、ぼくらが立ち読み・・・


 いや、正確には「座り読み」しているのを、店のレジ・カウンターから、たまーに出て来て、


 「こら。君たち・・・立ち読みはやめなさい。」


 「読んでもいいけど、それはちゃんとあとで買って帰ってくれよ。」


 と、おだやかに注意されたものだ。


 え・・・?


 ぼくですかぁ・・・??


 そぉですねぇ、


 まぁ、カネもなかったから、買って帰ったり、買わずに帰ったり・・・と、いろいろでしたな♪


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・また、ここの店内には、行くたびに、同じような曲が流されていた。


 でも、『有線』ではない。


 きまって、似たようなメニューの曲の繰り返しばかりだったから、


 きっと、おじさんが、自分の好みの曲をチョイスして、客に聴かせていたんだろう。


 いくつもあるが・・・


 完全におぼえているのが、YouTubeにも挙がっているが、以下の4曲だ。


 『【HD】 浜田朱里/想い出のセレナーデ (1982年)』

→ UP主様は、「polarishakuba1998」様。


 『石川ひとみ まちぶせ(1981) 2』

→ UP主様は、「iroirod03c60」様。


 『. - YouTube.flv』

→ UP主様は、「かずさんイケメン」様。

→ これは、敏いとうとハッピー&ブルーによる、『我慢できないわ』というムード歌謡の名曲のスタジオ・ライヴ。


 『我慢できないわ 敏いとうとハッピ&ブルー』

→ UP主様は、「てって」様。


 『ロス・インディオス&シルヴィア 別れても好きな人』

→ UP主様は、「K. Schaffen」様。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


  浜田朱里はまだじゅりさんの『想い出のセレナーデ』は、


 その書店内で、何度も聴いてはいまして、


 とっても気に入ったので、何十年も探しましたが、曲名が判明したのが、大人になってからの・・・


 なんと、2006年でした。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 『キン肉マン』に、


 『Dr.スランプ アラレちゃん』


 『ブラックジャック』


 『ブラックエンジェルズ』


 『凄ノ王(= すさのおう)』


 『リングにかけろ』


 『すすめ! パイレーツ』・・・


 いろいろとここで読ませてもらったっけなぁ・・・。


 おじさん、レジに漫画を持っていくと、きまって優しい笑顔を浮かべて迎えてくれてましたよ。


 「キン肉マン、ぼくも好きだよ、坊や。おもしろいもんな。」


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・ぼくがおじさんの「最期」を知ったのは、母からのこんな言葉だった。


 「しげお、知ってるか? サンピアの本屋のおじさん、死んだよ。」


 「なに!?」


 「今朝の新聞に載ってるよ。・・・自殺だって。首吊り。死ぬ前に、自分の息子さんの首しめて殺しちゃったんだって・・・。」


 (おじさん、あんなに明るく振舞ってはいたけど・・・本当は、相当、生活が追いつめられていたんだろうな。かわいそうに・・・。)


 ・・・ぼくが中学のときの、ある秋の朝の、さびしい思い出である。


 m(_ _)m

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