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アンファミリア  作者: 童子ん氏
5/12

あっあっあっあっあっあっあっあっあっ

寝て起きたら3時なので初投稿です。

 「あっあっ、すいません。皆さん・・・本当にすみません。こんなところで30分も待っていただき、はい、そのー、えーっとこの基地に少し疎いもので、はい。」


 男は壇上の前でひたすら謝る。


 無機質な壁と床で構成されたこの部屋は第一演習場、彼女たちが模擬戦や実験などを行うときに使うものである。


 今回はそこで男の説明をするはずであったが、男が来るまでに時間がかかりすぎた。


 今ひたすら謝っている男の額には汗が滲み、息が荒くなっている。


 それはここに来るために迷いながらも走ってきたためであった。


 男は息を整えると集まってくれた彼女たちを見る。


 皆男のことを見ていた。男は壇上から見ているため顔だけがよく見えており、黒を初め茶、緑、青、黄、白など色とりどりの髪が見える。


 (なんでみんなこんな髪の色がカラフルなんだ?みんな染めてるのか?それとも地毛?あ、あの子もいる、本当に治ったのか・・・よかった)


 その集団の中には先の襲撃で重傷を負った者もいた。もう傷などどこにもなく苦痛に歪めていた顔は元気そうな顔に戻っている。


 心を落ち着かせながら男はそんなことを考えていた。


 室内は静寂に包まれる。


 (やーべ、スッゲェ緊張するみんなこっち見てるよ、怖えよ、戻りてー。やっぱりこれ夢とかなんじゃないの?はぁーキッツ、やるか)


 そんな現実逃避をしそうになりながらも男は覚悟を決めたように話し始める。


♢♢♢


 「・・・という事です。」


男は一連のことを説明し終える。


 「失礼、少しいいだろうか?」


 そう言ったのは左目に眼帯をした長身で長い黒髪の女性だった。


 (えーっと確かあの人はー、そうそうなんかネットの評価ランクがすごい高かった人だよ、えーっとヤベェ名前出てこない。あ、そうだ扇さんだ)


 男はなかなか名前が出てこず、思い出そうと焦る


 「あ、はいどうぞ扇さん」


 「ありがとうございます。確認ですが、今まで私たちを指揮していたのは貴方という事ですか?」


 扇は男を真っ直ぐに見つめる。


 「そ、そうですねこの基地の人員と装備などの情報と私のやっていた物と完全に一致したのでその可能性が高いと思われます」


 男は目線を逸らしそうになるのをグッと堪え、まっすぐ見つめる。


 「わかりました、ありがとうございます、それとこれが1番大事なのですが・・・」


 そう言われて男は一息つこうとするが、次の言葉に衝撃を受ける。


 「貴方は私たちに死んでこいと言えますか?」


 彼女の言葉で部屋中が張り詰める。


 指揮をするなら男の命令が彼女達の生死を左右する事になる。相手はアウトサイダーという未知の生物。どんな危険があるかわからないのだ。


 もしかしたら死んでしまうような作戦を敢行しなければいけない時もあるかも知れない。その時に男には言える勇気があるかどうか、考えても見なかったことに男の頭が真っ白になる。


 「わ、私は・・・」


 男が何かを発しようとした時室内に警報が鳴る。


 「敵襲!敵襲!アウトサイダーと思われる反応あり、至急対処せよ!」


 「繰り返す!アウトサイダーと思われる反応あり、至急対処せよ!」


 そうアナウンスが出た直後に彼女達は動き出す。


 あまりの速さに男が呆然としているとミリアスが声をかけてくる。


 「指揮官様!お急ぎ下さい!演習場でも攻撃があたれば危険です!」


 そう言われて連れてこられたのは司令塔と書かれた建物のであった。


 「第二部隊、B装備にて出撃してください」


 「第三部隊、水上からも少数ですが敵襲です、C装備にてそちらを対処してください」


 その中の一室に入る。

 そこではもうすでにいくつものオペレーターが座っており、指示を出していた。


 「それでは私も出撃してきます。指揮官様はオペレーター達から何か言われたらそれを了承してください」


 「あ、はい・・・」


 男は何が何だかわからないまま出て行くミリアスを見送る。


 男は目の前のモニターを見る。


 そこでは激しい戦闘が映し出されていた。


♢♢♢


 人の形、蜘蛛の形、トカゲの形などさまざまな姿に黒い靄がかかった者が猛スピードで基地に向かっていた。


 この者達こそアウトサイダーと呼ばれる者達であった。


 「扇さん!行きますよ!」


 「ああ、まとめて片付けるぞ!」


 そこに彼女たちが現れる。


 扇は左の眼帯を取ると、目を思いっきり開く。その目が一瞬光ると同時に目の前にいた者たちが横に真っ二つにされる。


 「両!」


 「分かっています、全員!攻撃開始!」


 扇がそう叫ぶと両と呼ばれた者はその場にいる者に攻撃を命じる。


 ある者は黒い光弾のような物を手から発射し、ある者は銃のような物で攻撃をする。


 そうして地上のアウトサイダー達は確実に数を減らしていった。


 ♢♢♢


 空中、そこでも基地に向かうアウトサイダー達はいた。


 人型に鳥の形をした者が接近する。そこには一際大きな鯨のような形をした者がいた。その腹には山ほど爆弾を積んでいる。


 そんな彼らに銃弾と光線が降り注ぐ。


 攻撃を受けたアウトサイダー達はその場で霧散し、最初からそこに居なかったかのように消える。

 

 それを高高度から見下ろす翼を付けた者たち。


 その中のリーダーと思われる女性がアウトサイダー達を見ながら言う。


 「よし、護衛を倒した!あとは残りの飛んでるカトンボどもと空と海を間違えた大バカ野郎だけだ!ソッコーで撃ち落とすぞ!」

 

 「了解!」


 そう言い声を出すと急降下しながらアウトサイダーに接近する。


 アウトサイダー達も応戦するが奇襲を喰らい、連携ができなくなっているところを次々と堕とされていった。


♢♢♢


 海からもアウトサイダー達は迫る。


 人型と魚のような形をした者が水中から基地の攻撃を行おうとする。


 それをに対し彼女達も迎え撃つ。


 口に何かを咥えている彼女達はそれぞれ魚雷発射管のような物や長い銛のような物を持っていた。


 「全員行きますよ!」


 「了解」


 リーダーのような者が言うと、水の中とは思えない速さでアウトサイダーに接近する。


 接近するとそのスピードのまま相手を銛で刺すと銛の先端が爆発し、アウトサイダーが跡形もなく消える。


 ある者は魚雷による攻撃、ある者は銛による攻撃と、着々と敵を倒して行った。


♢♢♢


 「圧倒的ですね、うちの人たち・・・」


 男はモニターの映像を見てその強さに驚く。


 (実際にはこんな風に戦ってたのか)


 ゲームの中の簡単な動きしか彼女達の戦う姿を知らないため、圧倒され思ったことが声に出てしまった。


 そうして呆けていると前に座っているオペレーターから声を掛けられる。


 「指揮官、敵影なし、戦闘終了です。帰投命令を」


 「あ、わかりました。えっと・・・皆さん戻ってきていいですよ」


 男は自分に言われたことに少し遅れて返事をする。


 「「了解」」


 それを聞き、各部隊がそれぞれ答える。


 そうしてアウトサイダーによる襲撃は終わりを迎えた。

やっぱり串増えましたねー今の環境

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