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アンファミリア  作者: 童子ん氏
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名前は大事

初投稿です。

 ソシャゲ、そうそれは多くの人がやっているゲームの一つだ、気軽にできて基本的に無料でできる、携帯を持っている人なら一度は遊んだことがあるのではないだろうか、そんな中皆さん一度はこう思ったことがないだろうか?


 ソシャゲの世界に行きたい。


 人生楽しいことが有れば辛いことだってある。そんな辛い時にふと携帯の画面をつけてアプリを開く、するとそこには現実と違う世界が広がっている。ある時はマスター、ある時は指揮官、ある時は司令官、ある時は候補生、ある時は○○くん・○○ちゃん、ある時は隊長、ある時はご主人様、ある時はただの隊員、ある時は一人のプレイヤー。

 

 もちろん現実ではない。


 全てはゲームの中のことで自分はそれを操作している一人に過ぎないのだ、だがその中にもストーリーがありキャラがいる。自分のことをしたってくれる美男美女がいてそのキャラとゲーム内で結婚できるものだって存在する。楽しい世界、面白い世界、そんなのを見てるとついこう思ってしまう。


 ゲームの世界に行けたらなー。


 そう思ってしまう人もいるだろう。


 だが、本当に行けてしまったらどう思うだろうか?

 

 本当にその世界に行けて幸せだろうか?


 もしもその世界に行けたとして今までの自分の行動がその世界に反映されていたとしたらその世界のキャラたちはあなたの事をどう思うのだろうか?


 ♢♢♢


 とある家のとある一室、ある男がスマホを横に持ちFPSのゲームをプレイしていた。


 「うわ〜ん!申し訳〜」


 画面にはLOSEと出ておりそのゲームで負けたことを表していた。

 

 男は一緒にやっていた人と会話をしている。


 「いやーすまんやったわ」


 「相手強すぎ、はいクソゲー」

 

 イヤホンのから一緒にやっていただろう男の声が聞こえる。

 

 男は時計を見る、時計の針は深夜2時を指しておりため息をついた。


 「はぁ〜早すぎ、おま、マジこれ?もう深夜2時なんすけどつまり4時ってことじゃん」


 「そうだよ、実質朝の6時」


 それを聞き一緒にやっていた男は眠そうに欠伸をする。

 

 「欠伸してんじゃんお主、結局今日も朝まで起きてるのぁ〜あ?」


 その相手の欠伸につられて男も欠伸をする。


 「当たり前じゃん、これから動画見てイカのゲームやってそしたらもう朝の6時よ」

 

 イヤホンの向こうの声は眠そうながらもはっきりと言い放つ。


 「草、俺もう寝るわ、明日も大学生あるし君は不摂生の極みライフを送ってくれ」

 

 「おけ、そんじゃな」


 「はいはいおやすみ〜zzz」

 

 そういうと男はアプリを閉じた瞬間に寝てしまう。よほど疲れていたのか分からないがその顔は緩みきっており熟睡している。

 

 そうして男の1日が終わり、新しい1日が目を覚ませば訪れる。・・・はずだった。





 「指揮官様、指揮官様!」


 それはとても心地いい声だった。

 

 「うえん?誰っすか?俺こんな目覚ましの音セットしてないっすよ?いつのまに電子音からキャラクター目覚ましに変えたんすか?」


 男は目を開けず、まだ眠いと言わんばかりに取られそうになる掛け布団を必死に取り戻そうとする。


 「何を言っているんですか指揮官は?速く起きないと仕事に遅刻してしまいますよ?」


 女性は尚も男を布団から引き摺り出そうとする。

  

 「そもそも仕事ってなんすか?指揮官ってなんすか?自分バキバキの大学生っすよ?誰よこんなアラームつけたの」


 男は布団の中で丸くなる。


 それを見た女性はため息をつくと何かを決心した表情をする。


 「指揮官様そろそろ本当に起きてください、そうしないとアルターから借りた主砲を打ちますよ?」


 女性はどこからともなく取り出した長い砲身の銃のようなものを取り出す。


 「あー、はいはい(これ夢か)待ってくださいねー」


 「で、どうします?起きます?死にます?」


 女性は2本指を立てる。


 「やはり私的にはですねぇ、第三の選択肢寝るを推していきたいです〜」


 ドゴォォォォォォン!

 

 男がそう言った直後とてつもない轟音が部屋に響く。


 「ほげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 男は情けない声と共に慌てて飛び起きる。これは明らかにおかしいと思いあたりを見回すが、そこは男の見たことのない部屋であった。


 「ようやく起きましたか、指揮官様」


 そんな男を女性は何事もなかったかのように声をかける。


 男は未だ状況が掴めず頭がパニックになりながらも女性の方を向く。


 「え!?ええ!?誰ですかあなた!?」


 そう言われた女性は困ったような顔をする。


 「何を言っているのですか?指揮官様。私はミリアスですよ?」


 その名前を聞いて男はハッとする。

 

 (なんだ?どこかで聞いたことがある名前だ、それも数年前から、そういえばアルターとか言ってたなそれも聞いたことあるぞえぇっと、考えろ考えろ僕はできる子元気な子ーじゃないじゃないえーとなんだっけっ・・・)


 男はそう考えると窓から広がる光景を見て唖然とする。


 外に広がっているのは住宅街ではなく何か施設のようなもので、空を飛んでいる者や高速で動いている者もいる。あまりに異常な光景だが、どこか男には見覚えがある者ばかりだった。


 (あ、あれ見たことあるぞあれもだ、そ、そして今目の前にいる人も知ってる)


 恐る恐る男は目の前のミリアスと名乗った女性を見る。


 「あ、あのーつかぬことをお聞きしますがよろしいでしょうか?」


 「はい、なんでしょうか」


 「ここはなんで名前の基地でしょうか?」


 基地、初めて見た人がそう思えるほど何かに備えてるように見える場所であった。

 

 そしてそこは彼には見覚えがあった。

 

 「ここはロマリア基地です」


 「今何年ですか?」

 

 「今は希輪98年ですが」


 「私は誰でしょうか?」


 「はぁ、指揮官様何を言っておられるのですか、あなたはこの基地の指揮官ですよ」


 この基地とは彼らがいるロマリア基地のことである。その答えを聞き、男はある結論に達する。


 (なんだ?なんだなんだなんだなんだなんだ!?今までの質問の答え、全部知ってる!う、うそだろ本当なのか?いや、まだ冗談でしたドッキリです!が通じる。頼む、ドアの向こうからプラカード持った人、知り合いか番組ADか芸人の人出てきてくれ!)


 そう男が願っても残酷なことに散らかった部屋の奥のドアからは誰も入ってこない。


 (ほ、本当にか?う、うそだ!こ、ここってもしかして、もしかしなくても)


 男の顔がみるみる青くなっていく。


 「俺がやってるゲームの中に転生か転移したってことか?」


 思わず声を上げる。

 

 それにミリアスはビクッと驚いた表情をしながらもすぐに顔を戻す。


 そして次に出た言葉は男をさらに動揺させるものだった。


 「どうかしたのですか?さあ行きますよ、オキアミたかし君89歳指揮官」


 「・・・ちょっとまって?ちょっと待って!いやいや待って待って待って待って!」


 それを聞いた男は部屋を出ようとするミリアスを慌てて止める。


 「えっ?えっ!えっ?なに?ちょっとごめん、それ私の名前?」


 「もちろんです、本当にどうしたのですか?」


 ミリアスは首を傾げる。


 「いやキツゥ!えっ、なんで?いや、なんでですか!そんな名前じゃないですよ俺には親からもらった名前があるんですよ、誰がつけたんですかそんな名前!?」


 自分が呼ばれたのだとわかるが明らかに自分の名前ではない呼ばれ方をし、動揺する男。


 それを見たミリアスは本当に心配そうな顔をする。


 「本当にどうしてしまったのですか、指揮官が自ら名乗っていたではないですか、書類でもそう書いてありますよ!」


 「いや、そんなバカ・・・な・・・」


 男は思い出す。


 (そういや、俺このゲーム自分の名前決める時すっごい適当に決めた記憶が・・・)


 ゲームをインストールし、始めた時のことを思い出す。


 (ああああああ!うっそだろ!?いや、ウッソだろ!?)


 男は頭を抱える、そして最悪な結論に辿り着いた。


 (ま、まさかこれ。自分のゲームの設定とか今までやっていたことがそのまま反映されてるのか!?)


 これから一生自分の名前がオキアミたかし君89(はく)歳となると思うと男の頭は真っ白になる。


 「あっ終わった、これ・・・」


 そういうと男はそのまま倒れる。


 男が倒れて地面につく前にミリアスが慌てて抱き抱える。


 アカウント名は第二の名前、とても大事なものだと身を以て知った男だった。

続くかもしれないですねぇ。

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