腐っているのは上だけでした
イリス(もう敬意も何もないから呼び捨てで)の部屋から出ると侍女長から、
「あとで私の部屋に来なさい。」
と、硬い声で言われた。
「はい...」
と返事しながらも何故怒られそうになっているのか腑に落ちない。
私はその日の仕事を終え、侍女長の部屋へ向かう。
「失礼します。」
部屋に入るとそこには執事長と、カイルの姿があった。
「何故ここにバドさんとカイがいるのでしょう?」
私が聞くと、その問いにカイルが答えた。
「俺、バドさんと侍女長に事情説明したっす。白だと確信したんで。」
そう悪びれもせずに言った。
カイルの頭に無言で拳骨をぶち込む。
「いっっっって〜〜〜...何するんすか?!」
涙目のカイルに私は
「上の者に確認を取らずに独断で行動した罰だ。」
といった。
「ぐっ、」するとカイルは返す言葉もないようで、黙ってしまった。
「....まぁ、怒らないであげてください。リアさん。私達は侯爵様の不正に気付きながらも告発するのが恐ろしく、見ないふりをしました。ですが、あなた達に協力できるなら、私達は協力したいと思います。」
バドさんは初めてあった日の何かを諦めた目とは違う、強い決心をした目をしていた。
「私もあなた達への協力は惜しみません。できる限りフォローしていきます。」
侍女長も、頼りになる言葉をくれた。女官長の名前はラナンさんと言うらしい。
「そういえば、あのイリスって言う人は?」
今日から働き始めなので、イリスの立ち位置を把握しておこうと聞いてみる。
その問いにはラナンさんが答えてくれた。
「あのお方は元は男爵家の出です。ルワンダ侯爵の愛人ですね。侯爵には奥様がおりますが、領地にいらっしゃるので今羽目を外されているんじゃないでしょうか。使用人達はイリス...様はよく理不尽なことで怒り出し、クビにしたりするのであまりよくは思っておりません。」
概ね予想通りですね。名前を様付けで呼びたくないほど嫌っているのでしょう。
...まだ初日ですが私ももう既に嫌いです。紅茶を粗末にするんですから!
「へぇー、イリス様とか言う人そんな人だったんすねー。俺とかバドさんには『ねぇ、今暇?』とか言いながらしなだれかかってきたっすよ?マジで鳥肌立ちましたねー。」
ルワンダ侯爵は人を見る目がありませんね。私が男だったらそんな女絶対付き合いたく、、、いや、近づきたくありません。
まぁ、それはさておき。
それからいろんな情報を交換しあい、これからどう動くかなどの作戦会議をしました。
今のところ、確実な証拠はわからないので様子見ですね。




