不穏と接触
ちょっと懲罰部隊でこき使われてました。穴があったら潜りたい今日この頃。
1週間に亘るナミの通商交渉が一区切りとなった。
ナミによると、ドルケンへ持ち込める物(コローナからの輸出品目)は、香辛料、塩、工芸品、酒、それに魔具で、持ち出せる物(コローナへの輸入品目)は、鉄鉱石、石炭、鉄鋼製品、魔石、山野草(薬草やポーションの原料)となることが決まったそうだ。特にドルケンへ持ち込み販売する物に関しては売上の1割を税としてドルケンへ納めるという条件になったと言う。利益でなく、売り上げに税が掛かるということは、薄利多売は不可能と言うことになる。売り上げの1割を取られても利益になる商材となると、扱うものはそれなりに高額な物に限られそうだ。尤も、この条件ではまだまだ不利な為、双方の利が最大限に引き出せる様にと今後も実態を考慮し継続交渉していくとの事だ。いくらドルケン国に有利な条件とは言え、それで商会が委縮し、手を引いてしまってはドルケンに入る物が入らなくなるし、ドルケンの商人を有利にしてドルケンの商人に輸入させようとするなら今度は仕入れの部分で結局はドルケンの利益が減ってしまう。その辺りは双方に調整の余地がある。
まあ、いろいろ話を聞かされたが、結局アデル達に直接関係するのは、帰りの護衛と通行証だ。ナミがもうしばらくドルンへ残るため、連絡役用としてカイナン商事にナミ用以外にも3通の入国許可証が発行されたとのことで、もしコローナやグランで急な話があった場合は、アデル達にも伝令を頼む事があるとのことだ。急な話ならアデル、それどころですらない、超緊急の場合はネージュとアンナに頼みたいとのことで、もし必要があるなら、ネージュの身分保証の為に魔石を先に融通するとの話まで上がる。暗に、グランでそういう事態が起きかねないと示唆されている様な物だ。
更に続くナミの発言はアデル達にとってもより不穏な物となる。
「ヴィークマン伯爵だが……ダールグレン侯爵とは余り関係が良くない様だ。代々国境を守る古い貴族であるそうだが、今の当主は中央に不満や野心を抱いていると云う様な話も出てる。尤も、対抗閥のダールグレン侯爵の話なので頭から尻尾まで信じ込むわけにはいかないがね。ただ、こちらの交渉窓口はダールグレン侯爵だと伝えてしまってあるのでもしかしたらいらんちょっかいを出してくるかもしれん。気を付けてくれ。」
「野心ですか?それが東に向くのか西に向くのか気になりますね。」
アデルの問いかけにナミは少し苦笑する。
「野心といっても軍を動かしてどうこうって話じゃないよ。ドルケンにはコローナみたく“辺境伯”の制度がないからね。侯爵と比べると伯爵の権威は結構落ちるんだよ。比較的安全なコローナとの国境といえ国境の維持、警護にはそれなりの費用が掛かる。それに対してヴィークマン領は見合う収入がないと不満を訴えているらしい。まあ、野心と言っても国内権力への野心の事だろう……が……」
そこでナミは一度言葉を止め、少し思案した後に続ける。
「グランやコローナ、フィンあたりで騒ぎが起きれば便乗もありうる……か?」
ドルケンにその気がない以上、ヴィークマン単独でコローナとやりあう力はない筈だ。しかし、オーレリアとの一件、特にノールが予想外に簡単に落ちたことを考えると状況が合いさえすれば杞憂とは言い難い。ヴィークマンが北部戦線の話にかなり興味を持っていたことも気になる。特に、東の辺境伯、エストリア伯は辺境伯の中でも随一の穏健派である。軍備も“四天”と呼ばれる辺境伯の中では一番薄い。さらにヴィークマンがダールグレンに対抗してコローナ国境を封じてしまえばナミは商売どころではなくなってしまう。もちろん、その場合のバックアップとしてグラン経由のルートも話し合ってはいるのだが、そこはナミの一存では如何ともし難い部分である。
「謁見の様子で小物かと思っていたが、存外見くびれない相手かも知れないね。」
アデル達にとっては別の意味で要警戒の人物である。できる事なら今後一切かかわりたくない。アデルはそう思うが、そう言う相手に限って大抵は――
アデルが言葉を無くすと、ナミが一旦その場を切り上げる。
「出発は明日だ。一応入国許可証を1つ預けておくよ。ドルンで済ませたい事は今日のうちに済ませておいてくれ。魔石が欲しいなら早目に言いな。身分保証用の魔石ってのは原石じゃないと中々認められないからね。売り物用に手の入ったものだと少し査定と審査が厳しくなるかもしれないから。」
「つまり、原石の状態で手に入ると?」
「タダとは行かないけどね?」
持ち帰って相談する必要がありそうだ。
「入国証を預けられた。出発は明日、ドルケンの用事は今日中にと。なるほど、つまり――」
宿の自室に戻ったアデルは妹達に先ほどナミが述べていたことを掻い摘んで話すと、ネージュが自分にとって必要な情報を攫いだして結論を述べようとする。
「いや、魔石の原石の調達をお願いするかって話だからね?」
今の断片情報からネージュが出す結論に予測がついたアデルは話を本筋へ戻そうとするが……
「今夜中に温泉に行って来いと!」
ネージュさんを止めることはできなかった。完全に予想通りの結論だ。個人・パーティ単位で町の出入りが可能になる入国証を貸与されたことを言えばこうなるだろうとは思っていたが、よくよく考えたら明日でなく今日の時点でアデルに貸与された時点で、ナミ的にもそのつもりはあったのかもしれない。竜人と翼人を連れてゆっくりできる温泉があればな!恐らくこの言葉もセットなのだろうが。
防具店の店主が話していた秘湯は、馬を全力で走らせれば半日で到着する。しかし今現在、既に昼前。迷わずに向かえたとしても到着は夕方。半刻温泉に浸かったとしてそこから引き返そうとすると、どうあっても夜になってしまう。
「今から向かったとしても返ってくる頃には夜だぞ?」
「最悪、明日の朝帰りでもいいじゃない。温泉に関しても『配慮する』って約束貰ってるんだし。」
「それ、次回までにカイナン商事で温泉施設を確保して貸し切りにしてくれるって話になったんじゃ?」
「えー……まあ、それもアリだけど、やっぱり天然の方が良さそうじゃん?それにアンナの精霊探しも。」
いつの間にかうまい事言うようになりおって。アデルは内心でそう呟く。確かに、ドルケンで一番興味があったのがアンナの呼びかけに答えてくれる精霊の有無だ。アンナもそちらの方面で温泉に期待している様子を見せていたし。
「わかった。町を出る時に衛兵に門限を聞いて、それが間に合いそうな時間だったら……な。朝帰りは流石に無しだ。すぐに準備に掛かれ!」
「応!」
結局折れたアデルがそう宣言すると、ネージュと、そしてアンナも勢いよく行動を開始する。普段あまり見ることにない、無邪気にはしゃぐ妹達を見て、アデルは苦笑しながら門限、又は出立時間に遅刻した場合の言い訳と手段を考えるのであった。
「門限は23時だ。それ以降はどんな理由があっても門が開くことはない。」
入国証を提示し、門を抜ける時に衛兵に門限を確認する。当初はドルケンの若い冒険者パーティと思われたようだが、身分証が冒険者タグでなく、国から発行された正式な書類であったので衛兵たちが少し困惑したようだが、商会の護衛で最終日にようやく町の外に出る機会を得たと伝えると、存分に堪能して来いと送り出してくれた。ヴィークマン伯爵領がアレなだけで、ドルケン自体は意外といい国なのかもしれない。
アデルはレンタルホースに、ネージュとアンナがプルルに乗り込み、いつもの疲労回復の魔法をかけるとネージュはプルルに速歩の指示を出す。アデルはいきなり全力で駆けさせないかと不安もあったが、その辺りは心得ているようだ。
山に入る途中、恐らく帰還中であろう何組かの冒険者と遭遇する。彼らはこの時間から速足で山へと向かう3人組に興味を示しつつも、特に声を掛けることもなく見送ってくれた。数名、アンナの横顔をじっくりとみようとしてた者もいたようだが……兄としては少し心配を覚える。もしかしたらアンナの顔立ちはドルケン人の好みなのかもしれない。ネージュも顔立ちは悪くないとは思うが、体格、年齢的にそう言う対象にはなっていないのだろう。
ネージュはこの時のためにしっかり地図を記してきていた様で、アデルがだいたいこの辺りかと思った所で正確に脇道に入っていった。以前ラウルに渡したノール城周辺の地図も一晩で仕上げたとは思えない出来上がりだったのを思い出し、時折見せる突飛な行動とは裏腹にとこの手の細かい才能はアデルよりもネージュの方が才があるような気がしてきた。もしかしたら人間とは違い、空から地上を俯瞰する機会が多い分、地形等を俯瞰的にイメージする能力が高いのかもしれない。
脇道の入ってからは、人気はまったくなくなったものの、その為か野生の動物に出くわす機会が少し増えた気がする。普段ならカモにするシカ類が大体だが、今回は一切目もくれずに目的地を目指す。
陽がだいぶ西に寄ったころに目的地に到着した。直径5メートル程度の泉から湯気が立ち上りその水が温かい事を証明していた。ネージュは人の気配がない事を確認すると、次に湯温を確認する。
「む。少し熱い。」
「どれ……」
ネージュの言葉にアデルも泉の水に手を付けてみると確かにいつも好んで入っている湯温よりも高い。が、徐々に慣らしつつ入れば入れないことはなさそうだ。少なくともネージュにしてみればここまで来て入らずに帰るという選択肢はない。アデル達には知らないことだが、この温泉からは硫黄系の臭いはほとんどしていない。純粋に火山の地下で温められた水が湧きだしている感じである。地球の技術で分析すればちゃんとした温泉成分もあるにはあるのだが。
「さあ、入ろう。」
ネージュは何の抵抗もなくパーカーとレザースーツを脱ぎだす。こうして広い場所で改めて眺めると、拾った当時よりは明らかに背が伸びている。身体の方はその後の食事と妥協しない鍛錬のお陰か、肉付きが良いというよりは筋肉質と思わせる手足と腹だ。一方のアンナも、ネージュの大胆と言うか無自覚な行動に少し驚きと戸惑いを見せつつも、同様に上着とスーツを脱いでいく。スレンダーな体と白い翼が顕わになると流石のアデルもしばし目を奪われた。アンナはアデルと目が合うと一瞬、隠すようなそぶりをするが、意を決してその視線を無視すると温泉へ向き直り片足を付ける。素振りを中心にしつつ、移動は馬を使うことが多いためか、腕の筋肉と比べると、足はまだまだ少女のそれだ。年齢的に肉付きはまだまだで、少し大きくなりだした尻と比べるとびっくりするくらいに細い。
「入らないの?」
服を脱ぐ気配を見せないアデルを疑問に思ったか、ネージュが声を掛けてくる。
「後でささっと入らせてもらうが、まずは見張りをしておく。何か来たら合図するから、アンナはすぐに《不可視》の魔法を自分たちに掛けて上がってくれ。」
「なるほど。」
「わかりました。」
アデルの言葉に納得し、2人がそれぞれの返事をすると、2人は一度顔を見合ってゆっくりと泉の中に入っていく。
「こちらはプルル達に任せて、俺はあちらを見張るか。」
敢えて2人に聞こえるように口に出すと、反対側に移動する。湯気は立ち込めているが、温泉の上と比べれば見通しは良い。他から人が来たとしてもまずは馬かアデルに意識が向く筈だ。
熱めな為か、ネージュも飛び込むような真似はせず、アデルとは別方向を見張るように身体を外側に向けると慎重に腰を下ろす。
「おおお、おっほぉ。」
ネージュが謎の声を漏らす。翼を動かして2~3度水面を叩くとバシャバシャと小気味の良い音がする。
「広いっていいね。」
「そうね。」
ネージュの声に同意しつつアンナも同じような動作をしてみる。ただ翼の質が違う為か、アンナは1度だけやってみるとバシャンと重い音を鳴らし、2度3度とやる事はなかった。竜人の被膜の翼と比べると、翼人の翼は鳥の翼を大きくしたものだ。羽毛の一つ一つが水分を吸いかなり重くなっている。
「むう。」
その感触を改めてアンナは思い知る。長時間雨に晒されると間違いなく飛行に支障が出てくるだろう。今まではそんなことなど1度も考えたことがなかったが、ネージュと行動するようになって、或いはアデルと槍の鍛錬をするようになってその辺りにも考えが至るようになっていた。
熱さの為か、長湯出来なかったか、アンナとネージュが次々とお湯を出る。持ってきたタオルで体を拭き、着替えのスーツに身を包もうとしたとき、予想外の方向から強烈な気配が接近した。
「「「え?」」」
予想外の方向とは真上である。アデルにもネージュにも気づかれずに“そいつ”は温泉の真上に“突然現れた”のであった。
アデルとネージュは即座に戦闘態勢に入る。相手はやたら露出度の高い推定女。セパレートの水着の側面や正面から不必要な部分を大胆にカットしたような恰好をしている。だが、特筆すべきはそこではない。その背中ある、ネージュと同様の皮膜の翼だ。しかし羽ばたいてはいなかった。ネージュが飛行なりホバリングなりする時に巻き起こるダウンウォッシュも一切発生していない。
「竜人……か?」
「違う気がする。」
アデルが口に出すとネージュがやんわりと否定する。実際アデルも見た目が竜人に似ていると思っただけで“そいつ”が竜人だと言うには少々違和を感じていた。竜人に似ていると思ったのは皮膜の翼と、竜人同様頭部側面、こめかみのあたりから伸びている立派な角のせいだ。
「失礼ねぇ。考えるより先に体が動く蛮族と一緒にしないで欲しいわ。」
声質的に女のようだ。女は翼を羽ばたかせることなく、高度をアデルの正面まで下げる。魔法で浮いているのだろうか。
「はぁ?」
女の言葉にネージュが不快そうに反応するが、女はどこ吹く風とさらに高度を下げそのまま温泉に入ると、先ほどまでネージュたちがやったようにバシャバシャと翼で水面を叩く。
「何のための翼だよ……」
おもむろにアデルが呟くと女は一瞬面食らったような表情をすると、アデルに向って不敵に笑って見せる。
「最初の感想がそこなのね。」
「あんたも温泉に?順番待ちくらいしてくれてもいい気がするけどな。」
アデルが探るように声を掛ける。女の注意がアデルに向いている間にネージュは温泉の脇に置いていた武器ホルダーのベルトを腰に巻き付ける。武器はまだ抜かない。
「……気を付けてください。強力な精霊?を連れているようです。」
アデルの陰に隠れるように移動しながらアンナがそう告げる。
「あら?良く分かったわね。あなたは精霊使いなのかしら?」
女がそう言うとその女の背後に強烈な魔力を発する漆黒の陰が現れる。
「闇の精霊?」
「そう。光の精霊が光を捻じ曲げて姿を誤魔化したり隠したりするのに対して、闇の精霊は他者の意識の隙間に紛れ込ませるの。流石に面と向かって話している最中には難しいけれど……」
アデルが尋ねるとそう答えが返ってくる。
「……で、何の御用かな?本当に温泉に浸かりに来たのかい?」
「当初は……ね。まあ、見ての通りあんまり人前に出たい存在じゃないから隠れていようかと思っていたのだけれど……」
女はそこで言葉を切ると、『う~ん』と身体を温泉内で伸ばす。
「あなた達……翼人の子は違うわね。あなた達2人から私の探し物の気配を感じたのよ。」
「探し物の気配?」
「そう。例えば旧時代の遺跡に眠る黒い表紙の本とか。」
「随分と具体的な例えですな。」
「その子の反応を見るに心当たりがありそうね?」
「え?」
女が一瞬ネージュに視線をずらせそう言うと、アデルが思わず反応してしまう。アデルは少し驚いた声を上げてネージュに視線を向けるとネージュは黙って首を横に振る。
実際の所、ネージュは一切反応していなかった。単にアデルの視界の外にいたネージュを出しにしてカマを掛けられたのだが、それにアデルが騙されてしまったのだ。
「……少なくとも俺たちは持ってませんよ。」
「その様ね。持っていたらその程度の魔力しか持っていないわけないもの。」
「HA?」
アデルは何となく馬鹿にされたような気がして思わず声を荒げてしまった。何かがおかしい。アデルは声を上げると同時に頭の片隅で何かの警鐘がなっている気がした。
「バカが付きそうなほどの正直ねぇ。アレが何だったかわかってないみたいね。アレはどこにあるの?少なくとも人間が扱えるような代物じゃない筈よ。」
「俺らが見たものが本当にあんたの探し物と一致してるとは限らないんだけどな……もし一致してるとしたら、アレは何だったんだ?」
「なんだった……ね。なるほど。」
そこで女は意味深に目を細める。
「アレはどこにあるの?」
女の背後の影が揺らぐ。
「お兄様!」
「おっと。あなたは今動いちゃだめよ?」
何かの魔法を使おうとしたアンナを女が牽制する。
「簡単な質問に答えてくれたら、簡単なヒントを上げるわ……アレはどちらの方角にある?」
「北――恐らく北西。」
無意識にアデルはそう口にしていた。なぜそう口にしたのかアデルにも分からなかった。なんとなく反射的に答えてしまったのだ。
「そう……ドルケンには遺跡が多いって聞いてたからこの国にあると思っていたのだけど……違ってた様ね。約束通り簡単なヒントを上げましょう。聞いたところでどうすることもできないでしょうけど。
――アレは媒体よ。闇の精霊でなく、闇そのもののね。さて、それではお兄様。機会があればまたお会いしましょう。」
女がおもむろに半分立ち上がり、背中の翼を打ち付けて大量のお湯をアデル達に掛けようとする。アデルが咄嗟にそれから身を守ろうとした瞬間、女の姿は消えていた。
「闇の精霊は相手の意識に作用するそうです。お兄様たちが全く気づけなかったのも、無意識に口を滑らせたのもそのせいでしょう。かなりのレベルの精霊使いのようですね。」
「まんまと文字通りの術中に嵌っちまったって訳か。なんだったんだ?竜人じゃあないよな。」
「少なくともあんな角の竜人を見たことはないね。」
アデルの言葉にネージュが答える。アデルは改めて先ほどの女の顔を思い出そうとする。こめかみから前に向かって伸びていたのは羊の角のような渦を巻くような角だった。
「……」
「……せっかくだし少し浸かってけば?今度は私が見張ってる。まあ、人間の男の裸なんて見られたところでどうってことなさそうだけど。」
「お、おう……」
ネージュの言葉にアデルは気を取り直し、結局お湯に浸かっていくことにした。
「少しゆっくりさせてもらうわ。アンナも今のうちに精霊に呼び掛けてみればいい。」
「そうですね。」
《精霊使い》としての歴然とした実力差を思い知らされたアンナは改めて、精霊魔法に付いてもっと精進しなければと思うのであった。そして、自分が扱っている物の大半は実は“精霊魔法ではない”ということに気付けるのはまだまだ先である。




