登場人物紹介(コローナ王国内)
(旧題:勢いで兄を始めることになりました。)
第1部終了を機に改題いたしました。
予想以上に膨れ上がったため、コローナ篇とその他篇の2つに分けます。
第1部終了時点での主な登場人物の紹介とその後(現状)
名前(年齢(初出時→現在))
概要
―主人公パーティ―
アデル(16→19)
主人公。民族(種族)主義の差別の激しい国の西の果ての辺境の村で生まれる。
貧しいながらも健康・健全に育ち、隣人に恵まれ戦士としての実力をつけるが、故郷の村を魔物に滅ぼされ、差別意識の薄い西(コローナ王国)へ向かうことに。
愛馬と共にとにかく自分たちだけでも逃げ延びようとしていたが、途中で見つけた亜人の少(幼)女に、同族に迫害され守り切れなかった“妹”の影をみて連れていくことに。
最初は荷馬・荷馬車を扱える冒険者として珍重されたが、その後《戦士》として着実に実力をつけ、表立っては目立たないながらも冒険者として知る者には知られる存在となっていく。
(第1部終了時)現在は、コローナ王国王太子からの“ラストオーダー”を成功させ、充分な報酬を受け取り冒険者稼業に一区切りをつけ、宅配万事屋ヴェント・ブルーノ商店を立ち上げ、平和ながらも忙しい毎日を過ごしている。
竜人幼女→ネージュ(10→13)
竜人族の幼女。ただし種族柄身体は人間よりも強靭。
竜人の基本能力である“竜化”が出来ない“珠無し”として部族内の斥候として名前すら与えられない最底辺の扱いを受けるが、部隊壊滅に便乗して逃亡。体力が付きかけたところでアデルに発見され、どの種族でも珍しい白く輝く髪色からネージュ(雪)と名付けられる。
当初は筋力が足りず一般的な武器を扱うことが出来なかったが、元々鍛えられていた斥候としての敏捷さと翼を使った3次元機動を活かし特殊クラス《暗殺者》として実力を付けていく。
正確には竜人でなく、竜と竜人のハーフであり、竜人とは違った“竜化”が可能であると後に分かる。
気が強く、たまにS気を見せて他人と関わることもあるが、基本は竜人らしく“力”と“食い物”以外には殆ど興味を示さず、それ以外は原則アデルに丸投げ。
現在は宅配業務をこなす傍ら、戦闘を求めて時折ドルケンに傭兵として向かい参加し、かつて自分を見下し扱き使っていた軍団を相手に戦っている。
アンナ(13→16)
水と光の精霊に愛された、空色の髪と白い鳥型の翼を持つ翼人。本来の名はアンジェリカ。
大恋愛の果てに身分によって引き裂かれたドルケン王太子(現国王)が翼人女性と設けた隠し子で、色々な者から命と身柄を狙われていたと判明する。それぞれから優秀な能力を受け継いでいるが両親の事は何も知らずに育つ。
逃げ延び先であった村を守る為に村長に売られ、山賊に囚われていた薄幸の美少女。
生きるために切った張ったの冒険者業に就いてはいるが対人戦闘にはまだまだ抵抗がある。
冒険者ギルドへの登録的には《精霊使い》としているが、実際に扱う精霊魔法が現在体系化されている精霊魔法とは異なる。また、護身のためにアデルや父親から鍛えられ、槍と楯を扱った戦闘もできるが、本職の《戦士》には及ばない。
現在はアデルと共に宅配万事屋経営に携わり、カンセロの店舗で接客の傍ら家事もこなし、たまに宅配にも手を貸しSR美少女宅配員として顧客一部から有難がられている。
オルタ(15)
有力私掠船団テンペスト私掠船団ことレインフォール商会の頭領、レイラに預けられ、育てられた真っ黒に日焼けしたイケメン男子(当時)。
元々はレイラの友人(人間)の子供だが、事情により養えずにレイラに預けられ、片腕として実力を付け信頼されている。
体はバキバキに鍛えられており、鉄の塊である鈍器とも言える剣の“鞘”を振り回して他を圧倒するパワーファイター。しかし抜刀すると古代技術によって生成された“透明な剣”を持つスピード型の剣士に化けるが、これは“奥の手”であり、通常他人には見せない。
陽気な性格であり、陰気或いは引っ込み思案なアデル達(上記3人)を引っ張ることもあるパーティのムードメーカー。
海・船、海戦に関しては比類なき知識と強さを見せる。
その言動から現フィン国やフィン国王には並々ならぬ嫌悪を覗かせる。
現在は(元)大型商船乗り兼戦闘艦副艦長としての経験と知識を買われ、コローナの新造する港の設計に呼ばれている。
ブリュンヴィンド(0→1)
人間の密猟者により両親を殺されたグリフォンの子。
元々は卵の状態で攫われ、運ばれていたところを親の配下のグリフォンにより救出、グリフォンとアデル達の話し合い(物理)の結果、和解がなされ、巣へ戻されようとしていたところで、彼の卵だけが先に孵化し、刷り込みによりアデルとアンナを両親と誤認した。
結果、グリフォンの群れからアデル達に預けられ育成されることになり、アデルから人の言葉(発音できないが理解し、必要に応じて精霊を介して話せる)と常識・良識、そして戦闘を、ネージュに飛び方と戦闘を、アンナに精霊語と精霊魔法を習う。
現在はアデルの店の象徴となっており、アデルやアンナらと共に仕入れや宅配を担っている。
ハンナ(?)
アデル達のイスタ東征時の敵種族、ケンタウロス族の娘。
アデル達の策にまんまとはまり捕縛された後、自由を賭けた戦い(アデルとネージュに唆されただけ)においてオルタに敗れ、以後師事することになった。
ケンタウロスとしてはまだ幼体ながらも、体躯を生かした槍術は人間には騎士だとしても真似のできない芸当である。
目が大変よく実は槍より弓の方が得意。
オルタを“師匠”と呼び弟子として振舞うが、どちらかと言うと同じ武器種であり、馬身のメンテナンスが上手いアデルに懐いており、ネージュの入れ知恵によりアデルを“兄者”と呼び慕う。
―パーティ外の同居人―
ユナ・キウル(12→13)
ベルンシュタット海洋基地から救出された犯罪奴隷。
アンナ同様に美しい容姿と翼を持つ翼人。
元々はオーレリア連邦で拉致され、地下組織によってベルンシュタット第1王子に売られた妾。第1王子に穢されること受け入れらず抵抗、共に夜伽に呼ばれていた数名と一緒くたに犯罪奴隷に落とされていた。
他の奴隷との確執に配慮し、オルタに預けられる。オルタの嫁。
結果として同じ翼人であり同様の境遇にあったアンナによって精神的に救われた。
元は武家の出らしいが、その不名誉と人の命より馬の命の方が高いと揶揄される連邦に戻るつもりもないらしくオルタに尽くしている。
ティア(23→24)
ネージュのカンセロ西部偵察の折、敵本隊から離れ何か密談しているところをネージュに見つけられるが、そのネージュが密談相手の密使に見つかったため戦闘に。
密使は殺され、ティアも殺されかねないところだったが、命乞いの結果助命されネージュにお持ち帰りされる。
元々はタルキーニの身分ある家の娘だったらしく、戦闘能力はほぼないが、十分な教養があった為、現在はアデルの店の経理を任されている。
ルーナ(13)
ドルケンを追われたアンナが預けられた村の村長の娘。アンナを新しくできた姉と慕っていたが、自分の為にアンナが売られたことを察してしまい依頼塞ぎ込む。
村がフィン軍によって襲われ、目の前で父親始め多くの村人がフロレンティナによって殺されたのを目の当たりにしてフロレンティナに強い憎しみを持つ。
フロレンティナの襲撃を、アンナの母を追って訪れていたリシアと、幻獣である一角天馬によって救われ、しばらく一角天馬に隠匿されるが限界が近づきつつあると(天馬が)察し、《精霊使い》であるリシアに、そのリシアからアデル達に救援要請が成され、アデル達に保護さると同時に、姉との再会を果たす。
父は高レベルの剣士であったが、姉に憧れたか、天馬に示唆されたか槍を武器として手を取る。アンナ同様、幻獣や精霊とは相性が良い様だ。
―その他の人物(コローナ王国)
アリオン
エストリアの冒険者の店、エストリアの暁亭の店主
元々Aランク冒険者であり、人を見る目は確か。
アデルとネージュの才能と可能性を見出し店へと受け入れ、さらに王都進出の為に手を貸す。
現在はエストリアの冒険者と冒険者の店の代表として、各方面に強い影響力を持つ。
(ヴェーラパーティ)
最初の仲間、アデルとほぼ同時に冒険者になった田舎者たち。
・ヴェーラ(17→20)
アデルとネージュが冒険者初仕事として最初に合同で依頼を受けたパーティのリーダー
温厚で人当たりが良く、困った人を見捨てられない性格に加え、故郷の村で村の巫女より“勇者”として預言されたことにより、人一倍どころか、人五倍くらいは正義感が強く育った。
しかしその性格が災いし、辺境地方の勇者として複数の村落から祭り上げられた結果、ギルドを通さない依頼を多数こなして冒険者ギルドから干され、後にパーティも離散してしまう。
後にギルドから独立し、エストリア辺境伯の後援で“東の勇者隊”(他称)を結成。
その預言通り実力、成長速度共にアデル達を凌駕し、最初のエストリア東征では敵司令であり、圧倒的な力を誇る竜人に深手を負わせ、撤退せしめた。
しかしその“東の勇者隊”も竜人の復讐に対して無理な防衛計画に駆り出され、パーティメンバーを攫われることに。
現在はドルケン北部で竜人の部族相手にゲリラ戦を行っているという噂が広がっている。
・エスター(16→17(故人))
ヴェーラの幼馴染でパーティの一員。熱血漢で曲がったことが嫌い。ヴェーラを全面的に信頼しているが、実はフォーリが好きだった。
ヴェーラパーティがギルドから干され、離散した後に自分を選んでくれたフォーリと共にテラリア皇女による魔の森突破の依頼を受けるが、敵陣を抜ける時に捨て駒にされ敗死。
・フォーリ(16→?)
ヴェーラたちと同郷。おしとやかな美少女。ヴェーラの“勇者”に対して“聖女”の預言を受けるが、これが後にヴェーラ・エスターとの三角関係に。
パーティ離散後、エスターと共にテラリア皇女による魔の森突破の依頼を受けるが、やはり捨てられ蛮族軍に連れ去られた後、現在は消息・生死共に不明となっている。
・ヴェルノ(15→18)
ヴェーラの妹。人見知り。幼いころ村を救った冒険者の《魔術師》に憧れ、また自身もその才能を備えていた。他のメンバーより冷静であり、前のめりがちなパーティのブレーキ役だった。
パーティ離散後は紆余曲折を経て、ラウル隊(後述)に正式加入し、冒険者として、魔術師として活躍している。
(東の勇者隊)
冒険者ギルドに干されたヴェーラに引き続き仕事をさせる為、、各村落から優秀な者が選抜されヴェーラに付けられた者達。
・ロイ
東の勇者隊の主力戦士。
・ドミニク
東の勇者隊の神官。エリート意識が強く、エストリア東征に一緒に参加したアデル、特に亜人であるネージュやニルス達を扱き下ろした。
後に隻腕となった竜人の報復のエストリア攻撃の際に拉致られ無残な姿にされ、発狂した状態でエストリア辺境伯に隠匿されている。
ジョルト
コローナを中心に各地にジョルト商会を展開する豪商。
日用品から奴隷まであらゆる商品を扱う。
趣味は冒険者の青田買い
クロード・セバスチャン・エストリア(エストリア辺境伯)
平時の名君。領の内政や開発に尽力し民からの信頼も厚かったが、テラリア皇国の皇女一行に唆されてエストリア(コローナ)と蛮族軍との開戦の引き金を引いてしまう。
以後、軍事・安全保障を二の次にしていたことや冒険者ギルドを蔑ろにしていたツケが回り始め、領土・立場ともに苦しくなっていく。
現在はコローナ東部の不安定化を招き、また第3王女を狙撃しようとした責任を負わされ謹慎中。
レナルド
エストリア辺境伯の側近。エストリア防衛隊長
アリオンの友人で本来は有能なのだが、東伐の際に焦りで無理な攻めを行い、多くの損害を出しアデルからの評価は低い。
後にその反省を生かし大きく成長する。
ロゼ(16→18)
本名はロゼール・クロエ・エメ・コローナ。コローナの第3王女。コローナ王族の慣習である社会勉強の一環で、冒険者として(ある程度安全が確保された)依頼をこなす。
また地母神・レアの敬虔な信徒で《神官》として確かな実力も備えており、当初は雇われ神官ロゼとしてアデル達とは2~3回共に旅をする。
魔法や神学、文化に対する造詣も深く、研修期間(?)終了後は、王女としてコローナに尽くし、時には国益の為、個人的な知人であるアデル達をうまく利用しようと関係者を通して依頼を出したりもした。
現在は王太子である兄を補佐しつつ、コローナの発展の為、古代に失われた魔法の研究や解析を主にしている。
(オランパーティ)
王都への輸送護衛とその次のグラン交易護衛の際にアデル達と同行した駆け出しパーティ。護衛の仕事をやや甘く見ている節がある。
要領が良く金に目がない。楽観的で物事を軽く考える嫌いがある。
後にカイナン商事を敵視する者に唆され、密猟・密輸事件を起こし犯罪奴隷化。
・オラン(17→20)
パーティのリーダー。《戦士》だった。ナナとは恋仲だった筈だが……
現在は犯罪奴隷としてひたすら舟を漕ぎ続けている。
・グレイ(17→20)
パーティの《戦士》。メロとは気が合う様だったが……
現在は犯罪奴隷としてひたすら舟を漕ぎ続けている。
・ナナ(17→20)
優秀な《魔術師》だった。
現在は犯罪奴隷脱却の為、高級娼婦を目指しているらしい。
・メロ(16→19)
パーティの《斥候》を兼ねた《拳闘士》。後に修行し《暗殺者》となる。
パーティに密輸の話を持ち掛け、ブリュンヴィンドの両親を殺害したのがメロであったのだが、ドルケンの密猟者捕縛の際に唯一その手を逃れた。
現在はテラリアを目指してドルケン北部に潜伏中。
ブラバド
王都の冒険者の店。ブラーバ亭の店主
アリオンとはかつて共に冒険者として活動した仲
王都・人族の中心地としての常識や振る舞いを流れ者であるアデルや亜人であるネージュに教示し、同時に可能な範囲で冒険者生活を軌道に乗せるための手助けをする。
現在も王都で多くの高ランク冒険者パーティを育て、抱える店の主として評判である。
ナミ・ソーノ
カイナン商事代表。元は旧ブリーズ3国やグランの孤児を集めた傭兵集団、フィーメ傭兵団の代表。
グランに於いて傭兵団としてフィンとの紛争で活躍。功績がグラン王国に認められ、また当時の軍務大臣ファントーニをパトロンに付け、コローナの交易を取り仕切る豪商となる。
ヴェン
ナミの腹心。
(鬼子双子)
アリオン邸でくすぶっていた冒険者、鬼子、双子のダブ厄で正当な評価を受けられずにいたが、アリオンの案でアデルのパーティに“陣借り”して活躍。
実はフィンに滅ぼされた小国の上位貴族家の生き残り。鬼子、双子故、物心つく前に家からは放逐され、テラリア西部で親類の剣の師に育てられる。ナミが母のことを知っている様子。
現在はカイナン商事で“実務”を担当し、重用されている。
・ニルス(26→29)
双子の兄。武器はバスタードソード。
大柄なので良くも悪くもよく目立つ。ミルテよりは慎重な性格で大きな失敗はしない。
・ミルテ(26→29)
双子の妹。武器は太刀。
血の気が多く無茶をしがちだが、意外と機転が利き、時に大成功を収めることも。
(ラウルパーティ)
アデル達と冒険者としては同期。当初はその身分さから上から目線でアデル達に絡む。
昔、エルメス領内で活躍した“蒼き竜騎兵”(下記ディアスパーティ)に憧れを抱いていた。
当初はアデル達をライバル視したが、出世払いでいいとして貴重な情報、戦功を譲ってきたアデル達に貪欲さが足りないと徐々に見方を変えていく。
英雄を志し北部戦線へ。すぐにアデル達よりも実力、評価共に超え、後に北の英雄と呼ばれるようになるが、軍部の焼き討ち・略奪に疑問を感じ離脱。
その後、イスタを始めとし、東部地区で何度か共に仕事をこなす内、アデル達の実力を認め、最終的には信頼している。
現在は拠点を実家のあるコローナ南西部に戻し、フィンの侵略に対して備えていると言う。
・ラウル(17→20)
パーティリーダー。エルメス男爵家のドラ息子。次男。
戦場を渡り歩き名を馳せたいという英雄願望の持ち主。
充実した基礎教育を受けており、上級クラス《騎士》として高い能力を持つ。
突破力と統率力に優れる。
・ブレーズ(17→20)
ラウル・ジルベールの同級生。エルメス家の家臣の息子
物静かで一歩引いたところで状況を俯瞰する能力に長ける。
《騎士》としての能力はラウルには及ばないものの戦闘能力は高い水準で安定している。
・ジルベール(17→20)
ラウル・ブレーズの同級生。やはりコローナ西部の貴族の3男である。
お調子者だが義に厚く、一度交わした友誼は可能な限り貫き通す。(国や家の事情が絡むと流石に無理)
身体も他の2人より大柄で、やや鈍重ながら大楯での守備能力は極めて高く、所謂タンク的な役割も担う。
・ブランシュ(19→21)
山賊に囚われていたところをラウル達に救出され、彼らに尽くすことになった。
《神官》として高い能力を持ち、また他種族、生物、地域、文化等幅広く豊富な知識を有している。
物腰からして元々は名家の御令嬢と言う印象を受けるのだが……
(蒼き竜騎兵“ブルードラグーン”)
国で五指に入ると言われた有名パーティ。
西部戦線で大いに活躍し、Sランク到達も確実視されていた中、パーティメンバーのマリーネの死亡を機に解散、引退予定だったが、世話になったブラバドの頼みで最後にアデルたちの“指導”を行う。
・ディアス(32→35)
ネージュの正体に気付いた上で、アデル達に注意と助言を与える。
貴重な魔具や武具を多数保有し、冒険者としての個人の戦力は国内屈指だった。
玉なし竜人族の恋人がいたが、周囲の好き勝手な言動に辟易としていたところに無理な仕事を押し付けられた挙句、その恋人を亡くし、失意と人間不信の中にいた。
・ルベル(30→33)
パーティ解散後、西部アブソルート領に残った元《戦士》。
稼業も個人で続けようとすれば十分な実力を持っていたが、蓄えも十分にありセミリタイア。パーティで購入していた屋敷を買い取り、メイドと共に穏やかに暮らす。
最近、ディアスが少しずつ“昔”を取り戻しつつあるという知らせを受けて安堵している。
・ソフィー(30→33)
パーティの《魔術師》。元々魔術に興味があり、庶民出身の中では比較的魔術に触れる機会の多い冒険者は趣味と実益を兼ねた稼業であった。
パーティメンバーに恵まれ、多くの魔法と知識を得たが、冒険者という生業に執着はなく、パーティ解散を機に中堅都市へと移住を決意。後にヴェルノを弟子に取り、後継として育てていた。
・マリーネ(享年27)
珠無しと呼ばれ、竜人族の中では落ちこぼれであったが、人族社会に適合し、竜人ならではの強靭さで冒険者として活躍していたディアスの恋人。西部戦線で多大な戦績を上げたが、今一信頼されず戦時中落命、パーティ解散&引退のきっかけとなった。
(フルール ルージュ(ブラッディローズ))
自領内で発見された遺跡を秘密裏に探索すべくアデル達を都合の良い“護衛”として雇う。
1世代上で活躍しているSランクの《聖騎士》パーティであるヴァンブランシュ(白風)を目標とし、同世代同格のラウル達をライバルとして目の敵にする。
ラウル達と同じく、北部戦線に参加し多大な戦功をあげ、本来は白金である聖騎士の鎧を返り血で赤く染めて帰還するところから“ブラッディー・ローズ”の異名で敵味方から恐れられる。
最終局まで北部戦線に身を置いた結果、敗戦後の消息は不明となっている。
・ローザ・フォルジェ(19→22)
子爵家三女。貴族としての家格と、家庭内での序列が微妙に低いため名声に貪欲。
15才でテラリアンアカデミーに留学。外部生でありながら、首席卒業を果たし周囲をざわつかせながら“聖騎士”の称号を得る。
自分の名声の為なら手段を選ばない。ハルバートによる攻撃が凶悪。
依頼が終わった時点で、アデル達を『使える』と判断し、取り込もうとするが、ミシェルらが反対している隙にアデル達が長期遠征依頼に出たため立ち消えに。
・ミシェル(25→27)
子爵家陪臣の長女。ローザを信奉するローザの護衛。苦労人の筈だったが、遺跡で魔法武器を手にしてから言動が極端になった。
・ティルザ(20→23)
元々はテラリアの貧民。留学中のローザにスリを仕掛けるが逆に捉えられ、犯罪奴隷同然でローザに買われた。
・カタリナ(20→23)
テラリア出身。ティルザの親友。かつてティルザに助けられたことがある。
ティルザに懇願されてパーティに参加するも、ローザの立ち居振る舞いに引き気味。
実はテラリアが嫌い。
ポール・アルシェ
コローナ王軍第1騎士団第3中隊長。アデル達の北部遠征時、兵站部隊を取りまとめていた隊長。
アデル達の能力を高く評価し、アデルに《指揮》技能を推挙する。後にロゼール警護のリーダーとして任務をこなす。
現在は王太子レオナールの側近の情報武官として身分は高くないが重用されている。
ラピス(54→56)
森人族の冒険者。高レベルの《精霊使い》としてアンナ達にアドバイスを行った。
実のところはレオナールの命を受け、諜報・工作員としてフィンに向かうのだが……
テラリアが嫌い。
リシア(30→32)
翼人族。当初は翼人族であることを隠しているが、アンナが同族かつ、探している友人の娘と知るとその素性を明かす。ラピスの数少ない友人で長い間共に行動していたようだが、フィン国到着後にラピスに別れを告られる。しかしその理由も何となく察しているためそれを受け入れた。
しばらく共に行動し、アデル達(主にアンナ)に指導を行いまた旅に出る。
後にフロレンティナの“治療不可の呪い”と重い傷を受け活動不能状態に陥っていたが、ペガサスに導かれたアデル達と再会、協力を得て呪いを解き元の身体を取り戻す。
現在は旅を再開し、時折アデル達の所に訪れアンナやルーナに精霊魔法を教えている。
(ヴァン ブランシュ(白風))
6年ほど先輩にあたるSランクの有名有力パーティ。
イリス・アンジェラ・フラムは共にフラムの父、ウィリデ・ヴェイナンツに槍と馬上戦闘の手ほどきを受けている。
多くの女性後輩の憧れの的。
現在は激化する一方である西部の対蛮族戦線に参加している。
・イリス・ウェストン(24→26)
西部、ウェストン辺境伯の三女。
15才からテラリアンアカデミーに留学し、コローナに戻ってからは父親の所に身を寄せていたウィリデ(フラムの父)から槍の手ほどきを受けている。
自他に厳しく、聖騎士の称号を取得して西南戦線に参加。
・アンジェラ・ルデュク(26→28)<Pa>
ウェストン辺境伯の寄り子、ルデュク子爵の三女。イリスとは幼少期からの親友であり学友。同じく聖騎士の称号を持つ。
・ティルダ(24→26)
テラリアでイリスと知り合う。元々はテラリア中央の貴族家の出だが、家が権力争いに敗れ没落。
テラリアで犯罪者扱いを受けたところでコローナに亡命。学友だったイリスを頼る。
・サーラ(24→26)
ティルダの友人。同様にコローナに逃れてきた。イリスたちとは学友。共にヴァンブランシュを結成。
レオナール・ルイ・コローナ
コローナ国王太子。
常に、『いかにコローナを強大国にするか』を考えており、実行力も冷徹なレベルで備えている。
王家の慣習により冒険者として活動した経験もある為、冒険者やギルドのシステムにも造詣が深いが、その分、時には冒険者を使い捨てしたと捉えられかねない作戦も企てる。
中央貴族からの支持は強固なものであり、意に沿わない上に実力を示せない領地持ちの地方貴族は排除したいと考えている。
マリアンヌ(19→20)<Pr>
本名はマリアンヌ・クロエ・エメ・コローナ。ロゼールとは同じ父母を持つコローナ国の第2王女。優れた範囲回復魔法の使い手で、ボランティア的に各戦場を回り負傷兵を慰問している。
回復魔法の範囲と効果は通常の《神官》が扱えるものとは比較にならない程強力で、独自に《聖女》としての称号を持つ。
現在、西の大国、ベルンシュタットの王太子との婚姻の調整が進められているが、両国の様々な思惑が絡みあまり進展していない。
ウィリデ・ヴェイナンツ(40→42)
幼少期のアデルの隣人。フラムの父親。アデルとフラム、イリスたちに槍を教えた武人。
元は、テラリア皇国第2騎士団長。フラムの母(狐人)に一目ぼれするが、周囲の反対により出奔。
その後、テラリア西部の辺境で暮らすが、フラムと嫁が亜人であることが発覚し、差別を受けるようになる。
2人の為に村を捨て、5年前よりコローナに移住しウェストン辺境伯の元で活躍。コローナでも男爵の地位とささやかな領地をを得た。
現在はグラン遠征の功績を評価され、男爵に陞爵、エストリア辺境伯から切り離されたイスタの地を領地として賜り、コローナ東部~グラン西部、旧タルキーニ地域の安定の為に尽力している。
フラム(17→18)
アデルの幼馴染。アデルとは兄妹同様に育てられるが、11才になった時に亜人(狐人)であることがばれ、差別意識の強いテラリアの村の退去を余儀なくされる。アデルが“妹”という存在に複雑な思いとトラウマを抱かせた原因でもある。後にコローナでアデルと再会する。
ルーリア(月神)の神官で、能力的には《聖騎士》の資格を持つものの亜人であるために認められず、クラスも《騎士》と同等ながら若干扱いの悪い《騎兵》とされている。
自分では手の届かない“聖騎士”の称号を持つイリスたちに複雑な心境を持つ。
現在は父親の仕事のサポートを行っている。
ロベール・ルモニエ
東征の折、遊撃部隊の騎士隊長を任された中年男性。
平民出身から騎士爵に上り詰めた生え抜き。事故を発端に同士討ちで崩壊しかけた部隊を命を賭けて収めた。
息子がイベールの従騎士を務めており、後にコローナのワイバーンライダーの1人になる。
ファブリス・ルモニエ
ロベールの嫡子。イベール子爵の従騎士だったが、父の死亡により家督を相続。成人後にワイバーンライダーになり伝令を任されるようになる。
父親の仇であるネージュ、延いては竜人・亜人を憎んでいる。
ヴィクトル・アタル
東征の折、ロベールに率いられていた騎士。
子爵家の嫡男で幹部候補生。
平民出のロベールの事をやや見下していたが、ロベールの最期の的確な判断と仲間の死を見て改心。
血統主義から実力主義に目覚め、グランディア解放戦にも従軍。評価されるに十分な戦績を収める。
拙速的・攻撃的な作戦を好み、エドガーのことを臆病者と見ていた。強攻策にでて、フロレンティナにより大損害を被りグラン解放から外れたが、後に北部方面で名誉挽回を遂げる。
アンナに好意を抱き、アデルに複雑な感情を持つ。
エドガー・ディオール
東征の折、ロベールに率いられていた騎士
男爵家の嫡男で幹部候補生。ヴィクトルをライバル視している。
カミーユとロベールの柔軟かつ人的損害を極力抑える作戦を好む。グラン解放、復興に大きく貢献する。
グラン移住後のアデルらとは友好的な関係を築いている。
ラグ・タンヴィエ子爵
グラン解放の為のコローナ第2旅団に参加していた将軍。
悪気はないが面倒な人。当初はいわゆる無能な働き者だったが……
パトリック・ジョルダン
ラグ・タンヴィエ子爵の副官。オーヴェ平原にてフロレンティナの“疑似隕石召喚”に巻き込まれて戦死。
ラグ覚醒のきっかけとなる。
プルル
アデルの出生前からアデルの親に飼われていた馬。栗毛。
賢く、馬に不慣れな物を乗せても安定して姿勢を維持させることが出来る。
ドルケンからの帰還時、嗾けられたグリフォンの襲撃によって死亡。
死体の皮はネージュとアンナが常時、アデルが平時に履いているブーツの素材として転用され、現在でも彼らの足元を護っている。
ヴェント
賊から奪ったアデル達の馬。プルル同様、グリフォンの餌食に。




