そうだ、温泉に行こう。
「最近、何となく忙しくて忘れてたんだけど……」
夕食後、ネージュさんは唐突に何かを思い出したようです。
「今、私たちってドルケン出入り自由じゃない?」
「そうだな。」
パッと表情を輝かせたネージュにアデルが相槌を打つ。
「竜人だったり、翼人だったりも関係なくなってるじゃん?」
「そうだな。」
「今なら堂々とじっくり温泉に行ける!」
「そうだな……」
「今ならアンジェリナパパからもっといい温泉の情報も聞けるかも!」
温泉と云う言葉に、同じく前のめり気味に聞いていたアンナだが、最後の言葉で一歩引いてしまった。
「一国の王を観光案内の如く扱うのはやめて差し上げろ。あと滅多な事を人前で言うな。」
アデルがちらりとアンナをみつつ、そう嗜める。
「まあ、私はもうどちらでも構いませんがね。温泉ですか……前回は大急ぎの上に邪魔まで入りましたし……ゆっくりできるならもう一度行ってみるのもいいかもしれません。」
アンナの方は少々引いた様子を見せながらも結局は大いに乗り気のようだ。
「温泉?なんだそれ?」
聞きなれない言葉だったのか、意外にもカミラがそう尋ねてくる。
「あれ?聞いたことないのか。火山周辺とかでお湯が湧いてくる泉だよ。風呂と違って色々効用があるって話だけど。中には美肌とかそういうのもあったような。」
「へえ。お湯に浸かるだけで?何とも不可思議な話だが」
カミラもどうやら興味を持ったようである。
「温泉ねぇ……もう何年も行ってないな。てか、ドルケンのは全くない。」
オルタがそう言うと、ネージュが興味を持つ。
「ほほう。オルタ君は温泉経験があるようだね。どこの温泉に行ったの?」
「俺が行ったのはフィンの西で1ヶ所、更に足を延ばして、ベルンの火山麓の1ヶ所、さらにルナリア――あっちの大陸で2ヶ所に、東の島国で1ヶ所くらいか。」
「ほほう。そりゃあまた随分と……そっちもいずれ機会があれば行くとして(確定)、とりあえず今はすぐにでも行けるドルケンの温泉に行くべきだと思うのよ。」
「行くべきなんだ……まあ、この所何かしら忙しかったし、ゆっくりできる時にゆっくりするのは良いとは思うんだが……どうやって行くんだ?ワイバーンには頑張ってもらっても2人が限度だぞ?」
「コローナ軍に貸してもらったワイバーンをもう1騎借りれば?」
「流石に難しいだろ。」
「じゃあ、ブリュンヴィンドにトレーニングを兼ねて頑張ってもらう。別に戦闘機動する訳じゃない魔法の補助とかで頑張ればいいトレーニングになる筈。」
「自分たちがゆっくりしに行く所にブリュンヴィンドだけオーバーワークさせようっていうんだ?」
「それならワイバーンだって……それに過保護は良くないと思う。アンナ!」
ネージュがアンナに目配せをすると、アンナがブリュンヴィンドに話しかけた。
「…………ご褒美くれれば吝かじゃないそうですよ?」
「……どこでそんな言葉覚えたんだよ。」
「いえ、吝かは意訳ですが。正確には『頑張るからご褒美ほしい。』だそうです。」
「随分な意訳だな!?……まあ、そうだな。ブリュンヴィンドも乗り気だっていうなら……うむ。予定を立ててみんなで行くか。魔石と極上の肉を用意しないとな。」
アンナの意訳に多少驚きつつも、アデルが前向きな姿勢を示した。そうなれば彼らにとってそれは決定事項だ。戦闘や生活基盤に絡まない話なら、アデルの気が変らない様にネージュやアンナが誘導なり牽制なりすればだいたい計画が止まる事はない。
アデルは各方面からの依頼を考慮しつつ、旅行計画を立てるのであった。
歴史的会談から約半月となる旅行前日、アデルは各方面――ディアスやら、エルランジェ伯のいつもの使者、更には軍事交流の第一歩として先週派遣されてきたドルケン翼竜騎士らに1泊2日の予定を告げる。本来ならせいぜいディアス(私的)と冒険者ギルド(公的)に伝えれば済む程度の話ではあるが、多少なりとも関わったコローナとドルケンの交流の初期段階ということでそれぞれに通知した。その際、ディアスとソフィーには今度連れていけと言われ、派遣されてきたドルケンの翼竜騎士先遣隊の隊長からは、ついでに軍務卿に書類を渡してほしいと少し待たされて書類を預けられた。どうやら翼竜騎士団は度々非番の日にドルケン各地に点在する温泉に行くそうで、軍務卿も詳しいと言うおまけ情報もくれた。ちなみに、いつもの役人にはただ、呆れ気味に「そうですか。」と言うだけだったので、次からは連絡を省いても構わないかと考える。
当日、天候にも恵まれ絶好の旅行日和となった。まずはブリュンヴィンドだ。ここ最近は小柄な馬程度の大きさにまで成長し、軽装備のアデルを乗せての騎乗戦闘の訓練も始めている。主に空対地と空中戦の訓練となるため、特に空中戦の相手は翼竜騎士団にお願いしようかと思ったが、やはりグリフォンを相手にすると言うのはいろいろやり難いらしく丁重に断られてしまった。
仕方なく、その大半はアデルを乗せた状態でネージュやアンナと追いかけっこをするという事になるが、それだとブリュンヴィンドのただの基礎体力のトレーニングとなるだけで、騎乗戦闘や連携の訓練にはならないのが難点である。尤も、日に日に逞しくなるブリュンヴィンドはまだまだ成長途中であり、その為の鞍やら手綱やらを用意できていないというのも一因ではある。今は精々、ハーネスに綱をつけてアデルの態勢を安定させる程度の装備だ。
先日、ドルケン国王らの送迎の際には魔法の支援があったとはいえ、休憩なしで飛び続けられたことはブリュンヴィンドにも自信になっていた様でアデルを乗せて意気込んでいる。アンナの疲労軽減の他、最近は風の精霊とも交流が出来るようになったようで、ブリュンヴィンド自身で気流のサポートも受けられるようになっていた。流石は王種というところだろうか。
ブリュンヴィンドにアデルが、ワイバーンにオルタとカミラが乗り、ネージュとアンナはそれぞれ自力で飛行を開始する。本来、正規の准騎士であるアデル以外がワイバーンを扱うことは余り良くないことなのだが、この辺りは翼竜騎士団、ベックマン軍務卿ともに黙認状態である。
また、グリフォンに騎乗してドルケン国内を飛行するのは自重してほしいとのことなのでなるべく人目の付かないルートを選び、ドルン周辺や翼竜騎士接近時は不可視の魔法で誤魔化すことにした。充分に意思の疎通が可能なブリュンヴィンドなら、短時間の間なら不可視状態を維持できるからである。
途中、何組かの翼竜騎士の小隊と遭遇しながら、ほぼ予定通りにドルン空域へと到着する。最初に遭遇した翼竜騎士からは、何故か空中に浮いているアデルに白い目が向けられたが、今回は他に手段がなかったと弁明して呆れられ、それ以降はアデルとブリュンヴィンドのそれぞれに不可視の魔法が被せられるようになった。
ドルンの郊外で一旦着陸すると、先遣隊隊長からの書類を持ったアデルはそれをまず届けてくると、ワイバーンに乗りなおし単身で城へと向かう。
程なくしてベックマンに面会し、預かった書類を渡すとベックマンは内容を確認してアデルに感謝を述べると共に、今回の来訪のいきさつを聞く。
ベックマンは得意顔でドルン周辺にある温泉施設を紹介してくれたが、アデルがブリュンヴィンドやネージュ・アンナと共にゆっくりできるところがいいと言うと、それなら後日秘湯の情報をまとめた地図を用意するが、今日のところはグリフォンに話を聞いてみてもいいだろうとアドバイスをくれた。また、今後パーティとして往来が必要になることを想定して、彼らの飛行による往復に関して何らかの方法を考える事を約束してくれた。ついでの仕事で思わぬ報酬である。その後、コローナ側から見た交流の様子などの意見交換や、テラリアの後継者騒ぎの見解などを聞いた。
テラリア情報は、先日ナミから聞いたものとほぼ同様――それを裏付ける内容だった。第1皇女の消息不明はもはや周知の事実となった様で、今は第1皇子がそのまま継ぐことになるのではという見立ての様だ。ただ、第2皇子、皇女もいろいろと一筋縄ではいかない人物の様である。それ以下は年齢的に後継になることは難しいだろうと言うのがベックマン――ドルケンの見解のようだ。
ベックマンは別れ際に、出来ることなら、と前置きをしたうえで、グリフォンにもグルド山北部・東部の話を聞いてみて欲しいとアデルに言う。グリフォンやドラゴンの領域の情報はほとんど入って来ておらず、もし何かしらの異常があればすぐに知らせてほしいという事だ。
アデルはそれを了解し、城を後にした。
山麓で再び合流したアデルは城での話の報告をすると、先にグルド山のグリフォンたちの巣を訪ねた。今回もネージュやブリュンヴィンドが他の兄弟たちと交流を深める間、アデルは自分たちと東部情勢の説明をする。グリフォンとしてはコローナの東部情勢はあまり興味がないらしく、その話題はすぐに終わってしまう。代わりにドルケン北部やグルド山東部の話を聞くが、こちらも余り大きな動きはないようだ。ただ、北麓で勇者と呼ばれる、アデルと似た様な背格好の男が目撃されたと言う情報が入る。ただ少々困ったことに、ある意味、アデルも同様にやらかしている為ひとのことは言えず、仕方がないともいえるが、勇者隊はグリフォンを魔物の一種と見ているようで、グリフォンに威嚇射撃をしてきたそうだ。恐らくはヴェーラであろう、情報通り今はドルケン北部にいるようだ。
グリフォン達にはその一行はドルケン人でないので気を付ける様に頼むとともに、何らかの手でヴェーラ達にグルド山のグリフォンは敵性種族ではないと伝える必要がありそうだ。下手に連邦や皇国の悪意ある人間に唆されてからでは遅い。ベックマン辺りに伝え、北部の人間にそれとなく接触し伝えてもらうのが良いのだろう。
その後、グリフォンに本題を訪ねる。
「この辺りに、お湯が湧き出る泉とか知らないか?」
「お湯の泉?いくつかあるが……何かあるのか?」
「いや、人間にとって暖かい泉で水浴びするのは最高の休息なんだ。」
アデルがアンナを通してそう説明すると、グリフォンはきょとんとした顔で首を傾げる。そのような習慣はないのだろう。アデルとしては是非水浴びとブラッシングの良さを味わってもらいたいと思ったが、グリフォンはこの集落だけで20近くいる。さすがにペガサスの様に広まってしまったら今度はアデルが温泉どころではなくなってしまう。今回はブリュンヴィンドを労うだけにしてグリフォンに温泉を布教するのはまた別の機会にしようと考える。
「火の精霊がいそうな所でもいいのかな?」
アデルはアンナにそう尋ねてみたが、その辺りはアンナもわからないらしい。火の精霊だけあって温度の高い所を好むというのは確からしいが、温泉となれば相反する属性である水の影響もあるだろうと。
結局は単純にお湯の泉だけを聞いて、比較的近い所から3~4人で丁度良い大きさの泉を聞きそこに向かうことにした。
教えてもらった温泉はすぐに見つかった。グリフォンの領域からは少し外れ、グルド山の山頂から数キロ北西と言ったところだった。標高がかなり高くなってきているのか、木もまばらになってきており、丁度森と岩山の境界から少し岩山に寄った感じの場所だった。地熱が高いのか、所々、山肌の隙間から蒸気が立ち上ることもあるようだ。
広さは正円ではないが直径6メートルといった所だろうか。泳ぐには狭いが、人間4~5人、或いはグリフォンやワイバーンの成獣1体が浸かるには丁度良さそうな温泉だった。ネージュが早速泉に片手を入れて温度を確認する。
「ん。少し熱めだけどいい感じ。」
と、満足げな表情で頷くと、アンナに目配せしてスーツを脱ぐべく手を掛ける。
「いや、先にブリュンヴィンドを労ってからだな……」
アデルが収納魔具からヴィントの形見であるを大型リュックサックを取り出し中をまさぐりながらそう言うと、ネージュは脱衣を一時中断する。
アデルがブラシを取り出したところで、ブリュンヴィンドを湯に付けようとするが、温泉が初の体験なせいか、或いは独特の微かなにおいが気になるのかブリュンヴィンドは入水を嫌がった。
「むう。仕方ないか。」
元々羽毛を持つ者は水に濡れるのを嫌う。馬ですら最初は怖いのか及び腰となりがちなので、まずは無理させずに様子を見る事にする。
アデルはアンナに何か言うと、一旦その場を退こうとする。
「ん?お兄は入らんの?」
「いや、君ら2人だけならともかく、今回はカミラもオルタもいるしな?」
ネージュが首を傾げると、アデルは肩を竦めて見せた。
「俺は別に気にしないけど?」
「お前は気にしろよ。」
オルタが平然と言ってのけたのをアデルが突っ込む。
「2人だけならともかくというのはどういう意味なんでしょうかね。」
アンナがジト目で睨んでくるが、アデルは悪びれもせずに言う。
「え?ここで比べちゃう?何をとは言わないけど、今からここで?」
アデルが言う、“何を”が何を指しているのかはアンナも察しが付く。空気抵抗を考慮したのかスレンダー体型が多いと言われる翼人の中でもアンナはその傾向が顕著だ。尤も、実在の比較対象は同族では親と同年代のリシアとなるし、歳が近いのは人間の中だとロゼールやミリアと言った生活環境、とくに食生活に於いてはかなり優遇されていた筈の者ばかりとなるのでいささか分が悪い。
カミラの方もそれを察したが、少し困った表情を浮かべながらも、
「ある意味今更ではあるが……どうしてもと言うなら止めないよ?タオルくらいは巻かせてもらうけど。」
とアデルを見る。
「いや、それは流石に色々と……」
刺激が強過ぎる。興味がないわけではない。むしろ逆に発散するのが大変なんだ。内心でそう呟く。
「意識し過ぎるから気になるんだよ。」
「「「ええええ……」」」
何食わぬ顔で堂々と短パン、所謂“海パン”になっていたオルタが言うと、アデル、アンナ、カミラが別々のニュアンスで引いて見せる。
パンイチ状態のオルタの身体はそれはもう全身、見事な日焼け姿だった。体はアデルより一回り小柄だが分厚さが違う。アデルが見ても本当に年下か?と疑うほどに出来上がった体だった。
「流石に鍛え方が違うな。これが海賊若頭か……」
「なんだよそれ。まあ、船、ガレーで外洋に出て長期間生活するとなると、これくらいにはなるかもしれんがね。それこそ、船漕奴隷となったら、もっと極端になるぜ?あんまり歩かないから足は細りつつ、腕から肩はすごいことになる。まあ、漕ぐときに突っ張るから足もそれなりにはなるけど。」
オルタの言葉にアデルは上半身ムキムキになった、オランやナナの姿を思い浮かべた。それはそれで多少興味が湧くが、わざわざ遠出してまで見たいものでもない。
「まあ、流石にカミラは大変か。主に後が。」
オルタがアデルにしか聞こえない様に囁く。先程のアデルの心の呟きが聞こえていた様だ。
「何かあったらブリュンヴィンドもいるし、声を上げてくれりゃ俺らも駆けつけるさ。離れてもせいぜいそこの森程度だしな。ごゆっくりどうぞ。」
オルタ上着だけ纏い直し、カミラにそう言うとアデルの腕を掴んで離れる。
「兄ちゃんは年上が好みなのか。俺だったらアンナの方が魅力的な気がするんだけどなぁ。」
「……ふっ。若いな。」
「……こうなったら、アンナにバストアップのマッサージでもしてやった方がいいかな……」
「……なぬ?」
アデルとオルタはそんなやり取りをしながら、森の木に腰を下ろした。
どこぞの屋敷の風呂の様に泳ぐほどの広さはなかった為、ネージュ達は大人しく湯に浸かっていた。
一旦上がり、身体を拭いて再度浸かりなおした所からアンナの視線はカミラの胸に釘付けになっている。
「むう。」
むくれるアンナにカミラが気付く。
「翼人についてはよく知らないけど、その内人並みにはなるでしょ?どうしてもと言うのなら――」
「どうしてもと言うのなら?」
アンナがカミラの言葉をそのまま反芻する。
「人の表皮って結構伸びるのよ。どうしてもというなら、腐らない水袋を腋から注入するって方法もあるみたいだけど……」
「……結構デス。」
見た目的には一時的に大きな効果が出そうだが、これから成長する分を考えるとそれがどうなるかわからない。また、腋から注入するという場面を想像しながらアンナはお湯の水面に突っ伏した。
女性陣が湯から上がった所で涼ませつつ、アデルは様子を見ていたブリュンヴィンドを諭して徐々に湯を掛けて行った。アンナたちの様子を見て危険はないと踏んだかブリュンヴィンドも徐々に温泉へと足を進め、背中が浸かったところでアデルがブラシをかけ始めると、ブリュンヴィンドもいよいよ寛ぎだした。ネージュと手分けしてブラッシングをする様子を、アンナとオルタが興味深そうに覗っていた。カミラはこの辺りには特段興味がないようだ。自身の肌の感触を確かめつつ髪を乾かせている。
物は試しとワイバーンにも試してみた所、こちらは経験があったのか、すんなり受け入れこちらもご満悦の表情を浮かべた。
一仕事終えた後、アデルはオルタと共にゆっくりと湯に浸かると、このところ溜まっていた疲れを揉みほぐす。
「あ、それ上がったら私にも。」
セルフマッサージの様子を見ていたネージュがそんな事を言いだす。
「だったら先に言えばよかったのに。身体があったかい内の方が効果あるようだしな。」
「ん。じゃ、終わったらもう一回浸かるからその後で。」
「お、おう……」
その後、結局全員にマッサージを施してまわる事になりつつも、彼女らの満足げな表情にアデルも満足感を覚える。主にカミラの脇腹が一番入念に施されたという事実はおそらく誰も気づいていない筈だ。アデルらはその後、少し休憩をしてドルンへと戻っていく。
紅い髪の男女二人組が離れていく翼竜と獅子鷲を見送っていた。
「竜人に翼人、翼竜に――それに獅子鷲か。面白い組み合わせの客だな。」
「あの獅子鷲、王種のようね。それよりも兄者。」
「うむ。“紛い物”が現われたか。」
「遺跡が荒らされたと言うのは本当だった様ね。」
「困ったものだ。果たして誰が手を付けたものか……長に報告せねばな。」
「あの翼人、どう?」
「悪くない。お前はどうだ?」
「んー……どっちもありといえばありかな。でもあのマッサージとやらは一度味わってみたいわね。」
「ふむ……」
2体は音もなく浮かび上がると、山頂へ向けて飛行して行く。
翼も持たずに。である。
次から新章予定。単純な戦記物になる予定です。
主人公たちが最前線で活躍するとは限りませんが……




